カテゴリー「お笑い」の171件の記事

2022年5月14日 (土)

観劇感想精選(434) 加藤健一事務所 「サンシャイン・ボーイズ」

2022年5月3日 京都府立府民ホールアルティにて観劇

午後2時から、京都府立府民ホールアルティ(ALTI)で、加藤健一事務所創立40周年・加藤健一役者人生50周年記念公演第1弾「サンシャイン・ボーイズ」を観る。
本来は一昨年に予定されていた公演であるが、コロナ禍により延期となり、本年に改めて上演されることとなった。

出演:加藤健一、佐藤B作、佐川和正(文学座)、田中利花、照屋実、加藤義宗、韓佑華。声の出演:清水明彦(文学座)、加藤忍。テキスト日本語訳:小田島恒志、小田島則子。
演出は、堤泰之が手掛ける。

「サンシャイン・ボーイズ」は、ニール・サイモンの代表作であり、ニール・サイモンに憧れて演劇を志した三谷幸喜(彼は本来は映画監督志望であったため、最初から演劇を目指していたという訳ではないのだが)が、自身が日大藝術学部時代に旗揚げした劇団に、東京サンシャインボーイズという名を与えたことでも知られる。
私が東京サンシャインボーイズの公演に接した経験は一度だけで、東京・新宿の紀伊國屋ホールで行われた「ショウ・マスト・ゴー・オン ~幕をおろすな!」の1994年再演版がそれなのだが、実はその時、座長である宇沢萬役で出演していたのが佐藤B作であった。当時の東京サンシャインボーイズは、看板俳優であった西村雅彦(現・西村まさ彦)が、三谷の脚本である「振り返れば奴がいる」への出演や、フジテレビの深夜音楽特集の一つである「マエストロ」に主演するなどして知名度を急速に高めていたが、知名度自体では客演の佐藤B作が最も高かった。

サンシャイン・ボーイズと佐藤B作が繋がったということで、個人的な原点回帰のようで嬉しくなる。


出演者は比較的多めだが、実質的には、かつて「サンシャイン・ボーイズ」の名でヴォードヴィル界を沸かせた、ウィリー・クラーク(今回演じるのは加藤健一)とアル・ルイス(同じく佐藤B作)の二人が軸であり、本道ではないが一種のバディものとなっているのが特徴である。時折、バディもの映画の代表的存在である「明日に向かって撃て!」のオープニング&エンディングテーマ(“Not Goin' Home Anymore” バート・バカラック作曲)が流れ、以前の二人の関係がノスタルジックに浮かび上がる。この音楽による演出はとても良い。


かつてアル・ルイスとコンビを組み、サンシャイン・ボーイズの名で一世を風靡したウィリー・クラーク。サンシャイン・ボーイズとして43年活躍したが、12年前にウィリーとアルの間で諍いが生じ、11年前にサンシャイン・ボーイズは解散。アルはヴォードヴィルでやっていける自信がないとして株式仲買人へと転身したが、ウィリーは、芸能の仕事を続けている。だが、すでに老境に達しつつあるウィリーの下に舞い込む仕事はほとんどない。
甥であるベン・シルバーマン(佐川和正)がマネージャーを務めているが、仕事を取ってくることは少なく、ウィリーは、経年劣化の進むホテルの一室に暮らし、通俗的な昼メロをぼんやりと見続けるような無為な日々を送っている(一応、仕事の依頼がいつ来てもいいよう、電話のそばにいる必要があるとの理由があるらしい)。本当にやる気があるのなら、映画館に出掛けて前衛的な作品を鑑賞したりもするのだろうし、テレビ映画は当時でもそれなりのものが放送されていたと思うが、そうしたものを観る気力ももう失せているようである。「サンシャイン・ボーイズ」というタイトルを付けながら、こうした黄昏の日々を舞台としているところがいかにもニール・サイモンらしい甘悲しさである。

そんな時、ベンがCBSからの仕事の依頼を持ってくる。往年のアメリカコメディーを特集する番組にウィリーにも出て欲しいというのだ。だが、11年前に解散したサンシャイン・ボーイズ再結成という形で、というのが条件であった。
喧嘩別れをしたということもあってウィリーは乗り気ではなかったが、ベンがようやく取ってきた「金メダル」級の仕事、またアルの方も、「孫にヴォードヴィルスターとしての自分の姿を見せたい」ということで、ニュージャージーからニューヨークへと出てきていた。

久しぶりに再会するウィリーとアル。過去のしこりは残っているものの、得意芸だったコント「診察室へどうぞ」のリハーサルを始めることにするのだが・・・・・・。


ビターな味わいのある大人のためのコメディであり、若き日の栄光と、そうではなくなった今の対比が、滑稽と悲哀を生む。

華々しさを取り戻すことはないという、リアルでシビアな展開なのだが、「近い将来実は」という救いになりそうな話を持ってくるところが憎い。あるいはサンシャイン・ボーイズはとある場所で、大成功こそしないかも知れないが……という希望が見える。日没前後のマジックアワーは人生にもあるのかも知れないと、強くではないが背中を押されたような気分になる素敵な作品であった。

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2022年4月 3日 (日)

笑いの林(128) よしもと祇園花月 「祇園ネタ」&祇園吉本新喜劇「諸太郎の惚れたあの子は名子役」2022.2.23

2022年2月23日 よしもと祇園花月にて

午後3時から、よしもと祇園花月で、「祇園ネタ」と祇園吉本新喜劇「諸太郎の惚れたあの子は名子役」を観る。吉本興業内でもコロナは流行っており、今日もコロナ陽性からの復帰者や、濃厚接触者認定を受けて仕事から遠ざかっていた者も出演する。
なお、よしもと祇園花月では現在、京都・滋賀割というものが行われており、京都府内と滋賀県内に在住もしくは通勤・通学者は通常3800円のところを500円引きの3300円で入ることが出来る(証明出来るものが必要)。


