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2025年10月12日 (日)

コンサートの記(925) びわ湖ホール オペラへの招待 レハール作曲「メリー・ウィドウ」 2025.7.20

2025年7月20日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール中ホールにて

午後2時から、びわ湖ホール中ホールで、びわ湖ホール オペラへの招待 レハール作曲「メリー・ウィドウ」を観る。「メリー・ウィドウ」は18日に始まり、明日21日までダブルキャストで続く。演奏はびわ湖ホールの芸術監督である阪哲朗指揮の日本センチュリー交響楽団(コンサートマスター:塩貝みつる)。ソプラノのベテラン、並河寿美(なみかわ・ひさみ)を招き、比較的平均年齢の低いびわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーがステージを彩る。

出演は、並河寿美、市川敏雅、高田瑞希(たかだ・みずき)、迎肇聡(むかい・ただとし)、奥本凱哉(おくもと・ときや)、島影聖人(しまかげ・きよひと)、大野光星(おおの・こうせい)、平欣史(たいら・よしふみ)、佐貫あさひ、五島真澄(男性)、山内由佳、竹内直紀。
合唱はびわ湖ホール声楽アンサンブル。ダンスに島津あいり、廣嶋梨月(ひろしま・りづき)、藤田あい。ダンスの3人は一般公募である。

 

オペレッタ(喜歌劇)を代表する作品であるレハールの「メリー・ウィドウ」。原作はフランス語で書かれた戯曲で、パリでの上演はさっぱりだったそうだが、その後、ドイツ語に訳されてウィーンでそれなりにヒット。その約40年後にオペレッタの人気脚本化であるヴィクトル・レオンが、レオ・シュタインと共同でこの本をオペレッタ用に直し、レハールに作曲を依頼して初演されている。

まずは阪哲朗指揮日本センチュリー交響楽団の、滑らかにして立体的、芳香の漂うような上品さと、がっしりとした力強さを兼ね備えた演奏が見事である。

ヒロインは、ハンナ・グラヴァリ(並河寿美)だが、準ヒロインともいうべきヴァランシエンヌ役で、若い高田瑞希が出演。沼尻竜典のオペラ「竹取物語」では大津での1公演だけだったが主役のかぐや姫を務め、クルト・ヴァイルの「三文オペラ」ではヒロインのポリーを好演。重要な役が続く。あるいはびわ湖ホール声楽アンサンブルとしてはヒロイン級として育てたいのかも知れない。今回はエピローグではほぼ主役であった。

ショスタコーヴィチが、このオペレッタから引用を行い、それに怒ったバルトークが管弦楽のための協奏曲で再引用したということが知られるが、ショスタコーヴィチが引用したのは、初めて「祖国」という言葉が出てくる歌詞である。架空の小国を舞台とした作品だが、そのため却って愛国心が掻き立てられるのか、「祖国」という言葉が出てくる歌詞は多い。

 

演出を担うのは、唐谷裕子(からたに・ゆうこ)。愛称は苗字由来の「からやん」のようだ。大阪音楽大学音楽部声楽専攻卒業。同音楽専攻科 声楽専攻[演出]第1期。演出を岩田達宗にも師事しているようだ。
唐谷は、プレトークに登場。「忘れてしまってはいけないから」と、「しっかり書いた台本」を手に、レハールの生い立ちや作曲家になったきっかけ、「メリー・ウィドウ」の簡単なストーリー紹介などを行う。
女性の色彩豊かな衣装が華やかな印象を与える演出だが、オペレッタということで、お客にも楽しんでもらおうと、拍手を入れる場なども設けていた。

 

緞帳が降り、一応本編が終わった後で、阪とセンチュリー響は、「メリー・ウィドウ」のハイライトを演奏。この間に着替える出演者がいるのである。
そして、緞帳が上がるとフレンチカンカンなどを含むバカ騒ぎ。そしてダニロ伯爵(迎肇聡)とハンナが寄りを戻すのであった。
その後、阪とオーケストラが、「メリー・ウィドウ・ワルツ」と「ハンナの歌」をオーケストラのみで奏で(この間にも着替える人がいる)、幕が上がると全ては丸く収まるのであった。

貫禄ある歌をうたうことも多い並河寿美だが、富豪の夫を4か月で亡くしたばかりで、金持ち故に皆が言い寄る未亡人も様になっている。

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