これまでに観た映画より(409) 東野圭吾原作「ある閉ざされた雪の山荘で」
2025年10月12日
J:COM STREAMで、日本映画「ある閉ざされた雪の山荘で」を観る。東野圭吾の同名小説の映画化。出演:重岡大毅(しげおか・だいき)、中条あやみ、岡山天音(おかやま・あまね)、西野七瀬、堀田真由(ほった・まゆ)、戸塚純貴(とづか・じゅんき)、森川葵、間宮祥太朗ほか。監督は、「GTO」(AKIRA版)の飯塚健。
タイトル通り「ある閉ざされた雪の山荘」が舞台、ではない。実際の舞台となるのは海に近い別荘地にある貸別荘である。東京から近い海のそばの貸別荘となると千葉か神奈川になると思うが、エンドロールで千葉県南房総市でロケが行われたことが確認出来る。
そこで、劇団水滸の役者達が最終オーディションに臨むことになる。劇団水滸は比較的大きな劇団であるが、毎回オーディション制で、劇団員が所属しているという訳ではないらしい。東郷という男が主宰者で演出家だが、声のみで別荘に姿を現すことはない。監視カメラの映像に表示されている日付から、現在が冬ではなく3月初旬であることが分かる。
オーディション制といっても毎回受かっている人もいて、今回は7人中6人が数回共演している仲間であり、前回公演もこの6人で行われた。三次オーディションで合格した久我和幸(くが・かずゆき。重岡大毅)が新参者だ。久我だけは現地での合流となる。
海から近い貸別荘は豪華な作り。久我、中西貴子(中条あやみ)、田所義雄(岡山天音)、元村由梨江(西野七瀬)、笠原温子(あつこ。堀田真由)、雨宮恭介(あまみや・きょうすけ。戸塚純貴)、本多雄一(間宮祥太朗)は、この貸別荘で最終オーディションを受けることになる。一番優れた者が次回作の主役となる探偵役に抜擢される。東郷は現れないが、カメラが何カ所か据え付けられていて、モニターで監視しているということらしい。
更に設定が加えられ、今いる場所は海の近くの貸別荘ではなく、雪に閉ざされた山荘で、外に出ることは出来ず、通信手段も何もないということになる。なぜこうしたことをするのかというと、この話の元ネタであるアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』の設定にしてみたかったからだと思われる。部屋には『そして誰もいなくなった』が人数分置いてある。アガサ・クリスティの時代にはそもそも通信手段自体が未発達だったが、今はいくらでもある。それを敢えて手放して行動することがオーディションになるようだ。「本当にオーディションになるのか?」という疑問は当然起こるが、疑問が起こってもストーリーが変わるわけではないので、それはそれとする。
連続殺人が起こるわけだが、当然ながら疑問に思うところは出てくる。最初の事件は、「この人物はこれが得意で、あるものを装着しながらこれを行う」こと知らないと事件を起こせない。これはかなり引っかかる点である。それ以外の事件については特にやり方に問題はない。
若い俳優ばかりが出てくる作品だが、今の若い俳優は私たちの時代と比べて演技が細やかでナチュラルである。私の家は映画館に行くのは年に1度で、それ以外はテレビドラマかテレビで放送されるカットと吹き替え付きの洋画、やはりカットありの邦画ぐらいしか演技している人を見る手段がなかった。一方、今の若い俳優はそれに加えてインターネットや配信サービスなどを利用して何時間でも演技をしている人を見ることが可能だ。その分、有利な環境にあるといえる。持って生まれた才能に関しては今も昔もどうしようもないわけだが。私も以前は、「才能はなくても稽古をすればある程度は伸びるはず」と思っていたが、全く伸びずに終わった俳優(彼のために上演10分の平易な戯曲を書き下ろしたが、それすら無理であった)を見ると持って生まれたものの大きさについて思いをはせたりする。
登場人物が全員役者ということで生まれたミステリー。テレビドラマの延長的な作りであるため、そこを嫌う人がいるかも知れないが、ひと味違ったものを観たいという人には向いているかも知れない。
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