「祇園ネタ」の出演者は、コロコロチキチキペッパーズ、ライス、あべこうじ、アキナ、西川のりお・上方よしお。


コロコロチキチキペッパーズ。
西野が相方のナダルの紹介をするのだが、あばれる君や市川海老蔵などナダルと同じ坊主頭の有名人の紹介を始めてしまう(海老蔵は最近は坊主頭を止めたようだが)。
その後、「合わせるゲーム」を二人で行う。お題を出して、思いつくものを同時に言い、重なったらポイントになるというもの。「お茶」というお題にはナダルが「緑茶」と言うが、西野は「マテ茶」と言う。西野は基本的に横文字の入った言葉を選んで、ナダルから「格好つけようとしている」などと突っ込まれる。
「住みたい街」では、西野が中目黒というのだが(東京都内でもお洒落で人気の街である)、ナダルは「巣鴨」という。関東だと巣鴨は「おばあちゃんの原宿」としてかなり有名なのだが、関西で巣鴨と言われてもピンとこない人の方が多いと思われる。巣鴨から「熟女」に寄せてると、西野からナダルは突っ込まれるのだが、多分、こっちの人は意味が分からない。という訳で受けは今ひとつである。二人とも関西出身なのだが。


ライス。喫茶店を舞台にしたコントなのだが、正直、どこで笑っていいのか分からない。ということで内容は書かないが、なぜこの内容でコントに出来ると思ったのだろうか。


あべこうじ。基本的に先月と同じネタであるが、歌のネタはやらず、「状況によって笑いになるケース」を増やしている。電車の中で音漏れしている人には近くに寄ってリズムを取って踊ってみる、というのは私の好きなネタだが、先月はやらず今回は入れていた。
あべこうじも若い頃は、「あべこうじってうざいんですね」という自虐フレーズを定番としていたが、最近は封印しているようである。
祖母が101歳で大往生した際、親戚の高校1年生の女の子が、「天国に行った時に食べられるように」と何故かケンタッキーフライドチキンを選んだという話から、「お骨になった時に、多分、ケンタッキー入ってますよね」と繋ぐネタが面白かった。


アキナ。山名がコロナ陽性判定を受けたため、漫才を行うのは17日ぶりだそうである。
山名が出典不明の四字熟語を言うネタ、ニューヨークの証券会社で働いた時の想定(山名はカタカナ英語を使っていたが、実際は名古屋外国語大学出身であるため、英語は堪能だと思われる)、行列の出来るラーメン屋で並んでいるときに割り込まれたらというネタを行う。


西川のりお・上方よしお。
のりおが、「最近お笑いを見に来る女性は美人が多い。昔は漫才師より面白い顔をした女性が多かった。美人の前では照れて漫才が出来ないが、今日は出来ます」というネタから、「最近のお笑い芸人は美男子が多い。チュートリアル・徳井とか、ロンドンブーツ・田村亮とか。この間、二人で挨拶に来ましてん。『これから頑張ります。ゼロからのスタートです』。なんかあったの?」、「FUJIWARAの藤本も凄い顔してます。全てはタピオカから始まりました」と不祥事ネタを絡めていた。


祇園吉本新喜劇「諸太郎の惚れたあの子は名子役」。出演は、諸見里大介、信濃岳夫、鵜川耕一、今別府直之、伊丹祐貴、若井みどり、浅香あき恵、いがわゆり蚊、重谷ほたる、湯澤花梨。

花月ホテルが舞台。このホテルで子役のオーディションが行われるという設定である。ホテルのオーナー・若井みどりの子供で、小学校1年生の諸太郎(諸見里大介)が主人公である。このオーディションには名子役として有名な浅香花梨(湯澤花梨)も参加の予定。花梨の母親である浅香あき恵がいわゆるステージママという設定である。
吉本新喜劇は役者の魅力で見せる軽演劇だけに、やはり座長クラスがいないとどうにも締まらない。ラストも上手く着地出来ずにドタバタしている間に終わってしまっていた。

伊丹祐貴が、空港ネタ(伊丹空港、通称は大阪空港)で、「関西国際」、「神戸」(関西には無駄に空港が多い)などと間違われ、更に同じ兵庫県内の「尼崎」、「西宮」、「宝塚」、大阪府の「富田林」などと地名でいじられるネタが一番面白かった。

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2022年2月 6日 (日)

コンサートの記(763) 高関健指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2014「VIVA!オーケストラ」第3回「オーケストラってなぁに?」

2014年11月30日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで、京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2014『VIVA!オーケストラ』第3回「オーケストラってなぁに?」を聴く。
「~こどものためのオーケストラ入門~」という副題の付いているコンサートであるが指揮者も曲目も本格的であり、大人でも十二分に楽しめる。というより、正直、このプログラムは子供には理解出来ないと思う。
今日の指揮者は京都市交響楽団首席常任客演指揮者の高関健。ナビゲーターは「ぐっさん」こと山口智充。

曲目は、前半がハイドンの交響曲第90番より第4楽章、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」より第4楽章、ブラームスの交響曲第4番より第1楽章、後半がベートーヴェンの交響曲第1番より第2楽章、マーラーの交響曲第5番より第4楽章&第5楽章。オーケストラの弦楽の配置は前半と後半で変わり、前半はドイツ式の現代配置、後半は古典配置による演奏が行われる。

今日のコンサートマスターは渡邊穣。泉原隆志は降り番でフォアシュピーラーは尾﨑平。オーボエ首席奏者の髙山郁子は今日は全ての演目に登場。定期演奏会で前半にオーボエトップの位置に座ることの多いフロラン・シャレールは今日は後半のみの登場で次席として吹いた。小谷口直子はクラリネットが編成に加わるブラームスの曲から登場。フルート首席の清水信貴は後半のみの出演である。

