カテゴリー「コンサートの記」の824件の記事

2023年5月26日 (金)

コンサートの記(825) ビルボードクラシックス 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023“Navigatoria”京都公演

※セットリストなどにネタバレがあります。ご注意ください。

2023年5月16日 左京区岡崎のロームシアター京都メインホールにて

左京区岡崎のロームシアター京都メインホールで、ビルボードクラシックス 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023“Navigatoria”に接する。ロームシアター京都では初めて行われる玉置浩二のビルボードクラシックス公演。共演は湯浅卓雄指揮の大阪交響楽団。

今日は4階席のバルコニーということで、歌っている玉置浩二の姿はほとんど見えないという悪条件の下での鑑賞である。前半は抑えめのセットリスト。私の好きな「Mr.LONELY」などもメドレーで歌われる。
締めは「Friend」であった。

後半は、「いかないで」から怒涛のポピュラー楽曲の連続。「ワインレッドの心」、「じれったい」、「悲しみにさよなら」と来て、「JUNK LAND」では大いに盛り上げる。

「夏の終わりのハーモニー」で本編終了。客席からは、「大好き」「ありがとう」という声が響き、まだ引っ込んでもいないのにアンコールが飛び出す。

 

そのアンコールは2曲。まずは湯浅卓雄大阪交響楽団が、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」の冒頭を演奏。クラリネットが玉置浩二の「田園」の旋律を奏でたところでいったん終了し、玉置浩二による「田園」が始まる。

大いに盛り上げた後は、「メロディー」で締めくくり。充実した時間がロームシアター京都に流れた。

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2023年2月 1日 (水)

コンサートの記(824) 鈴木優人指揮 京都市交響楽団第674回定期演奏会

2023年1月21日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第674回定期演奏会を聴く。指揮は古楽界のサラブレッドでもある鈴木優人。

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の首席指揮者としてもお馴染みの鈴木優人だが、今回は20世紀に書かれたロシアの作品が並ぶ。プロコフィエフの交響曲第1番「古典交響曲」、ストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲ニ調、ラフマニノフの交響曲第2番。全員、亡命経験がある。


午後2時頃より、ステージ上で鈴木優人によるプレトークがある。鈴木は、今日の作曲家を若い順に並べたこと、また年の差が9歳ずつであることなどを述べ、プロコフィエフやストラヴィンスキーの一筋縄ではいかない諧謔性、そしてラフマニノフの交響曲第2番の美しさ、特に第3楽章の美しさについて語った。


今日のコンサートマスターは、京響特別客演コンサートマスターである会田莉凡。フォアシュピーラーに泉原隆志が入る。ドイツ式の現代配置をベースにしているが、ティンパニは指揮者の正面ではなくやや下手寄りに入り、その横に打楽器群が来る。
フルート首席奏者の上野博昭は、プロコフィエフとラフマニノフの両方に出演。クラリネット首席の小谷口直子は、美しいソロのあるラフマニノフのみの参加である。


プロコフィエフの交響曲第1番「古典交響曲」。鈴木の才能が飛び散る様が見えるような、生気に満ちた演奏となる。弦は軽みがあり煌びやか、管も軽快で、プロコフィエフがこの交響曲に込めた才気がダイレクトに伝わってくるような演奏である。


ストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲ニ調。
迷宮を進んでいくような第1楽章、華やかで祝典的だがどことなく陰りもある第2楽章。再び迷宮へと迷い込んだような第3楽章が緻密に演奏された。


ラフマニノフの交響曲第2番。鈴木らしい「気品」をもって演奏されるが、時に「荒ぶる」と書いてもいいほどの盛り上がりを見せる。「上品」と「豪快」の二項対立を止揚したようなラフマニノフであり、単に美しいだけでないパワフルさが示される。
第3楽章の小谷口直子のソロも理想的。こぼれそうな美音が憂いを込めて演奏される。無常観を砂糖でくるんだような甘悲しさが耳を満たす。
第4楽章の爆発力も素晴らしく、この曲が20世紀の大交響曲(良い意味でも悪い意味でも)であることが如実に示された。優れたラフマニノフ演奏であった。

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2023年1月29日 (日)

コンサートの記(823) 堺シティオペラ第37回定期演奏会 ドニゼッティ 歌劇「愛の妙薬」

2023年1月15日 フェニーチェ堺大ホールにて

午後2時から、フェニーチェ堺大ホールで、堺シティオペラ第37回定期公演であるドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」を観る。指揮は柴田真郁(まいく)、演出は岩田達宗(たつじ)。Wキャストで今日の出演は、浅田眞理子(アディーナ)、松原友(まつばら・とも。ネモリーノ)、伊藤正(ドゥルカマーラ)、桝貴志(ベルコーレ)、大上りあ(ジャンネッタ)。合唱は堺シティオペラ合唱団。演奏は大阪交響楽団。

