これまでに観た映画より(392) 「ひろしま」
2025年8月6日
Amazon Prime Video シネフィルWOWOWで、日本映画「ひろしま」を観る。1953年の作品。原爆に襲われた1945年8月6日からの数日間の広島の街と、それから7年後(1952年)の広島市が描かれる。関川秀雄監督作品。音楽:伊福部昭。古い映画なので、映像、音声共に経年劣化しており、ライトの明滅で目がチカチカしたり、高音が再生されず聞こえないので何を言っているのか分からない場面もある。
1952年のパートの主役は高校の英語教師である北川(岡田英次)。この時代の広島の高校は男女共学になっているが、教室の教壇に向かって右側に女子が、向かって左側に男子が共に集団で座っており、現在の一般的な共学のように男女バラバラというわけではないことが分かる。北川は広島原爆に関するラジオを生徒達に聞かせているのだが、生徒の大庭みち子(町田いさ子)が、鼻血を流すなどして倒れてしまい、保健室に運ばれる。みち子もまた被爆者であった。北川はどうも広島以外の場所から赴任したらしいことが分かるのだが、高校の生徒は3人に1人が被爆体験を持っているようだ。
その後、みち子は被爆が原因と思われる白血病で亡くなる。
そして時代は遡って広島の原爆(ピカ)投下直後の広島の地獄絵図が描かれる。逃げ延びようとする人々の中で、月丘夢路、山田五十鈴などが熱演を繰り広げている。
広島市民延べ8万8千500人がエキストラとして参加しており、かなり力の入った作品である。セリフがある人も役者ではなくエキストラが多いと思われる。セリフは標準語で書かれているが、広島弁で喋るシーンにはアドリブがある可能性が高そうだ。
原爆投下直後の場面は文章では表現しきれないものであり、実際に映画を観ていただくしかない。
伊福部昭の音楽は、民族音楽的なもの、宗教音楽的なものなどバラエティに富んでいる。この映画は音楽が流れている時間がかなり長い。
素人を大量導入ということで、原爆直後の場面では、「戦艦ポチョムキン」を意識したような絵作りが続くのも興味深いところである。
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