開演前に京都コンサートホールのホワイエで、金管五重奏によるミニコンサートが行われる。出演者は、トランペットの早坂宏明(次席奏者)と稲垣路子、トロンボーンの岡本哲(首席指揮者)、ホルンの澤嶋秀昌、テューバの武貞茂夫。

曲は、ジョン・アイヴソンの編曲による「クリスマス・クラッカーズ」(「ジングルベル」、「Deck the halls(ひいらぎ飾ろう)」、「A Carol Fantasy」、「We wish a merry Christmas」)、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の金管合奏編曲版、ルロイ・アンダーソンの「そりすべり」金管五重奏版という、いずれもクリスマスを意識した曲目であった。


午後2時開演。

まず、ハイドンの交響曲第90番より第4楽章の演奏。今日の高関はマーラーの交響曲第5番第5楽章のみ指揮棒を用い、他は全てノンタクトで指揮した。
ピリオド・アプローチを取り入れた快活な演奏。今日は、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンはピリオドによる演奏である。
曲が終了して、拍手が起こる、と、高関は客席の方を振り向いて指を振り、「まだ終わりじゃない」と告げる。演奏再開。そして終わって拍手、と思いきや曲はまだ終わっておらず、高関が再び客席を振り向いて人差し指を左右に振る。3度目でやって演奏は終了した。実はこの曲はハイドンが聴衆に「演奏が終わった」と勘違いさせるためにわざと疑似ラストを書いたという冗談音楽なのである。疑似ラストというとチャイコフスキーの交響曲第5番の第4楽章が有名だがチャイコフスキーは勘違いさせようとして書いたわけではない。だが、ハイドンはわざとやっているのである。ハイドンは「驚愕」交響曲を書いていたりと、ユーモア好きでも知られている。


ここで、ぐっさん登場。グレーの背広に同じ色の帽子姿である。ぐっさんは、クラシック音楽を聴く習慣もないし、オーケストラの演奏をコンサートホールで聴くのも初めてだという。
京都コンサートホールはステージの後方にも客席があるのだが、それがぐっさんは不思議だという。高関が「あれは合唱の席なんです。合唱が入る時はあそこに合唱が入るんです。今日は合唱は入らないので客席になっています」と説明する。京都コンサートホールのいわゆるP席(ポディウム席)は基本的に合唱が入ることを想定して設計されたものであり、合唱が大勢入れるように客席は可動式になっている。3席で1ユニットで、そのまま取り外し可能である。というわけで少し薄くて背もたれも低く、たまに軋むという欠点もある。
P席のあるホールでも、ザ・シンフォニーホールやサントリーホールなどは席は固定式である(合唱が入ることを想定して作られたものではない)。
元々は、P席は、ベルリン・フィルハーモニーが再建される際に、当時のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督であったヘルベルト・フォン・カラヤンが、「カラヤンがホールの中心にいるようにする」というプランを取り入れて建設した際に生まれたものであり、合唱用に特別にあつらえられたものではない。

高関は、「あそこの席(P席)は(私から)良く見えるんです。あ、あそこのお客さん寝てるな、とか」と言う。ぐっさんが「逆にノリノリのお客さんなんかもいるわけですか?」と聞くと、高関は「それは迷惑です」と答える。ぐっさんは「ほどほどということで」とこの話題を締める。

ぐっさんは、オーケストラというものの成り立ちについて高関に聞く。高関は「昔、芝居などの時に、ステージの前の方にで歌ったり踊ったりする声を掛けたりする(その人達のことをコロスといってこれはコーラスの元となった言葉である)場所があったそうで、そこをオルケーストラと呼んだのが始まりだそうです。昔は下で演奏していましたが、ステージに上がって演奏を始めたのが大体、1700年頃といわれています(日本でいうと元禄時代である。1701年に浅野内匠頭と吉良上野介の松の廊下刃傷事件が起こり、翌1702年に赤穂浪士達の吉良邸討ち入りがあった)」と述べた。

ぐっさんは、「高関さんも、京都市交響楽団の方々も凄い方なんです。プロフィールに凄い経歴が書いてある。ですが、私のプロフィールはたった3行ってこれなんですか? 吉本興業、もっと良い情報持ち合わせていなかったんでしょうか? 『趣味は、散歩、ものまね、ギター』ってこれどうでもいい情報ですよね」と言う。


モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」。緻密な演奏である。弦楽のビブラートはハイドンや、この後に演奏されるベートーヴェンに比べると多めだった。
この曲が始まる前に高関はフーガについての説明を行った。


ブラームスの交響曲第4番第1楽章の演奏の前に、高関はソナタ形式についての説明を行う。第一主題、第二主題、展開部、再現部、終結部からなるのだが、これを高関はプレートを使って説明する。第一主題は「A」、第二主題は「B」、展開部は「サビ」と書かれたプレートである。「A」のプレートは黄色、「B」のプレートは緑、「サビ」のプレートはピンク色をしている。展開部はサビとは違うのだが、わかりやすくサビと呼ぶことにしたらしい。まず予行として高関は「A」のプレートを掲げながら、第一主題を指揮し、いったん指揮を終えて、第二主題に入るちょっと前から演奏を始め、チェロが第二主題を奏でたときに「B」のプレートを掲げる。それからプレートはないのだが、もう一つの主題を演奏する。

本番の演奏でも、高関は「A」のプレートを掲げてから指揮を始め、第二主題に入ると「B」のプレートを取り出す。展開部では「サビ」と出し、その後、再現部でも「A」と「B」のプレートを掲げた。
なかなか白熱した演奏である。
今日は1階席の18列18番目の席で聴いたのだが、良い音で聞くことが出来る。京都コンサートホールの1階席は音響が今一つなのだが、高関はオーケストラを鳴らすのは得意なので問題はない。


