「新・科捜研の女1」Season5概要
「新・科捜研の女1」Season5 File.1。寝台特急(ブルートレイン)が出てくる。今はブルートレインは全廃となった。私は上野初金沢行きのブルートレインに乗ったことがあるが、一睡も出来なかった。1996年のことである。
新たに田中健が、佐久間誠として京都府警刑事部長となる。
寝台列車の中で中年男性が毒物によって殺害されていることが分かる。長崎発の特急あかつき。事件は1年前に遡る。文学系のサイトで知り合った5人がワゴンの中で練炭による集団自殺を図る。実際にこの時期には練炭などによる集団自殺が流行っていた。
寝台列車の中で死んでいた中年男性は、借金で首が回らず集団自殺に加わろうとしていた。その後、練炭自殺に加わっていた美咲(さとう珠緒)と響子(遠山景織子。特別出演となっている)が相次いで殺害される。美咲はOLだったが、執筆した小説がベストセラーとなっていた。
京都府警も新しい顔を迎える。最終回まで出演することになる土門薫が登場。前回までは小説家の武藤要役だった内藤剛志が演じる。武藤も出てきた当時は関西のアクセントだったが、すぐに標準語に変わった。土門も基本は関西弁であるが、犯人に迫るときには標準語に変わる。何と言っているのか分からない地域があるためだと思われる。なお終盤に京言葉を使ってマリコをからかう場面があるが、これは京都の人でないと分からないと思われる。土門がマリコの関西訛りを聞いて、「あんたも関西か」と聞く場面がある。マリコは横浜市出身という設定で、関西の言葉は基本出ないが、この時はたまたま出ていた。沢口靖子は堺市出身なので関西の言葉は普通に扱える。
実は土門は、過剰暴力により、舞鶴東署に飛ばされていたのだが、妹であるハイテク捜査部の土門美貴(加藤貴子)の働きで、京都府警本部に栄転となった。内藤剛志は五分刈りにしての役作りである。
その他では斉藤暁もSeason1とは顔はそのままだが別人という役で出ている。
犯人は練炭自殺に参加していた有紀(有森也実)。メイクでかなり暗めの顔にしている。苦しみを抱え、心中にも失敗して一人だけ生き残り、死ぬしかないと思っていたのに、美咲は自殺するつもりはなく、練炭での集団自殺を題材にした小説を書くために参加していた。響子もサイトの管理人と結婚に向けて歩き出していた。皆、幸せになろうとしている。それが恨めしかった。
なお、有紀は長崎にある篠山金属工業という小さな会社で事務員のような仕事をしているが、篠山金属工業の社長をなぜかハマコーこと浜田幸一が演じている。
長崎市での場面は、マリコが迷ったという設定にして、観光名所をこれでもかとばかりに映している。
「新・科捜研の女1」Season5 File.2。パティシエール(女性パティシエ)の遠山喜和子(丘みどり)の誕生日パーティーで、爆発事件が起こるパーティー会場となった洋館は、2000年に復元された京都女子大学錦華殿が用いられている。2階ベランダに出るシーンがあり、2階の内装は見えるのだが、1階が用いられているのかどうかは不明。キッチンはないので他の場所で撮っているはずである。
Season5に入ってから、マリコがコミカルなことをすることは減り、表情も敢えて固くして才気を感じさせるなど、我々が知る榊マリコに近くなっている。お笑い的要素は深浦加奈子などが受け持ち、元気で明るいキャラは加藤貴子が担当する。演技の分業制である。
主役はマリコだが、チームで演技する体制である。Season4では何のためにいるのかよく分からなかった宮前(山崎一)が、マリコに検査を頼まれて仕事をしている場面も多い。
また、番組の最後に、マリコと土門が関西弁でやり取りをしている。ただこれがいつまで続くのか分からない。先に書いたとおり、沢口靖子は堺市出身なので、関西の言葉を喋りながら育っているが、マリコは横浜市の生まれ育ちという設定なので、そんなに流暢な関西弁を喋られると違和感を抱く。
しかし、前回、遠山景織子(とおやま・きょおこ)が殺される役で出たのに、今回は遠山喜和子という名前の似た人物が出る。脚本家が異なるのだと思われるが、事前の打ち合わせの問題はあるとして、事前にいくらでも役名は変えられたはずなのにそれをしなかったということは、「問題なし」という見解なのだろう。