一昨年にソフィア堺で上演される予定だったがコロナによって流れ、今回に延期となっていた。コロナ対策として、3時間ほどの上演時間が2時間強にカットされて上演される。

午後1時30分から、演出の岩田達宗によるプレトークがあり、ウィーンでたびたびイタリアオペラが大ヒットしたこと、ベートーヴェンはロッシーニに嫉妬して、「イタリアオペラの依頼があっても絶対に書かない」と心に決めたこと、ワーグナーはドニゼッティに嫉妬して、「ウィーンはドイツ語圏なのになんでイタリアオペラばかりやられているんだ」と頭にきてウィーンを去ったという話をする。ロッシーニに関しては「全盛期にビートルズより人気があった」などといわれることもあるが、岩田の紹介によると、ロッシーニにしろベッリーニにしろドニゼッティにしろ、ウィーンの市民達がアリアを口ずさんでいたそうで、今のように録音機器もYouTubeのような配信技術もない中で、市民が外国語のオペラのアリアを歌うというのは、今考えても異様な気がする。
ドニゼッティは実は貧しい生まれであり、作曲活動を始めたのも比較的遅く、遅咲きの作曲家の代表格のようにいわれているが、ドニゼッティ自身は出自を恥じており、幼い頃貧しかったことを隠し通すため嘘をつき、経歴詐称すら辞さなかったという。
「愛の妙薬」は嘘を題材にしたオペラで、ストーリーというほどのストーリーもないのだが、嘘を題材にしているのはドニゼッティにオリジナルではなく、昔から嘘を題材にした話は多く、岩田はモーツァルトの「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コシ・ファン・トゥッテ」を上げていたが、オペラや演劇自体が嘘だという話をし、嘘や人をだましてはいけないが、人を幸せにする嘘がオペラや演劇だと纏めていた。


その岩田の演出であるが、舞台を現代に置き換えており、衣装が現代風であるほか、メールが使われたり、登場人物がスマートフォンを持っていたり、舞台の中心にスタンドマイクが据えられ、エレキギターを手にロックのノリでアリアが歌われたりする。
また関西での上演ということで、吉本新喜劇の定番ネタが何度も登場した。
舞台装置であるが、広場を意識したものであるが、芝居小屋の内部を模しているようでもあり、これがオペラや演劇であることが強調されている。

純朴な青年で、故郷愛に満ちているネモリーノであるが、故郷の人々からは好かれていない。そんなネモリーノが恋したのがアディーナという女性。だが一文無しのネモリーノが才女であるアディーナに振り向いて貰える可能性は極めて低い。そこで、ネモリーノは薬売りのドゥルカマーラに「愛の妙薬」を所望する。ドゥルカマーラは安物のワインを愛の妙薬としてネモリーノに売り……。

私が映像で「愛の妙薬」を観たのは、NHKBS2(現NHKプレミアム)で放送されたロベルト・アラーニャとアンジェラ・ゲオルギューによるもので、この映像は今では格安盤DVDとして発売されていて私も予習として観たのだが、映像では余り気にならなかった歌詞に心打たれた。特に「不幸のままでいい運命などあってはならない」という歌詞が胸に沁みた。

柴田真郁の指揮する大阪交響楽団も活きのいい演奏を生み出していたように思う。

素敵な嘘に騙されてみたくなる上演であった。

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2023年1月12日 (木)

コンサートの記(822) 広上淳一指揮 京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」2023

2023年1月8日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「ニューイヤーコンサート」を聴く。指揮は広上淳一。

前半は、NHK大河ドラマのテーマ曲とヨハン・シュトラウスⅡ世の作品を並べた曲目で、後半のメインにはベートーヴェンの交響曲の中でも最も快活な第8番が選ばれている。

前半の詳細な曲目は、佐藤直紀の「青天を衝け」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「ジプシー男爵」から入場行進曲、ジョン・グラムの「麒麟がくる」、ヨハン・シュトラウスⅡ世の「南国のばら」、服部隆之の「真田丸」(ヴァイオリン独奏:石田泰尚)、エバン・コールの「鎌倉殿の13人」、ヨハン・シュトラウスⅡ世のポルカ「ハンガリー万歳」、吉俣良の「篤姫」。