後半、弦楽は配置を変えてヴァイオリン両翼の古典配置となる。ぐっさんは、配置が変わったことについて高関に聞く。高関は「元々は今のような配置で演奏していたようですが、第二次大戦後に前半のような配置も生まれたようです」と答える。現代配置が生まれたことについて高関は「諸説あるのですが、録音の際に前半のような配置にした方が良かったのではないかとも言われています。ステレオで録音する際に、こちら側(下手側)からは高い音、こちら側(上手側)から低い音と分けて聞こえるのが効果的だったのではないかと」と推測した。
現代配置の生みの親は実はわかっている。イギリスの指揮者であるレオポルド・ストコフスキーである。現代配置と呼ばれているのは彼がフィラデルフィア管弦楽団の常任指揮者だった時代に始めたものだ(そのため、アメリカ式の現代配置は「ストコフスキー・シフト」とも呼ばれる)。ただ配置を変えた理由については明確になっていないようだ。また、チェロが指揮者の正面に来るドイツ式の現代配置は誰が始めたのか正確には不明のようである。

配置換えを担当したステージマネージャーの日高成樹がステージ上に呼ばれるが、日高は内気な性格のようで、高関からもぐっさんからもマイクを向けられたが、結局、一言も発することなくステージを後にした。

ぐっさんは、配置が正反対に変わったコントラバス奏者の石丸美佳にインタビューするが、ぐっさんの「どちらが弾きやすいですか?」という質問に石丸は「どちらでも同じぐらい」という無難な返答をした。


ベートーヴェンの交響曲第1番より第2楽章。フレッシュな演奏である。聴覚的にもそうだが、視覚的にも音の受け渡し方がよりわかりやすくなる。


ラストの曲目であるマーラーの交響曲第5番より第4楽章&第5楽章。大編成での演奏。高関によると「83名か84名による演奏」だそうである。ぐっさんが「一番編成の大きい曲は何人ぐらいで演奏するんですか?」と聞くと高関は「実はマーラーの曲でして、交響曲第8番『千人の交響曲』という曲で、合唱を含めて全1033名で演奏したという記録があります。実は朝比奈隆先生が、フェスティバルホールで同じ人数で再現されたことがあります」と答えた。高関も「千人の交響曲」は指揮したことがあるが、流石に千人には到達せず、850人編成での演奏を3回指揮したことがあるという。

ぐっさんは客席で聴いてみたいということで、ステージを降りて、空いている前の方の席に座る。

有名な第4楽章アダージェットは京響の弦楽が艶やかであり、第5楽章はスケールが大きい(先に書いた通り、第5楽章だけは高関は指揮棒を手にして指揮した。指揮棒を使った方が大編成のオーケストラを操りやすいからだと思われる)。ただ、京都コンサートホールの音響は第5楽章を聴くには余り効果的ではない。この楽章では、管楽器奏者が朝顔を上げて、下ではなく真横に向けて音を出すようマーラーが楽譜に書き込んでいるのだが、トランペットの直接音などは強すぎて全体のバランスが悪くなってしまうのである。弦楽の音がもっと前に飛ぶホールだと良かったのだが。

とはいえ、充実した演奏を楽しむことが出来た。

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2022年1月25日 (火)

笑いの林(127) よしもと祇園花月!年末年始特別興行「祇園ネタ」&祇園吉本新喜劇「もうダメだ!修羅場の撮影現場!?」2022年1月10日

2022年1月10日 よしもと祇園花月にて

午後3時から、よしもと祇園花月で、「よしもと祇園花月!年末年始特別興行」、「祇園ネタ」&祇園吉本新喜劇「もうダメだ!修羅場の撮影現場!?」を観る。

久しぶりに訪れた祇園花月。お笑いは観劇やコンサート鑑賞とは違って笑い声を上げるので、飛沫の影響が出やすいということもあるが、単純に行く機会がなかったということもある。


「祇園ネタ」の出演は、ゆにばーす、金属バット、あべこうじ、テンダラー、大木こだまひびき。金属バットは人気急上昇中のようだが見るのは初めてである。

ゆにばーす。はらちゃんが小学生の頃は橋本環奈に似ており、中学校の頃は榮倉奈々で高校の頃は新垣結衣と嘘を付き、実際はと打ち明けるが、小学校の頃は浅野忠信、中学校の頃は古田新太、高校の頃は女装したビートたけしと、性別が男になってしまう。
「女子アナに似ている」と言われたこともあるという話になるが、女子アナは女子アナでも北朝鮮の女性アナウンサーである。
パチンコネタでは、はらちゃんが、北野武、武田鉄矢の真似をして、最後は「ダンカンなんですかあ」と二人で一人になってしまうというネタを行う。
これを読んで笑える人はいないと思うので、笑いたい人は劇場まで足を運んで下さい。


金属バット。成人の日ということで、泉南地方で行われた成人式に呼ばれたという話をする。二人は和泉地方の中心都市で地理的には一番北にある堺市の出身であるが、和泉地方は南へ行けば行くほど治安が悪くなる(「腕白な子が多くなる」と言い換えていた)ということで二人ともこわごわ楽屋入りしたそうである。ラニーノーズの二人も同じ楽屋だったそうだが、ラニーノーズは、「いっても成人なんで大丈夫ですよ」と語るも場内アナウンスで、「昨年は警察が出動する騒ぎとなってしまいましたが、今年はそうならないよう気をつけていきましょう」というような言葉が流れたため、金属バット二人は戦々恐々。ステージに出て行くと、ステージ上のやや下手側にヤンキーがしゃがんでいたそうで、金属バットはその横で漫才をする羽目になったそうだ。ヤンキーは二人が漫才をしている最中、「面白いこと言えよ、こら!」などと暴言を吐いていたそうだが、ステージ上手側を見るとおばちゃんがいる。何かと思ったら手話通訳士で、ヤンキーの暴言を一々手話に直していたそうである。