喜和子には、出来の良い弟子がいた。沢木美沙である。喜和子も日本最高のパティシエとして賞を受けているが、美沙はミラノ・コンクールで賞を受け、師匠である喜和子を侮るようになっていた。だが、実際、美沙の方が調理のバリエーションも多く、喜和子は嫉妬していた。
ということで、喜和子は美沙殺害を企てるのだが、そもそも自分の誕生日に殺人を犯そうと思うかという話である。おそらく喜和子と美沙は今は疎遠なので顔を合わせる機会が誕生日パーティーしかないのかも知れないが、めでたい日なのに。
マリコは、砂糖が爆発する可能性を指摘。実際、粉砂糖をオーブンに入れると爆発する。喜和子は、美沙がオーブンを開けたときに爆発するよう準備していた。だが、美沙は電子レンジでケーキを作ろうとしていた。
だが、オーブンの電源を切った後で必ず中を確認という喜和子からの教えを守った美沙は、オーブンを開け、爆発が起こったのだった。
喜和子はとっさに、クッキングテーブルの裏に身を隠し、左手のやけどだけで済んだ。
しかし、電子レンジで作るケーキをマリコが再現したことで、喜和子の美沙に対する思いが明らかになっていく。
京都らしい場面は五条大橋西詰と思われる場所しか出てこなかった。御池大橋西詰にも似た場所があるのでそちらかも知れない。
Season5 File.3。男性の絞殺体が見つかる。貝の一部が付着しており、首はクッキリとした墨の入ったもので絞められていた。
貝はボタンに使われているものだということが分かり、海外産。土門は、同じ貝を使っている仕立屋をピックアップし、殺されたのがテーラー貫井の店長であったことから、テーラーの石津(秋野太作)がホシとにらむ。しかし、石津にはアリバイがあった。
だがマリコは高温多湿の場所に遺体を置けば、死亡推定時刻が変わる可能性を述べる。そして、石津がアイロンのスイッチを入れたまま外出していたことが分かる。トリックを使ったのではなく、偶然死亡推定時刻が変化したのだ。
石津は40年前に貫井に拾われ、以後、評判のテーラーとして勤めてきた。だが、近年はミスが目立つようになり、貫井にクビを言い渡されていたのだった。まだ隠居出来る歳でもなく、テーラー一筋では他に何も出来ない。職人の悲哀が滲む回であった。
マリコと土門が歩くのは、鴨川の丸太町橋下から南。旧京都中央電話局上分局という名建築が上にあるが、ほとんど映っていない。京都は洋式建築の宝庫でもあり、これまでも学校の建築に見立てられた使い方はされているが、視聴者が京都にモダンなものを望んでいないのかも知れない。
「新・科捜研の女」Season5 File.4&5。今回は、「科捜研の女」シリーズ初の回跨ぎとなる。
山奥の採掘現場で男性の白骨死体が発見される。傍らにはICレコーダーが落ちていた。鑑識の進藤(山本圭)が現場でマリコらと共に現場検証を行う。死体が完全に白骨化するまでには7年ほど掛かるそうだ。
遺体は井上という男のもので、遺品から指紋が出る。1年前に殉職した木場警部(小林稔侍)のものだった。ということでオールアップしたはずの小林稔侍が再度登場する。
木場は生前、松山寿子(としこ)という女性と親しくしていた。寿子は女優で、現在は芸名の木村彩(渡辺典子)を名乗っている。今は小劇団である「蒼天」の主宰者でもある。以前、劇団付き演出家だった男とは内縁関係にあったが暴力が酷く、ある日、演出家に殴られて顔を腫らしながら雨の中を彷徨っている時に木場に出会った。木場の助言で心も強くなり、演出家とも離れて、現在は演出も自分でやっているようである。進藤は木場と彩の関係を知っており、昨夜、ミステリードラマが好きな娘と共にテレビを見ていたところ、松山寿子=木村彩が犯人役で出演しており、木場と彩の関係を思い出していた。
彩はDVで警察に4度ほど相談に訪れていたが、同じく暴力に悩む長山照子(川上麻衣子)というホステスと、同じ悩みを共有する仲として親しくなる。照子は、安西というチンピラに借金があり、返すことが出来ずたびたび暴力を受けていた。
マリコは現場に残されていたICレコーダーの音声を解析して貰うが、そこには木場の声が入っていた。このICレコーダー、感度が良すぎてツッコミのネタになりそうである。
