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2026年3月31日 (火)

コンサートの記(954) 森山直太朗 Two jobs tour 2025~26「あの世でね」Yeeeehaaaaw@フェスティバルホール

2026年3月20日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて

午後6時から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、森山直太朗 Two jobs tour 2025~26「あの世でね」Yeeeehaaaawを聴く。昨年、森山直太朗がリリースした2つのアルバム、「弓弦葉」と「Yeeeehaaaaw」の楽曲によるコンサートツアー。今日は、「YeeeeHaaaw」というフォークブルース、ブルーグラスを中心にした構成。母親の森山良子から受けた影響も大きいようだ。「弓弦葉」のコンサート会場だが、今日、発表が行われ、京都コンサートホール大ホールで、6月に開催される。京都コンサートホールは、クラシック専用ホールだが、それにあった編成で行われるはずである。今日も編成が大きめのバンドだったが、全てアコースティックの楽器であり、柔らかさが伝わってくる。今日は終演後に京都公演のチケットも発売されていた。京都公演の翌日は、大阪・上本町の新歌舞伎座で公演を行うという。森山は新歌舞伎座という劇場名から歌舞伎の劇場だと思ったようだが、新歌舞伎座は、なんばにあった頃から「歌舞伎の上演されない新歌舞伎座」として有名で、若手の歌舞伎俳優が公演を行うことはあるが、歌舞伎のビッグネームが登場することはない。演劇、ミュージカルの上演が多く、演歌歌手のショーも盛んに行われている。松竹も支援しているが近鉄の小屋で(歌舞伎は松竹の独占興行で近鉄だけでは歌舞伎の公演は打てない)、ミュージカルの上演が多いということで、音響は一定の水準が保たれている。

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「あの世でね」というタイトルであるが、昨年9月に公開された映画「風のマジム」のために書き下ろされた新曲で、舞台になった沖縄のことが歌われている。典型的なアイリッシュテイストのブルーグラスの楽曲である。私も何度かカラオケで歌っているが、「メロディーは陽気だけど、歌詞が怖い」と言われた。沖縄戦で戦死した人々が天国から戻ってきて歌うという趣向で、まじむのことについても歌われ、語られる。民俗的要素も、沖縄・本土関係なく歌われている。この曲にはフル編成によるバージョンと、ギター弾き語りによるアンプラグドバージョンがあり、「弓弦葉」公演ではアンプラグドバージョンが歌われる可能性が高い。

客席の年齢層であるが、若者はほとんどいないものの、中年以上のお客さんの年齢幅は広いように感じられた。男女比は私の席の周りでは半々。開場時間と終演後のみ写真撮影可となっている。音声を録ることは本番以外の時間であっても厳禁。

森山直太朗は、現れてすぐに客席に「立って立って」とジェスチャー。バラードが来るまでスタンディングで聴く。

森山直太朗の楽曲は裏声(ファルセット)を多用するのが特徴で、私も好んで歌う楽曲が多いが、最近は年齢のためか、裏声が素直に出なくなっている。また森山は音をかなり伸ばす。

フォークブルースの楽曲ということで、「赤い鳥」という曲を作曲している時に母親の、「歌わせろー!」という声が頭の中で聞こえたりしたそうだ。ただ母親に歌わせるわけにもいかないので、バックコーラスを頼んだところ、食い気味に「いいよ」と返ってきたという。

今日はバックバンド全員が赤の服装。「あの世でね」のミュージックビデオでも着ているものだが、YMOの赤い人民服(実際はスキー服をモチーフに高橋幸宏がデザインしたもの)を連想させる。
メンバー紹介の時に、チェロのはるかさん(林はるか。実妹は作曲家・編曲家・ピアニストの林そよか)が、大阪出身だという話をするが、「大阪弁、聞いたことない」と森山が言う。はるかさんは、「いつもは皆さん標準語なので標準語ですが、大阪に帰ると大阪弁になります」
森山は、「もっと乱暴な感じの大阪弁が聞きたい」というも、はるかさんは、「箕面(みのお)なので」。これで客席は大体納得したが、森山は東京の人なので、「箕面がどうしたの?」とよく分かっていないようだった。箕面は阪急の前身の会社が大阪市までの線路を引いたところで、その後、専務の小林一三の提案により、箕面周辺に大阪市内まで通勤する、比較的アッパークラスのサラリーマンのための住宅街を造成。大阪市内の「家が手狭」という層の移住を目論んだ。鉄道とそれに乗る乗客の両方を生み出すという画期的な政策を行った街の一つである。ということで高級住宅街もあり、お上品な人が多く言葉も綺麗なのである。はるかさんもプロのチェリストになっているということはお金のある家の出身であると思われる。吉本の芸人が使うような河内弁ベースの言葉とは根本的に異なる。なお、はるかさんは鉄道好きの「鉄子」なので、みんな「はるか」ではなく「鉄子」と呼んでいるそうだ。

アルバムの曲以外では、「夏の終わり」が歌われる。この歌も反戦歌で、サビはほぼ全てファルセットで歌われるという、ファルセットが出ないと歌うのが難しい曲である。

「さりとて商店街」は、某有名曲のパロディー。お客さんも歌ったので「共犯」関係のようだ。

肝心の「あの世でね」。春分の日に相応しい楽曲だ。この曲にはセリフの部分があるのだが、森山直太朗はセリフを言った後、しばらく歌ってからまたセリフを言おうとしてしまい、セリフを止めて演奏だけを行い、バックバンドは上手くついてこられなかったが最後のフレーズを歌って、何とか格好をつけた。演奏終了後も悔しかったようで、色々言っていた。
最後の曲、「僕らは死んでしまうのだけれど」の前に、「アンコールが欲しいというのなら演奏する曲は用意しています」

アンコールは3曲だったが、最後は一人語り「生きてることが辛いなら」。作詞の御徒町凧(おかちまち・かいと)が第50回日本レコード大賞で作詞賞を得た作品。心が「自分」で占められている人へのメッセージソングである。この曲がラストというのもいい。

なお、全編終了後、森山直太朗がアルバム購入者全員にお渡し会を行うという。男の人に貰ってもねえ、というわけで私は参加しなかったが、多くの人が並んでいた。森山がステージを去る際に、「良かったで!」「また来てや!」と声が掛かる。大阪でも珍しいことで、森山がいかに愛されているかが分かる。

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