漫才の内容は、知り合いの漁師のおっちゃんから大トロを貰ったのでちらし寿司にした、ホタテを貰ったので水着にしたという内容で、漁師のおっちゃんから怒られるも、漁師のおっちゃんも的外れなことを言うというものであった。


あべこうじ。約10分間、一人で立て板に水の喋りを行い、実力の高さを感じさせる。アイドルの高橋愛と結婚しているが、ネタの中には奥さんも一度だけ登場する。
昨日は、愛知県の豊田市の近くにある小さな町に呼ばれ、1時間ほど話すという仕事を受けたのだが、終わってから新成人の女の子に「なにか面白こと話して下さい」と言われてぶち切れそうになったという話をする。
ネタは複数あるが、失敗のリカバリーの仕方(階段で躓いたらそのまま躓き続ければ、周りも「ああ、ああいう昇り方をする人なんだと思ってくれる」? など)が一番笑える。


テンダラー。浜本(私と同じ1974年生まれであるが、早生まれなので同学年ではない)が、「今日は先輩に当たるお客さんが多いということでそれに合わせたネタを」と言いつつ「最近、安楽死が」と縁起でもないことを言う。
白川が料理が得意なので料理番組に出たいという話になり、浜本が「キユーピー3分クッキング」のテーマ「おもちゃの兵隊のマーチ」)を鼻歌で歌いながら料理を行うが、手を丹念に洗っただけで終わってしまったり、鼻をほじったり、あちこち触ったりとやたら不潔な振る舞いをしたりするため料理番組にならない。
今度は自動車保険の話になるが、オペレーターである浜本が白川に怪我がないと知ると安心して電話を切ってしまうため先に進めない。
ちなみに白川は軽トラックを愛車としているが、移動公演の多い「ジ・白川バンド」という何故「ジ」なのか良く分からないバンドの主宰者であるため、常に軽トラに楽器を積んで運んでいるのである。


大木こだまひびき。
こだま師匠が、「コーラは安い」「それに比べて目薬は高い。あんなに小さいのに800円ぐらいする」と日常を題材にした語りを行っていく。「結婚したばかりの妻と今の妻は全然違う」「妻が途中で入れ替わっている」「昔は遅く帰っても起きて待っていてくれたが、今は帰るといつも寝ている」「何か食べたいので、『何か作って』というと、『カップ麺作って食べなさいよ』と目が語っている」と言うと、ひびき師匠が、「目は口ほどに物を言う」と返すが、「目は何も言わんよ。目が何か言っていたら、目医者はうるさくて敵わん」というようなやり取りが続く。


祇園吉本新喜劇「もうダメだ!修羅場の撮影現場!?」。出演は、酒井藍(座長)、信濃岳夫、タックルながい、佐藤太一郎、桜井雅斗、瀧見信行、若井みどり、末成映薫(末成由美から改名。読みは同じ)、川筋テイラ、佐藤美優。

撮影所が舞台であり、信濃岳夫が監督、酒井藍演じる酒井藍五郎が助監督である。詐欺姉妹を描いたサスペンス映画なのであるが、キャスティングされた若井みどりと末成映薫は若い頃から共演NGとなっている。酒井藍五郎が共演の約束を取り付けたという断言するが、実際は台本を読んでおらず、誰が出演するのかも把握していなかった。佐藤という苗字で「た」で始まる名前の俳優が主演するというので、酒井藍五郎は「佐藤健」主演だと思い込んでいたが、実際は新人の佐藤太一郎の主演ということでがっかりする。
やがて若井みどりと末成映薫が時間差で現場に到着。スタッフ達は二人が鉢合わせしないよう画策するが……。

吉本新喜劇も若手が中心だと今ひとつである。まだ独自の味がないので(酒井藍は茂造が何度も繰り出す音楽ネタをやっていたが、今ひとつ合っていない)くどさを感じてしまったりする。

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2021年8月24日 (火)

笑いの林(126) よしもと祇園花月 「祇園ネタ」&吉本新喜劇「茂造の親の心、子知らず」2012年2月5日

2012年2月5日 よしもと祇園花月にて

午後4時から、よしもと祇園花月で、「祇園ネタ」と吉本新喜劇「茂造の親の心、子不らず」を観る。

「祇園ネタ」の出演者は、桜 稲垣早希、キングコング、麒麟、ティーアップ、笑福亭仁鶴。


桜 稲垣早希。おなじみになった紙芝居「桃太郎」。アスカの格好で登場した早希ちゃんは端の席のお客さんに気を使って、「(紙芝居の絵が)見えますか?」と聞くが、お客さんが「見えない」というので、どんどん、舞台の後ろの方に移動することになってしまった。これ以上下がると、奥の席の人も見えなくなるということで、「こんな後ろの方でやったの初めてや」と言い、おまけにやる前に、紙芝居が上下逆さまなのに気付いて笑いを取る。今日は親子デーということで、ちびっ子も沢山会場に来ており、早希ちゃんの紙芝居は子供達にも好評であったようだ(子供達は「エヴァンゲリオン」についてはよく知らないだろうけれど)。


キングコングは、本編よりも枕の方が面白かった。キングコング梶原が昔、悪だったという話になり、いかにも不良という髪型をして、竜男という仲間とともに暴れて、「拳を入れたり」、「チンピラとやりあったりした」と語り、「隣町のシュウという奴と張り合った」というが、相方の西野に「それ何歳の時やった?」と聞かれ、「19まで」と答えたはいいものの、西野に「俺とお前、18の時に知り合ってたやん、お前、普通の髪型やったし、ヤンキーやなくてパシリだったやん」と突っ込まれる。
西野に「拳を入れてたのはいつ?」と聞かれて、梶原は「拳じゃなくて、昆布だしです」と言い訳をし、「チンピラじゃなくて金平ゴボウです」と言って、張り合っていた、シュウというのも「周富徳です」と料理の話にしてしまっていた。