5年前のマリコについての話が進藤から語られたり、生前の木場とマリコの再現映像が流れたりするのだが、明らかに以前のシリーズのマリコではない。「アメリカ帰りの氷のように冷たい女」にも見えるのは、今シリーズからで、「科捜研の女」Season1が始まった5年前のマリコは、「頭が良く、有能で明るいがちょっと残念な人」であった。「新・科捜研の女」とタイトルを変えたことで、マリコの性格も一新されたようである。
これまで沢口靖子が受け持っていたコミカルな場面も、いつの間にか若いイケメン(丁度、この回が放送された2004年頃に普及した言葉である)好きで甘えるという設定になった深浦加奈子と、土門薫刑事の妹役である加藤貴子が分散して担っている。沢口靖子は目以外は余り表情を付けないクールな演技だ。
劇団の話ということで、三条御幸町にある1928ビル(その名の通り1928年=昭和3年竣工の旧毎日新聞京都支局)の3階にあった小劇場のART COMPLEX 1928がロケで使われている。ART COMPLEX 1928は、以前は京都の小劇団のメッカであったが、現在はGEAR専用劇場となっている。
ここで本番を行うのだと思っていたが、実際はリハーサル会場という設定のようで、本番は外観からいって京都市右京ふれあい文化会館をロケ地にした劇場で行われるようだ。リハーサル会場で通し稽古を行っていたという謎の設定がある(本番の会場で全てやり直しになってしまう)。また舞台上のトップが舞台監督(監督とあるが、映画監督とは異なり、裏方の総責任者を差す。本番中はこの人がトップになることが多い)ではなく彩のマネージャー(Season4まで別の役で出ていた小林千晴が演じている)になっているのも、小劇場の知識が余りない状態で本を書いたからだと思われる。
浅田という井上の遠縁の金貸しから度々借金返済の催促があり、暴力も受けていた照子は彩に電話で浅田を殺すことに決めたと告げる。慌てて浅田の事務所に駆けつけた彩。照子は浅田殺害に失敗し、浅田に死ぬほどに殴られていた。彩はその場にあった壺で浅田の後頭部を打つ。二人は更に井上も殺害。彩が井上の喉をナイフで刺す。
操作線上に上がった照子であるが、結局は彩に殺される。
5年前、雨の日に出会い、木場からラーメンをおごって貰った彩。「夢を応援している」とも言われたが、結局は薄幸な女に留まることが出来ず、3人を殺害した殺人鬼に落ちてしまった。照子絡みの事件も殺害を受け持ったのは全て彩だ。
ロケ地として、今は内部改装されて別の施設になってしまった烏丸御池の新風館が映っている。兄妹を演じる内藤剛志と加藤貴子の場面だ。
土門美貴役の加藤貴子が取調室に忍び込んでパンを食べ、マジックミラーの向こうから土門薫役の内藤剛志に注意されるという場面もある。ここで加藤貴子が、「お兄ちゃん、今朝もトイレ流してなかったでしょう。汚いからやめてよね」と、その場には関係のないセリフを話すのだが、これは二人が同居していることを視聴者に分からせるためのテクニックとしてのセリフである。
渡辺典子や川上麻衣子といった放送時点でも懐かしい女優の共演。二人ともかなり若い頃に頂点が来てしまったため、保つのは難しそうだ。
クールな女に変貌した沢口靖子とマリコだが、木場刑事との最後の思い出(映っていないがインクラインの上を歩いていると思われる)や本編のラストでは笑顔を見せた。
「新・科捜研の女」Season5 File.6。
洛北医科大学に自転車で向かうマリコ。しかし、途中で無灯火運転ということで、東山署の婦警、で当時は良かったのだが(劇中にも「婦警さん」という言葉が出てくる)、今は女性警察官の村岡葉子(菊池麻衣子)に呼び止められる。盗難車ではないかと疑われ、後部のタイヤに空気が十分入っていないと指摘される。
遅れそうになったマリコは、自転車を鍵を付けたまま空き地に止めてタクシーを使うが、案の定、盗まれる。自転車を取りに来たマリコだが、自転車はないので帰ろうとするが、警察のサイレンが聞こえる。すぐそばの事務所で京都府議会議員の古谷要一が胸を果物ナイフで一突きにされて殺されていたのだ。古谷は京都政界での評判も良く、次の参院選に立候補が期待され、当選確実と見なされていた。