今日のコンサートマスターは、「組長」こと石田泰尚。泉原隆志は降り番で、フォアシュピーラーに尾﨑平。今日は短めの曲が並ぶということもあって、管楽器奏者に前後半で目立った異動はなし。男性奏者は普段通りの服装の人が大半だが、女性奏者は思い思いにドレスアップして演奏する人が多く、中には着物姿で演奏する人もいる。


NHK職員の息子で、自称「大河フェチ」の広上淳一。大河ドラマのテーマ曲を集めた演奏会はこれまで何度か行っているが、自身が大河本編で指揮した「麒麟がくる」を始め、京響で初めて振る曲が3曲ある。いずれも共感に満ちたスケールの大きな演奏で、聴き応えがある。私は、今日取り上げれた大河ドラマのうち3作品は全編見ているので、オープニングの映像や名場面などが脳裏に浮かんで懐かしかった。残る2つも多くの回は見ている。

ヨハン・シュトラウスⅡ世の作品は、活気と上品さと華やかさが統合された理想的な演奏である。


後半、ベートーヴェンの交響曲第8番。ベートーヴェンの交響曲の中では人気が余り高くない曲だが、ベートーヴェン本人は自身の交響曲の中でこの第8番が最も好きだと答えており、この交響曲だけ誰にも献呈されていない。

広上指揮する京響は、第1楽章と第2楽章は自然体。無理のない音運びだが、「無難」という言葉からは遠く、見通しの良い透明度の高い美音による演奏を展開。第3楽章と第4楽章ではスケールを拡げて豪快さも感じさせる演奏を行った。
この手の音楽は日本では「俳句」に例えられやすいが、広上と京響の演奏を聴いていると、「短歌のような」という形容の言葉が浮かぶ。メロディアスで切れ味が良く、冗長でない。まさに短歌だ。


演奏終了後、広上はマイクを手に、「みなさん、あけまして」と語り、京響の楽団員が「おめでとうございます」と続ける。広上は客席に「大河いいでしょ?」と語りかける。なお、今年の大河ドラマである「どうする家康」は今日が初回放送日であるが、放送が行われるまでは演奏してはならないという決まりがあるそうで、広上も残念がっていた。

京響は今年の4月から常任指揮者に若手の沖澤のどかを迎えるが、広上は去年の大河ドラマである「鎌倉殿の13人」に掛けて、沖澤を北条泰時に例え、「悪いものは北条義時が全部抱えて地獄に落ちた」と語る。

「お年玉」として1曲アンコール演奏が行われることになったのだが、その前に、昨年の3月に広上が京響の常任指揮者を退任する際にプレゼントすることが約束された広上の肖像画がお披露目される。京都市立芸術大学講師の城愛音の筆によるもので、終演後にホワイエでも見ることが出来たが、「福々しい」顔として描かれている。

「お年玉」のアンコール曲は、山本直純の大河ドラマ「武田信玄」メインテーマ。昨年がメモリアルイヤーだった山本直純(生誕90年、没後20年)。広上は山本について、「日本のレナード・バーンスタインのような人」と紹介する。
山本直純の「武田信玄」は大河ドラマのテーマ曲の中でも最も人気のある曲目の一つである。甲斐武田の騎馬隊の勇壮さを音楽化したもので、疾走感と迫力、そして中間部の叙情性が印象的であり、広上と京響も音のドラマを見事に再現していた。

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2022年12月31日 (土)

コンサートの記(821) デニス・ラッセル・デイヴィス指揮 京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」2022

2022年12月28日 京都コンサートホールにて

午後7時から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団特別演奏会「第九コンサート」を聴く。今年の指揮者は、デニス・ラッセル・デイヴィス。

アメリカ出身のデニス・ラッセル・デイヴィス。現代音楽の優れた解釈者として知られる一方で、ハイドンの交響曲全集を録音するなど幅広いレパートリーの持ち主である。宮本亞門が演出した東京文化会館でのモーツァルトの歌劇「魔笛」で生き生きとした演奏に接しているが、おそらくそれ以来のデニス・ラッセル・デイヴィス指揮の演奏会である。

今日のコンサートマスターは泉原隆志。フォアシュピーラーに尾﨑平。ドイツ式の現代配置での演奏であるが、ステージ奥の指揮者の正面に来る場所には独唱者のための席が設けられており、ティンパニは舞台下手奥に据えられている。

独唱は、安井陽子(ソプラノ)、中島郁子(メゾ・ソプラノ)、望月哲也(テノール)、山下浩司(バス・バリトン)。合唱は京響コーラスで、ポディウムに陣取り、歌えるマスクを付けて歌う。