麒麟は、川島の「麒麟です」の美声で、まずは沸く。
まずは以前も見たことのある、「だるまさんが転んだ」ネタ。川島が「だるまさんが転んだ」を言うのだが、「だーーーーーーーーるーーーーーーまーーーーーあーーーーさん、だるまさんが足を怪我しました、しかしだるまさんは痛み止めを打ってマラソンに挑みました、愛する妻のため、子供のため、そして何よりも自分のために、42.195キロに挑みます。ゴール目前、だるまさんがトップに躍り出ます。誰もがだるまさんの優勝を確信した時に、ゴール直前で痛み止めが切れて、だるまさんが転んだ」と長々とやって、相方の田村を戸惑わせるという内容である。
次は、田村が「ぶらり途中下車の旅」に出演して、川島がそれを解説するというネタ。川島が、「田村さんが、朗らかな笑みを浮かべて、電車から降り立ちました、ですが、田村さん、ズボンとパンツは穿いて下さい」と言い、「あそこが『ぶらり旅』じゃないわ」と田村に突っ込まれる。
更に川島が、温泉饅頭屋に扮し、「創業当時以来の、1個80円を守っています」と言い、買い求めた田村に、「1個おまけします」と言いながら、「160円です」と言って、「2個分の値段になってるやがな」と突っ込まれるが、「2個ですから160円です」と開き直ってみせる。
最後は、田村が、猿も入る温泉につかるという設定。川島が、「田村さん、猿をかき分けて温泉に入ります」とやって、田村が「どんだけ猿おんねん」と言って終わる。


ティーアップは、阿蘇で漫才をした時に、お客さんが二人しかいなくて、互いに目が合うのでやりづらかったという話から入り、オレオレ詐欺の話になる。ティーアップ前田が、オレオレ詐欺の電話を受けたという話になり、「明日までに10万円振り込まないと大変なことになります」という内容だったが、前田はそれを無視したそうだ。しかし電話主はアパートの大家だったということで、「振り込まんと本当に大変や」と長谷川に突っ込まれる。
前田は更に、「お母さんや、大変なので5万円振り込んでくれる」と電話を受けてたが断り、長谷川に「それはいいやないか」と言われるが、前田は「実の母親からの電話だった」と言い、長谷川は逆に「早く振り込めや」と突っ込む。
次いで、押し売りネタ。長谷川が押し売りの役をやるのだが、前田は押し売りをしている男の家内を演じたり、押し売りを歓迎したりして噛み合わない。
最後は、以前も見た宗教ネタ。前田が宗教を興したいというのだが、長谷川のことを「アーチャリー」と呼んだり、自分のことを「尊師」と言い、長谷川に「平田」と呼びかけるなど、パクリまくりである。
宗教の説話として、「狸と五兵衛どん」、「水の神と火の神」をやるのだが、いずれも相手に「どんな女が好きなの?」と聞くネタで一緒だったというオチで終わる。


トリは笑福亭仁鶴。
大阪弁と京都弁は似ているが、京都人は京都弁が大阪弁と似ていると言われることを嫌うという。「仁鶴はん、川と言葉は下るほど濁るんでっせ」と京都の人に言われたとのこと。
その他、年をとって小用の勢いがなくなったという話をし、夜中に用足しをしたくなったが、トイレまでは遠いので、裏庭でしようと思ったが、裏庭に通じる扉が凍っていて開かない。こういうときは、ぬるいお湯で氷を溶かすのが一番だが、お湯がないということで、「ご想像の通り、お小水で氷を溶かしまして、裏庭に出ましたが、もうすることがない」などと言う。
更に、東京の人から「大阪は独立国ですよね。パスポート要りますか」と言われたという話をし、大阪では、「どうでっか」「いまいちでんな」というやり取りが日常茶飯事なのだが、「何がどうで、何がいまいちなのかわからん」と話す。
更には、大阪人がケチだという話をし、隣の家に釘を打つための金槌を借りに行ったのだが、隣の家人は、「釘を打つと金槌が痛む。貸せん」と言われ、「ケチやな。仕方ない、うちの金槌を使おう」というオチで締めた。



吉本新喜劇「茂造の心、子不らず」。出演は、辻本茂雄(座長)、西川忠志、伊賀健二、平山昌雄、小米良啓太、佐藤太一郎、前田真希、たかおみゆき、末成由美。

伊賀健二と結婚が決まった前田真希。真希の養母である末成由美。だが、真希の実家である祇園旅館の横で営業している花月ラーメンという屋台の主、平山昌雄は、実は真希の実父である。以前は暴力団・吉本組の組員であった平山であるが、今は前田から平山昌雄に名前を変え、堅気となり、ラーメン屋として生きている。だが、真希にはそれを告げることが出来ず、隣のラーメン屋として接してきた。だが、祇園旅館の佐藤太一郎や、ラーメン屋のアルバイトである辻本茂雄に「真相を打ち明けるべきだ」と言われ、みなで一芝居打つことにする。

前半は、辻本茂雄が蹴飛ばしたバッグが、祇園旅館の書き割りを超えて飛んでいくなど(辻本茂雄は「俺が一番、びっくりしたわ」とアドリブを入れた)はちゃめちゃであるが、後半はしんみりとして、泣ける展開。新喜劇であるが、実際に泣く人もいたようだ。こうした吉本新喜劇もいいと思う。

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2020年11月12日 (木)

コンサートの記(667) 沼尻竜典指揮 京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2020「オーケストラを聴いてみよう!」第3回「オーケストラ・オリンピック!~主役はだぁれ?」