高架があることから、亀岡方面に向かうJR嵯峨野線沿いであることが分かる。本来なら東山署の管轄ではないが、芝居の嘘である。
犯人はマリコの自転車を盗んで逃走した可能性が高いことが分かる。そこでマリコの自転車のタイヤ痕を追うことに。
今回は観光地が比較的良く映る。祇園の辰己大神宮、京阪四条駅(現在は京阪祇園四条駅。舞妓が歩いている様子が映るが、舞妓は昼間にお座敷の格好で出歩かないので、イメージ映像、もしくは舞妓体験サービス中の観光客である)、平安神宮前の神宮道(岡崎公園内の車道は現在は歩道に変わっている)、太秦の広隆寺、哲学の道など。
犯人は、左京区岡崎の東天王町まで来たことが分かる。
深浦加奈子演じる光子が、古谷をワイルドでセクシーでナイスミドルで投票しようかと思ってたと言ったり、10円玉を見つけて大喜びしたり、血痕を追って男子トイレに入ってしまったりする。沢口靖子がコミカルな演技を止めたため、他の人がコメディー部分を受け持つが、この回は加藤貴子もシリアスな役目を帯びることになるため、深浦加奈子に集中しているのだと思われる。Season4では、あんたそんな人じゃなかったじゃん。
マリコの自転車は、JR嵯峨野駅で発見される。タイヤ痕は鴨川の東岸に集中しているが、嵯峨野は京都市内でも西の方である。更に一つ、よくロケに協力してくれている同志社女子大学今出川校地付近でも見つかった。この二つだけが逸れている。また、自転車に数種類の毛髪が付着しており、理髪店に行った後の可能性が考えられた。
マリコは、自分の自転車の後部タイヤに触ったはずの葉子の指紋が出ないことを不審に思う。また葉子は以前はロングヘアだったのに今はショートにしている。
葉子は、土門美貴と同じ京都府警内のテニスサークルに所属しており、美貴によると、水泳以外の運動能力はかなり高いそうで、ダブルスを組んだこともあるという。マリコは美貴に葉子の毛髪を手に入れるよう頼む。最初は反発した美貴であったが、一緒にテニスサークルに参加した日に、タオルに付着した葉子の髪の毛1本を手に入れる。毛髪鑑定の結果、同一のものとの結果が出た。
葉子は哲学の道沿いの自宅アパートに犯人を匿っていた。犯人は葉子の幼馴染みである飯島陽一郎。共に愛媛県新居浜(にいはま)市出身であり、幼馴染みであった。川で溺れた葉子を陽一郎が助けたこともあり、葉子は陽一郎のことを命の恩人と感じていた。別の高校に進んで別れたようだが、先日、行きつけの理容室が満員だったために、初めての店に訪れた葉子は陽一郎と再会した。だが、陽一郎は同じ新居浜市出身である古谷の不倫の証拠を掴み、強請っていた。古谷は陽一郎の父親に儲け話を持ちかけて破産させ、自殺に追い込んでいた。古谷の家は愛媛の地元ではよく知られた資産家のようである。
葉子は、マリコの自転車を、今出川通沿いに走らせ、嵯峨野駅に返したようだ。途中で、本来なら同志社女子大学がある場所も今出川通沿いである。
葉子が犯罪に加担したことが分かり、葉子がアパートの外に出たところで、土門らが尋問に訪れる。ここで菊池麻衣子が大声を出すのだが、哲学の道という観光地沿い、銀閣寺ハイツも実在のアパートで住人がおり、一戸建ての住宅や店舗もあるということで、おそらく全家屋に撮影への協力を呼びかけたのだと思われる。哲学の道には誰もいないので通行も止めているはずである。
京大生役が多く、「京大女優」と呼ばれたこともある菊池麻衣子。実際には慶應義塾大学卒である。京都に縁のある女優だが、最近は余り見かけない。今回は髪型がショートだったが、ロングの方が似合う。陽一郎に髪を切ってもらう前はロングヘアだった。おそらくだが、陽一郎ともっと話したくてショートになるまで切って貰ったという設定もあるのだと思う。
「科捜研の女」シリーズは、これまで京都市の東側でロケを行うことが多かったのだが、今回は広隆寺が登場するなど、西側でのロケも行っている。本作品でも小道具を扱う高津(こうづ)商会があるも広隆寺のそばだ。