冒頭のヴァイオリンの音に圭角があり、「現代音楽的な解釈なのかな」と思ったが、実際はそうした予想とは大きく異なる演奏に仕上がった。しなやかで潤いに満ちた音楽であり、再現部ではヴァイオリンもなだらかな音型へと変わる。第九は第2楽章が演奏によっては宇宙の鳴動のように響くことがあるが、デニス・ラッセル・デイヴィスと京響の第九は、第1楽章が宇宙をかたどった音楽のように聞こえた。こうした経験は初めてである。

第2楽章。構築の把握の巧みさと計算の上手さが印象的な演奏である。迫力を出そうと思えばいくらでも出せる部分でも、滑らかに美しく奏でる。

第3楽章のテンポは速めで開始するが、途中で速度を落としてロマンティックに歌う。「美しさ」が印象的な楽章であるが、デイヴィスと京響は、「愛」と「優しさ」が両手を拡げて抱きしめてくれるような温かな演奏である。

第4楽章も、迫力ではなく「愛」と「優しさ」を重視。人間賛歌を歌い上げるような、ぬくもりに満ちた第九となった。

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2022年12月13日 (火)

コンサートの記(820) 原田慶太楼指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2022「ザ・フォース・オブ・オーケストラ」第3回「オールウェイズ・ストリングス」

2022年12月4日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2022「ザ・フォース・オブ・オーケストラ」第3回「オールウェイズ・ストリングス」を聴く。今日の指揮は若手の原田慶太楼。ナビゲーターはガレッジセール。

本編の前に、午後1時15分からロビーイベント「原田マエストロといっしょ!」が行われる。原田慶太楼が指揮者の仕事についてレクチャーするもので、弦楽アンサンブル(ヴァイオリン2。ヴィオラ、チェロ、コントラバスが1ずつ。奏者は全員若手の女性である)を指揮してモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」とドヴォルザークの「ユモレスク」を演奏し、テンポや強弱、表情によって同じ曲でも印象が変わることを聴き手に示す。子どものための指揮体験コーナーもあり、原田は指揮のスタイルや「好きなもの嫌いなもの」をイメージした描き分けの変化などをアドバイスしていた。


本編の曲目は、チャイコフスキーの弦楽セレナードから第1楽章、ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲ニ短調から第3楽章(ヴァイオリン独奏:会田莉凡)、ブルッフのヴィオラと管弦楽のためのロマンス(ヴィオラ独奏:小峰航一)、ポッパーのハンガリー狂詩曲(チェロ独奏:山本裕康)、ディッタースドルフのコントラバス協奏曲ホ長調から第1楽章(コントラバス独奏:黒川冬貴)、マイケル・エイブルスの「デライツ・アンド・ダンスイズ」(弦楽四重奏と弦楽オーケストラのための作品。弦楽四重奏:会田莉凡、安井優子、小峰航一、山本裕康)。


今日のコンサートマスターは京響特別客演コンサートマスターの会田莉凡(りぼん)。泉原隆志は降り番で、フォアシュピーラーに尾﨑平。今日はヴァイオリン両翼の古典配置をベースにした布陣である。
原田は指揮台を用いず、舞台に直接立って指揮を行う。


チャイコフスキーの弦楽セレナードから第1楽章。原田はノンタクトでの指揮。瑞々しくスプリングの良く効いた歌を京響から引き出す。

演奏終了後にガレッジセールの二人が登場。弦楽セレナードについて、川田広樹が曲目の紹介を行い、ゴリが「オー人事のCMでお馴染みの」と曲について語る。
ゴリが、「原田さん、熱量が凄いですね」と語り、原田が「今、ダイエットしてるんで」と応え、ゴリが「本番終わる頃にはガリガリですね」と返していた。

今回は協奏曲がメインとなるが、いずれも京都市交響楽団の首席奏者がソリストを務めるということで、「演奏が終わったらそれ(首席というポジションと楽器)について聞いてみましょう」ということになる。


ハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲ニ短調。京響客演コンサートマスターの会田莉凡がソリストを務める。その間、コンサートマスターの位置には尾﨑が座るが、横に人を置かず(プルトを作らず)、コンマス一人体制となる。
超絶技巧が特徴のハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲。演奏家によっては技巧をひけらかすように弾く場合もあるが、会田の場合は地に足の付いた堅実なソロを奏でた。