2020年11月8日 京都コンサートホールにて

午後2時から京都コンサートホールで、京都市交響楽団 オーケストラ・ディスカバリー2020「オーケストラを聴いてみよう!」第3回「オーケストラ・オリンピック!~主役はだぁれ?」を聴く。指揮は京都市交響楽団にもたびたび客演している沼尻竜典。ナビゲーターを務めるのはガレッジセール。

オーケストラ・ディスカバリー2020の第3回目であるが、新型コロナの影響により第1回目は中止、第2回目も指揮台に立つ予定だったジョン・アクセルロッドが外国人入国規制により来日出来なくなったため広上淳一が代役を務めるなど波乱含みのスタートとなっている。第3回目は予定通り沼尻竜典の指揮で行われるが、曲目は変更になっている。

ほぼ完売状態だったシリーズチケット(4回通し券)を全て払い戻し、前後左右1席空けのソーシャルディスタンス対応1回券再発売となった今年のオーケストラ・ディスカバリー。ナビゲーターがポディウムに立って進行を行うため、ポディウム席と2階ステージサイド席の奥側は未発売、通常は自由席となる3階席も前後左右1席空けの指定席となっている。

 

今日は1階席17列の18番という、通常なら1階席の中でも最も良い音のする席の一つで聴いたのだが、聴衆が通常の半分以下、配置も不自然ということで残響過多であり、アンサンブルが粗く聞こえるという難点があった。やはり聴衆が隙なく席を埋めているというのは重要なようだ。

 

曲目は、ビゼーの歌劇「カルメン」前奏曲(「闘牛士」の前奏曲のみ)、ラヴェルの「ツィガーヌ」(ヴァイオリン独奏:豊嶋泰嗣)、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」から第3楽章、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1919年版。演奏前に沼尻竜典によるレクチャー付き)。

びわ湖ホールの芸術監督として関西でもお馴染みの沼尻竜典。指揮以外にピアニストとしてもCDデビューしたり、作曲したオペラ「竹取物語」が高い評価を受けるなど、多彩な活躍を見せている。2022年4月からは、川瀬賢太郎の後任として神奈川フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任する予定である。今日は眼鏡を掛けての登場。

今日のコンサートマスターは、京響特別名誉コンサートマスターである豊嶋泰嗣。第2ヴァイオリンの客演首席には大阪交響楽団コンサートマスターである林七奈(はやし・なな)が入る。泉原隆志は、豊島がヴァイオリンソロを務める「ツィガーヌ」だけコンサートマスターを務め、その他はフォアシュピーラーを受け持つ。フルート首席の上野博昭とファゴット首席の中野陽一朗は降り番。首席クラリネット奏者の小谷口直子、首席オーボエの髙山郁子、ホルン首席の垣本昌芳は全編に出演する。トランペット首席のハラルド・ナエスは「火の鳥」だけに出演。ドイツ式の現代配置による演奏である。

 

ビゼーの歌劇「カルメン」前奏曲は快速テンポでの演奏。通常の京都コンサートホールでならシャープな演奏に聞こえたと思われるが、前述した理由により残響過多であるため、ガサガサした響きとなってしまっていた。

 

ガレッジセールの二人が登場し、テーマが「オーケストラ・オリンピック~主役はだぁれ?」で、オリンピックのように誰が主役かを決めるものだと説明。そもそもオリンピックって主役を決めるものだっけ? という疑問は置くとして、コンサートには主役が一杯いて、ソリストだけでなく、オーケストラメンバーも、客席のみなさんも主役という説明を行う。

川田 「じゃあ、我々も主役ということで良いんですね?」
ゴリ 「あらら」

という話になるが、場面転換のためヴァイオリン奏者が退場したりするのを見てゴリが、「随分、抜けちゃってますけれど、骨粗鬆症のような」とボケる。
今日はハープがヴァイオリンソロのすぐ後ろに来て弾くのだが、ハープを一人で担いで運んでいたステージマネージャー(京響の場合は日高茂樹)の話になる。川田が「我々にもマネージャーがいますけれど、縁の下の力持ちのような」と述べ、沼尻が「45キロあるハープを一人で運ぶので力持ち。ただ、それだけじゃない。コントラバスの後ろの方から指揮者がちゃんと見えるか確認したり、音楽のセンスもいる。我々もステージマネージャーがいないと演奏出来ない」という意味のことを語っていた。

 

豊嶋泰嗣がソロを務めるラヴェルの「ツィガーヌ」。カルメンがジプシー、「ツィガーヌ」もジプシーの音楽ということで、ジプシー繋がりである。なお、現在ではジプシーという言葉は差別語の一つとなっているため、無料パンフレットにも「ロマ(ジプシー)」とロマを先に出し、ジプシーはその説明語となっている。

ゴリが、「あれれ変ですよ、豊嶋さんはコンサートマスターですよね。コンサートマスターがソリストになることってあるんですか?」と聞き、沼尻は、「そう珍しいことじゃない。でもコンサートマスターが全員ソリストが出来るわけじゃない。出来る人と出来ない人がいる」と返し、
ゴリ 「プレッシャー掛けますね」
川田 「豊嶋さん、段々苦笑いになってきましたよ」

というやり取りの後で演奏開始。コンサートマスターがソロをやると、本当に「コンサートマスターがソロをやってます」という音楽になってしまうことも多いのだが、豊嶋はソリストの経験も多いだけに、技巧やスケールのきっちりと計算された妙演を聴かせる。

 

チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」から第3楽章。
豊嶋泰嗣がコンサートマスターの席に戻っているのを見てゴリが、「豊嶋さん、またコンサートマスターに戻りましたね」
沼尻 「普通はソリストをやるときは前半休みになったりするんですが、今日は全部出て貰ってます」
ゴリ 「ブラック企業へようこそ」