Season5 File.7。「科捜研の女」シリーズは、脚本も演出もオーソドックスで、それゆえ長寿ドラマとなったのだと思われるが、この回は映画でよく見られるような実験的な要素をいくつも取り入れている。まず時間が移動するという演出が冒頭付近にあり、その後、窓の向こうを移動する人物を撮っていると思ったら、光子がクリーナーを吹き付けて窓の掃除をし始める(つまりカメラは誰かの視線ではない)、左側から背中を映しながらカメラが移行し、右側に抜けると別の場所になっている。若手刑事が捜査一課の部屋で一人語りをしていて、顔をちょっと左に向けるとそこはもう科捜研の部屋であり、科捜研のメンバーが話を聞いているという瞬間移動もある。その他にも主役であるはずのマリコが一番遠くから回ってカメラに入ったり、マリコが夕陽を背に立って始めは表情がよく見えないが、回り込んで見えるようになるなど、他の刑事ドラマでは余り見られない演出が施されている。沢口靖子が走ってドアの前まで来て、ドアが開いて数秒後に振り返ると、それまで誰もいなかったはずの場所に3人立っているという人物のワープもある。かなり特殊な回である。
右京区のアパートの一室で、若い男が銃殺される。モデルガンを改造した拳銃で、1発で死亡しているところを2発目も浴びせている。死んでいる相手を撃つというシーンは北野武監督の映画なら見かけるが、ドラマでは珍しい。若い男の名前は伊勢本隆。スーパー「ライフ」の主任である。実は伊勢本は15年前に同じ「ライフ」でパートとして働いていた菅久美子を射殺したことがあるのだが、当時は交番勤務だった土門によって吉沢(徳井優)が誤認逮捕され、15年間服役することとなった。徳井優は以前は別の役で「科捜研の女」に出ていたが、「よく似た他人扱い」である。
15年前に射殺された菅久美子の夫である建築士の菅勝(すが・まさる。渡辺裕之)は土門の昔からの友人である。
土門は誤認逮捕をしたことで自ら捜査一課の捜査を離れ、マリコと独自の捜査を始める。まず自宅を兼ねた町家の菅の建築事務所を訪ねるが、
土門「刑事が聞き込みに来るかも知れない」
菅「もう来てる」
と、土門がいきなりボケる。これも実験なのだろう。
菅は妻と城南宮で出会い、城南宮の名物であるカキツバタが二人とも好きだったことから交際がスタートしている。
土門は、捜査一課の若手からの要望で、刑事としての捜査に復帰するが、恨みを持っている吉沢に包丁で腹部を刺され、「西陣病院」に入院する。
吉沢がシロで伊勢本が妻を殺した犯人だと知った菅は、伊勢本の住所をメモする。住所的には京都市内で出さない方が良い場所である。この住所のメモの上に同じ人物が別のことをメモしていた。「P.S. ラーメンで」。今はラーメンズが有名になったが、放送当時はそれほどでもなかったことが察せられる回で、いずれも建築用語である。
「ライフ(LIFE。ライフコーポレーション)」は、関西でメジャーなスーパーで、あるいは他のスーパーだったら、「殺人犯と被害者が勤めていた」という設定を嫌がったかも知れないが、大型のライフの店舗が映し出され、コマーシャルになることの方が大きいと踏んだのだと思われる。「ライフ」はその後も店舗を増やし続けている。
観光名所は、今回は金戒光明寺の三門と石段、文殊塔などが映っており、墓地も撮影されている。
渡辺裕之は、コロナ禍に、自宅の地下にあったトレーニングルームで死去。「縊死」と発表されたが、自殺なのか事故なのかは明らかにされていない。
「新・科捜研の女」Season5 File.8。火災があり、焼死体が発見される。洛北医科大学で解剖が行われ、焼死ではなく扼殺された後で放火されたものと断定される。
京都市内では放火殺人が続いており(なんて治安の悪い街なんだ)、多くの現場に顔を見せていた影山(近藤公園)が逮捕された。影山は無職だが、若手刑事二人がかりでやっと取り押さえることが出来たほどの武闘派で、普通の若者ではないように思える。殺し屋なのかも知れない。
火災現場を捜査しているマリコは、京都中央消防署の鮫島(勝村政信)と合同で調査を行うことになる。京都中央消防署の顔でもある鮫島は、立て続けに火災現場で人命を救助して雑誌に載り、深浦加奈子と加藤貴子のコメディ担当組からキャーキャー言われる存在である。深浦加奈子はなぜかセクシーポーズもするが、少なくとも映像作品では慣れていないので嵌まっていない。誰が発案して、なんでやらせようと思ったんだろう?