ガレッジセールの二人がコンサートマスターについて会田に聞く。演奏の前に原田が、コンサートマスターについては、「サッカーに喩えるとキャプテンのようなもの。(指揮者が)監督でキャプテン」
ゴリ「エースストライカーのようなものですかね」
原田「そうですね」
ゴリ「今日はコンサートマスターが女性ということで、女性版堂安が現れるという」
というやり取りがあった。
会田は、「5歳からヴァイオリンを初めて8歳からアンサンブルで弾き始めて」ということでアンサンブルの楽しさを知ったそうで、ソロで弾こうと思ったことは余りないそうである。プロの演奏家になり、コンサートマスターになるとも思っていなかったそうだ。
ゴリ「原田さんは何歳から指揮者になろうと思われたんですか?」
原田「僕は生まれる前から」
ゴリ「嘘つけ!」
原田「僕のことはどうでもいいです」


ブルッフのヴィオラと管弦楽のためのロマンス。曲名通りロマンティックな曲である。独奏の小峰航一は京響の首席ヴィオラ奏者。リリカルな演奏を展開する。
首席ヴィオラ奏者という立場について小峰は、「コンサートマスターがキャプテンだとするとチームリーダー」と述べる。京響のヴィオラパートは男性は2人で後は全員女性であるが、小峰について二人の女性ヴィオラ奏者は、「頼りになるチームリーダー」、「面倒くさい男」と対照的な印象を述べ、小峰はヴィオラのメンバーについて「キャラが濃い」と語った。ヴィオラの役割について小峰は「彩り」と語る。
ヴィオラ奏者は最初からヴィオラを習っていた訳ではなく、まずヴァイオリンを習い、ある時点からヴィオラに転向するというケースが多い。小峰もまずはヴァイオリンを習っていたが、11歳の時にヴィオラに転向。性格的に「クラスの人気者でも陽キャでもない」ということでヴァイオリンよりもヴィオラの方が合っていたそうである。


ホッパーのハンガリー狂詩曲。チェロ独奏を受け持つのは、京響特別首席奏者の山本裕康。いぶし銀のような渋いソロを奏でる。ガレッジセールの質問はチェロ台とエンドピンについて。エンドピンは20世紀の最初に登場し、それ以前はチェロの本体を首から提げて演奏してたそうである。
山本がチェロを選んだ理由については、「よく言われることですが人間の声に一番近い」と述べていた。


ディッタースドルフのコントラバス協奏曲。ソリストは京響首席コントラバス奏者の黒川冬貴。典雅なソロを奏でる。

ディッタースドルフについては原田は、「ハイドンやモーツァルトと親しく」「ディッタースドルフが第1ヴァイオリン、ハイドンが第2ヴァイオリン、モーツァルトがヴィオラ」という編成で演奏旅行を行ったこともあると話す。

コントラバスを選んで理由について黒川は、「オーケストラの奏者になりたいと思ったのが中学生の時で、そこからだと(間に合うのは)コントラバスだけ」と述べていた。コントラバスは吹奏楽の編成に弦楽器としては唯一入っており、吹奏楽部からコントラバスを始めたという人も多い。


マイケル・エイブルスの「デライツ・アンド・ダンスイズ」。今回が日本初演となる。
エイブルスは60歳になる現役の作曲家で、原田とも親交があるそうである。弦楽四重奏が神秘的な旋律を奏で、弦楽オーケストラがピッチカートで応える。弦楽四重奏はその後、流れるような旋律を奏で、弦楽オーケストラもそれを反映するように盛り上がりを見せた。


原田の指揮する京響は、伸びやかにして華やかで活気のある演奏を聴かせた。

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2022年12月11日 (日)

コンサートの記(819) 広上淳一指揮 京都市立芸術大学音楽学部・大学院音楽研究科第169回定期演奏会

2022年12月2日 京都コンサートホールにて

午後7時から、京都コンサートホールで京都市立芸術大学音楽学部・大学院音楽研究科の第169回定期演奏会を聴く。指揮は京都市立芸術大学客員教授の広上淳一。

曲目は、ベートーヴェンの「コリオラン」序曲、ブルックナーのモテット「この場所は神によって造られた」と「見よ、大いなる司祭を」、ベートーヴェンの合唱幻想曲(ピアノ独奏:三舩優子、ソプラノ:佐藤もなみ&伊吹日向子、アルト:柚木玲衣加、テノール:向井洋輔&井上弘也、バス:池野辰海、合唱;京都市立芸術大学音楽学部合唱団)、ベルリオーズの幻想交響曲。

京都市立芸術大学音楽学部・大学院音楽研究科の定期演奏会には何度が接しているが、広上淳一の指揮で聴くのは初めてだと思われる。


ベートーヴェンの「コリオラン」序曲。音色が洗練に欠けるのは学生団体故仕方ないであろう。なかなか熱い演奏を展開する。


ブルックナーのモテット「この場所は神によって造られた」と「見よ、大いなる司祭を」。合唱はポディウムに陣取り、マスクなしで歌う。パイプオルガンは客演の三森尚子が演奏する。
ブルックナーは現在では交響曲作曲家として認知されているが、元々はパイプオルガンの名手として知られ、宗教音楽の作曲も得意としていた。
「この場所は神によって造られた」の楚々とした感じ、「見よ、大いなる司祭を」の雄渾さ、いずれもブルックナー節も利いていて曲としても面白い。
日本に限らないかも知れないが、音楽のみならず芸術関係の大学は女子の方が圧倒的に多い。京芸も例外ではなく、合唱の人数も目視で確認して男女比は1:3ぐらいあるのではないかと思われる。男声が少なくても良い曲を選んだのであろうか。


ベートーヴェンの合唱幻想曲。交響曲第5番「運命」、交響曲第6番「田園」と同じ日にアン・デア・ウィーン劇場で初演されたことで有名である(ちなみに「田園」の番号は初演時には交響曲第5番、日本では「運命」して知られる曲が交響曲第6番として発表されている)。この初演は演奏会自体が失敗している。ひどく寒い日だった上に演奏家や声楽家のコンディションが悪く、しかも約4時間の長丁場ということで聴衆の集中力が保たなかったのだと思われる。
合唱幻想曲であるが、個人的には「クサい」感じがして余り好きな曲ではない。やけに芝居がかっているところが気に掛かる。
ということで、今回も聴いていて「良い曲だ」とは思えなかったのだが、三舩優子の温かな響きのするピアノ、また学生ソリスト達の優れた歌唱など、思った以上に聴き応えはあった。


後半、ベルリオーズの幻想交響曲。
冒頭から前半とは打って変わって弦が洗練された音を出す。単に洗練されているだけではなく、妖しげな光を放っているのが特徴である。
広上淳一はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してDENONにこの曲をレコーディングしており、出来も上々であるが、やはりこの曲は向いているようだ。
音型のデザインもきっちりなされた上で生命力豊かな演奏を展開。第2楽章はコルネット入りのバージョンである。
第3楽章のコーラングレとオーボエの掛け合いでは、オーボエ奏者はパイプオルガンの横のボックス席のようなところで演奏を行う。楽章全体を通して瑞々しい音色が印象的である。
第4楽章「断頭台への行進」では、おどろおどろしさと推進力が掛け合わされた優れた演奏。ラストを一気呵成に駆け抜けるのも容赦がない印象で効果的である。
第5楽章「サバトの夜の夢」では、鐘はパイプオルガンの横のポディウム最上段に置かれ、視覚的な効果も上げていた。奇っ怪な夢の描写も優れており、迫力と華麗な音の彩りが発揮されて、広上と京都市立芸術大学音楽学部の結束力の強さも確認出来た。

最後に広上は、「ワールドカップ、日本、スペインに勝ちました。そして京都市芸の若者が素晴らしい演奏を行う。日本もまだまだ捨てたもんじゃないですね」「長友選手の言葉を皆さんにお届けします。『ブラボー!』」と語り、コンサートはお開きとなった。

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2022年12月 5日 (月)

コンサートの記(818) リオ・クオクマン指揮 京都市交響楽団第673回定期演奏会 フライデー・ナイト・スペシャル

2022年11月18日 京都コンサートホールにて

午後7時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団の第673回定期演奏会を聴く。今年の4月から金曜土曜の2日間に渡る定期演奏会は、プログラムが双方で少し異なることになり、金曜日の定期は「フライデー・ナイト・スペシャル」として、開演時間が通常より30分遅くなり、休憩なし約1時間のプログラムでの演奏が行われることとなった。チケット料金も当然ながら通常よりも安めである。

今回の指揮者は、マカオ出身のリオ・クオクマン。コンサートマスターは、泉原隆志、フォアシュピーラーに尾﨑平。いつも通りドイツ式の現代配置での演奏である。

今日の曲目は、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(リオ・クオクマンによるピアノ弾き振り)、リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」。明日はプログラムから「ラプソディ・イン・ブルー」が抜け、代わりにプッチーニの歌劇「マノン・レスコー」から第3幕への間奏曲と大曲であるレスピーギの交響詩「ローマの松」が加わる。

客の入りは今ひとつ。やはり安い席はそれなりに埋まるが、料金が高めの席(京響は公立のオーケストラということもあって、S席でも5500円と比較的安めであるが)は空席が目立つ。