研究員の日野(斉藤暁。Season1には別人の役で出ていた)は鮫島と旧知の仲である。
犯人逮捕を祝ってか、鮫島の家でホームパーティーが開かれる。だが、マリコは群れるのが嫌いなのかベランダに。そこに鮫島がやって来て花をプレゼントしようとする。
二人ともバツイチの独身。招かれた研究員は、「お似合い」「マリコさんのバツイチ生活にピリオド」などと言うと、加藤貴子演じる土門美貴は、「うちのお兄ちゃんどうなっちゃうの?」
番組が始まった当初から、社会性に欠け、スタンドプレーが目立ったマリコだが、今回は他の研究員の反発を招いてしまう。
発火原因を探るマリコは、ニトログリセリンが使われたのではと考える。ニトログリセリンが炭酸マグネシウムに変化して発火するのだが、市販の材料でどう作るか。下剤にはニトログリセリンが半分ほど含まれているので、薬局に行って買い占める(おーい、本当に必要な人にとっては迷惑だぞ。マリコ相変わらず)。最終的には海外から輸入した花の肥料を使うと発火するのだが、マリコは美貴に放火の記録と鮫島の足取りを辿るようお願いする。そしてマリコは夜中に鮫島の後をつける。火事の現場に出くわしたマリコは、大声で人々に教えようとするが、影山に襲われる。
鮫島が現れてマリコを助け、あんパンと牛乳というベタなものを手にした若手刑事(多分、笑うところなんだろう)が影山を取り押さえる。
影山が逮捕されて鮫島は、「やはり影山でしたね」と言うが、マリコは放火を行っていたのが鮫島だと見抜いていた。
おそらく、殺しを行っていたのが影山で、火付けは鮫島ということなのだと思われる。鮫島には殺害動機がない。
鮫島は、「火の中でしか生き甲斐を感じられない」と語る。
レギュラーのように出てくる祇園白川沿いでのロケが今日もある。京都らしい古い街並みの場面があるが、これはセットだと思われる。ラストに出てくる新風館は、名前と外観は変わらないが、改装が行われ、内部は撮影当時から大きく変わっている。ホテルとショップ、地下には映画館のアップリンク京都が入った。
なお、この回から、専門用語は字幕で表記されるようになっている。
Season5 LastFile。通常の1時間(CMなしで45分)枠での放送である。この回から、馴染みのない実験法などは字幕で説明されるようになる。
街中のネオンサインに、吊り下がる形で老年の男性の遺体が発見される。洛北医科大学法医学部教授の利根貝進一である。感電死と思われたが、洛北医科大学での検視に立ち合ったマリコは首に薄く絞められた跡があるのを見つける。一方、洛北医科大学で利根貝の下で助教授(まだ准教授となる前の話)を務める楠木里香(戸田恵子)は、利根貝の足の裏に感電の跡があるのを発見する。
利根貝の妻である数子(梅沢昌代)は、夫のことを「女にだらしない。浮気ばかり。天罰」と憤っていた。ずっと別居していたようだ。
死因を誤ったとして落ち込むマリコ。一方、里香は死因を見抜いた功績で教授に上がることが決まる。
「科捜研の女」の最初の方で、京都医科大学のキャンパスとして登場した龍谷大学深草キャンパスが、今回は洛北医科大学のキャンパスとして登場。以前は正門付近のみの使用だったが、今日は正門の裏に校舎が見えるアングルでも撮られており、校舎や校地も用いるなど全面的に協力している。
戸田恵子は、声優出身であるためか、他の女優よりも声に張りがあるのが分かる。マイクの加減もあるかも知れないが、声に芯が通って聞こえる。
薫と美貴の兄妹が、京都府警の屋上で語らう場面があるのだが、薫は塀の上に乗り、美貴はバドミントンをしている。最初は手前側にバドミントンの相手がいるのかと思われたが、そうではなく、一人でシャトルを打っているようだ。何してるんだろう?
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