リオ・クオクマンは、香港とアメリカで音楽を学び、2014年のスヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで最高位を獲得。2016年までフィラデルフィア管弦楽団でヤニック・ネゼ=セガンの副指揮者を務めた。現在は、香港フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務めている。


プレトークでクオクマンは、「コロナが流行する前の最後のコンサートが京都コンサートホールでの京響定期だった」ということで、「また素晴らしいホールで素晴らしいオーケストラと共演出来るのを嬉しく思う」と語った。

管楽器の首席であるが、フルートの上野博昭はガーシュウィンのみ、クラリネットの小谷口直子はリヒャルト・シュトラウスのみの出番。トランペットのハラルド・ナエスは「ばらの騎士」のみ板に乗らなかった。


ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。クオクマンのピアノは正統派。端正の中に遊び心が時折顔をのぞかせる。
京響は音色こそ先週のボストン交響楽団に比べれば地味であるが、スケールが大きく迫力のある伴奏を聴かせる。日本のオーケストラらしい表情の細やかさも印象的である。


リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」組曲。リヒャルト・シュトラウス好みの可憐で華やかな音の絵巻が展開される。京響の音色も冴えており、洗練されている。音の絵巻と書いたが、指揮者が若いということもあり、音とデジタル画像のコラボレーションのような印象も受ける。若い音楽家は感性もデジタルな人が多く、今後、多くの楽曲のイメージが大きく変革していく可能性は高いと思われる。


ラヴェルの「ラ・ヴァルス」。語り上手な演奏である。ラヴェルがこの曲に託した筋書きのようなものが巧みに音に変えられていく。
クオクマンの指揮も冴えまくっており、京響の音色も日本のオーケストラとしては色彩豊かで、クオクマンと築くオーケストラドライブに爽快感を覚える。


カーチュン・ウォンもそうだが、リオ・クオクマンも才気煥発というタイプ。日本も含めて近年のアジアの指揮者にはこうした才人タイプが多く、今後が楽しみである。

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2022年12月 4日 (日)

コンサートの記(817) 尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 「交響曲No.1」@兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

2022年11月13日 西宮北口の兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて

午後3時から、西宮北口の兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで、尾高忠明指揮大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサート「交響曲№1」を聴く。

「作曲家が最初に作曲した交響曲の中で最も完成度が高いのは誰のものか?」という話題がたまにネット上で話題になることがあるが、今回はその「完成度の高い交響曲」の最右翼候補であるシベリウスの交響曲第1番とブラームスの交響曲第1番が並ぶという意欲的なプログラムである。

今日のコンサートマスターは須山暢大。フォアシュピーラー(アシスタント・コンサートマスター)には客演の川又明日香が入る。KOBELCO大ホールを本拠地としている兵庫芸術文化センター管弦楽団(PACオーケストラ)からは、6月まで在籍していたオーボエの上品綾香や、トランペットのガイルス彩乃(ハーフではなく、東京都交響楽団のトロンボーン奏者であるザッカリー・ガイルスの奥さん)らが客演として参加する。なお、大フィル首席コントラバス奏者のサイモン・ポレジャノフはPACオーケストラの出身であり、今度兵庫県立芸術文化センターで凱旋となるリサイタルを行う予定だそうである。


後にショスタコーヴィチと共に「ベートーヴェン以降最大のシンフォニスト」と呼ばれることになるジャン・シベリウスの最初の交響曲は彼が33歳の時に初演された。ティンパニのロールの上にクラリネットが孤独なモノローグをつぶやき、やがて弦の響きが巨大なうねりとなって広がっていく。

現在の日本においてシベリウス演奏の大家とも言える存在である尾高忠明。札幌交響楽団と「シベリウス交響曲全集」を完成させており、極めて高い水準を示していたが、今日も大フィルから澄んだ涼しげな音色を引き出す。
スケールの大きさ、寂寥感などの表出にも長けており、ティンパニの強打も印象的である。木管楽器のくっきりとした響きなどもシベリウスの優れた肖像を描き出す。


ブラームスの交響曲第1番は、おそらく交響曲第1番の中では最も有名な作品であり、個人的にもコンサートで最も多く接した楽曲である。
20代前半で交響曲の着想を得たブラームスであるが、慎重に慎重を重ね、43歳の時に交響曲第1版を完成させた。実に20年以上の歳月を掛けている(上には上がいて、バラキレフは交響曲第1番を完成させるのに30年以上の歳月を要した)。その間に別の交響曲の着想も得ていたが、結局、交響曲として完成させることが出来ず、他のジャンルの曲に転用している。

尾高は冒頭の悲劇性を強調せず、流れの良い音楽を築く。その後に音楽は白熱して行くわけだが、尾高は熱よりもアンサンブルの構築を重視。「流麗」とも呼べる弦の響きが印象的である。
ロマンティシズムの表出に長けた第2楽章と第3楽章を経て第4楽章も流れの良い音像を浮かび上がらせる。ベートーヴェンの「第九」の歓喜の歌に似た主題も愉悦感たっぷりに弾かれ、幸福な雰囲気がホールを満たしていた。


最後に尾高忠明は、「やっとお招きいただきました。素晴らしいホールです。そしてお世辞ではなく素晴らしいお客さんです」と語り、「西宮北口という駅には初めて降りました。北口と付く駅の名前は珍しいと思います。待ち合わせ場所を聞いたら『西宮北口の南口で』と言われて」と語って客席から笑いを引き出していた。

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2022年12月 1日 (木)

コンサートの記(816) 沼尻竜典オペラセレクション NISSAY OPERA 2022 ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」@びわ湖ホール

2022年11月27日 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール大ホールにて

午後2時から、びわ湖ホール大ホールで、沼尻竜典オペラセレクション NISSAY OPERA 2022 ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」を観る。演奏は、沼尻竜典指揮日本センチュリー交響楽団。演出は粟國淳。出演はWキャストで、今日の出演は、小堀勇介(アルマヴィーヴァ伯爵)、山下裕賀(やました・ひろか。ロジーナ)、黒田祐貴(フィガロ)、久保田真澄(バルトロ)、斉木健詞(ドン・バジリオ)、守谷由香(ベルタ)、川野貴之(フィオレッロ)、木幡雅志(隊長)、宮本俊一(みやもと・としかず。アンブロージョ)、及川貢(公証人)。ギター演奏:黄敬(こう・けい)。チェンバロ演奏:平塚洋子。合唱:C.ヴィレッジシンガーズ。

オペラ作曲家として一大ブームを築きながら、37歳の若さで引退したということもあり、多くの作品が序曲のみが知られるだけの存在となっているジョアキーノ・ロッシーニ。20世紀も後半になると作品の見直しが始まり、いくつかの作品は上演されたり録音されたりするようになっているが、生前から途切れることなく上演されているのは、「セビリアの理髪師」だけである。

「セビリアの理髪師」は、ボーマルシェによるフィガロ三部作の第1弾である。第2作の「フィガロの結婚」は先にモーツァルトが作曲しており、オペラ作品の中でも1、2を争うほどの人気作となっているが、「セビリアの理髪師」も「フィガロの結婚」効果が影響したのか否かは正確には不明であるが、「フィガロの結婚」の前日譚ということで人気を集めた可能性は大いにあると思われる。

フィガロは、理髪師ということになっているが、「私は街のなんでも屋」というアリアが示すとおり、理髪だけではなく外科手術や遺体の処理なども行う卑賤の身分である。フィガロは自分の店を持っているようだが(演出によってはフィガロの妄想ということになったりもする)基本的にはホームレスで生活している人々であり、バルトロ博士が内科医でエリートである一方で、同じ医術を扱っていてもこの当時の外科関係者(理髪師が兼ねていた。今も理髪店には外科関係を扱っていた時の名残であるサインポールが設置されていることが多い)は他人の体に触れる仕事ということで被差別民の扱いであった。
このオペラには伯爵身分であるアルマヴィーヴァ伯爵、貴族身分を表す「ドン」の付くバルトロやバジリオなどが登場するが、そうした身分差をはねのけて活躍するフィガロの姿が痛快であったりする。

粟國淳の演出は、テント小屋内(赤テント風)を表すような背景と回り舞台(美術:横田あつみ)を駆使したもので、物語が図式化される部分があるなど、分かりやすいように工夫がなされ、またテント芝居や見世物小屋のような活気を舞台上にもたらしていた。出演者達の踊り(振付:伊藤範子)や身のこなしなども楽しい。

歌唱もかなり充実。若手中心のキャストだと思われるが、声量に声の張りと艶、心理描写の巧みさなど、私の想像する日本人オペラ歌手の歌唱を超えたレベルで歌われており、かなり頼もしい。

沼尻の指揮する日本センチュリー響も、イタリアオペラらしいカンタービレや音のキレ、迫力満点のロッシーニクレッシェンドなど、かなり上質の演奏を展開しており、沼尻の円熟とセンチュリー響の成長を実感させる出来となっていた。

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