チャイコフスキーは21世紀に入ってから最も演奏解釈の変わった作曲家と見て間違いない。ソ連時代は情報統制によって西側には伝わらなかった様々な資料が、ロシアになってから次々と公になっていることも当然ながら影響している。
「悲愴」交響曲についても沼尻は、「以前は景気が良いので、全曲終わったと勘違いして、お客さんが拍手したり、『ブラボー!』と言ったりすることも多かったのですが」と語るが、沼尻本人は「狂気を感じる」「怖い」と思うそうである。「企画の方から、『格好いい曲をやって下さい』と言われたので選んだんですが、格好いいことは格好いいけどそれだけじゃない」

沼尻は、「悲愴」交響曲自体が、第1楽章も変だし、第2楽章は「4分の5拍子によるワルツでこれも変、狂気を感じる」、第3楽章を経て第4楽章も他に例のない音楽で死に絶えるように終わるという、異例ずくめの作品であることを語る。
今日は第3楽章のみの演奏ということで、演奏終了後に「拍手をしてもブラボーしても、ブラボーはまだ駄目なんですけど(コロナ対策として劇場内で大きな声を出すことは禁止である)良い」と語り、最後に「弦楽器と管楽器の追いかけっこ」を聴いて欲しいと述べた。
ガレッジセールの二人は退場しようとしたが、沼尻が「良かったら聴いてって」と言ったため、ポディウムに腰掛けて(今日は座椅子は取り払われている)聴くことになった。

「悲愴」の第3楽章は、弦楽器が先に出て、管楽器がそれを追うような形になっているところが多い。曲調は明らかに行進曲で、交響曲の中に行進曲が入るケースはベートーヴェンの「英雄」など、いくつかあるが、チャイコフスキーとしてはベルリオーズの幻想交響曲を意識しているのではないかと思える箇所がいくつかある。
堂々とした進行だが、所々でベートーヴェンの運命動機を思わせる「タタタターン」という音型が前を遮る。演奏会場では録音ほどはっきりと運命動機は聞こえないのだが、管楽器が弦楽器を追い抜いてハッキリと運命動機を奏でる場面があり、ゾッとさせられる。
フォルムで聴かせるタイプの沼尻竜典。整った外観を時折荒々しくすることでチャイコフスキーの狂気を炙り出している。

 

休憩を挟んで後半、ストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」(1919年版)の沼尻によるレクチャーと本番。

まずナビゲーターのガレッジセールがポディウムに登場し、ゴリが、「前半、色々と驚くことがあったと思いますけれど、何よりも驚いたのは、本番前に楽屋にご挨拶に伺ったところ、沼尻さんから『えーっと、どちらがゴリさんで、どちらが川田さんでしょう?』と聞かれたことです」
川田 「テレビとか見ないんですよ。ずっと音楽やってるから」
ゴリ 「我々も沼尻さんから、どちらがどちらかわかって貰えるよう、頑張りたいと思います」

沼尻がレクチャーで話す時間が長いというのでマスクをして登場し、まずガレッジセールの二人に、「先程は失礼しました」と詫びる。

沼尻によるレクチャーであるが、バレエ「火の鳥」の物語を京響に部分部分演奏して貰いながら解説するというスタイルである。冒頭を演奏した後で、大太鼓だけにトレモロを弾いて貰ったり、火の鳥の羽ばたきを表すところで振り向いて、右手をバタバタさせたりと、ユーモアにも満ちた分かりやすい解説が続く。ちなみにその直後のクラリネットのソロは火の鳥が「呼んだ?」と言って振り向くという解釈だそうである。
「13人の王女を描いた場面では」「13人の綺麗な王女、綺麗かどうかはわからないんですが」と言って笑いを取っていたが、京響に演奏して貰ってからは、「こういう音楽だからやはり綺麗なんでしょうね」と結論づけていた。
特別首席チェロ奏者の山本裕康の美しいチェロのソロがあると紹介したり(山本、かなり照れ気味)、ファゴットのソロがあるところでは、副首席奏者で今日はトップの位置にいる東口泰之にファゴットを掲げて貰ったりする。

バレエ組曲「火の鳥」全編の演奏。リューベック歌劇場音楽総監督を務め、オペラ、バレエといった舞台音楽の経験も豊富な沼尻。手慣れた演奏を聴かせる。パワー、輝き、瞬発力などいずれも狙った所に嵌まっていくような爽快さがある。

「全員が主役」ということではあるが、沼尻は、ソロを取った東口には演奏終了後に特別に立たせて拍手を受けさせ、山本の方にも手をかざした。

 

アンコール演奏は、ビゼーの「アルルの女」より“ファランドール”。堂々として推進力に富み、スケール豊かにして熱狂的な演奏。南仏を舞台にした作品ということで特別に用いられているプロヴァンス太鼓を演奏した福山直子が喝采を浴びていた。

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2020年9月10日 (木)

これまでに観た映画より(205) 周星馳監督・主演「少林サッカー」

2005年11月23日

周星馳(チャウ・シンチー)監督・主演の香港映画「少林サッカー」を観る。レンタルDVDでの鑑賞。

周星馳は香港コメディ界の帝王。日本の場合はお笑いをやるなら不細工であればあるほど有利という風潮もあるが、香港ではお笑いをやるにしても容姿最優先であり、周星馳も男前である。周星馳自身が「香港では見た目が良くないとコメディアンとして人気は出ないと」と日本人記者に向かって断言している姿をテレビで見たことがある。

ちなみに「不夜城」などで知られる作家の馳星周は周星馳のファンで、ペンネームは周星馳を逆にしたものだ。
それは余談として、「少林サッカー」はどこまで本気なのかわからない、サッカー・アクション・コメディ。
笑うべきなのかどうなのか微妙なシーンが多いのが難点だが、スポ根ものの王道は行っている。

セリフは広東語だが、中国の女優である趙薇(ヴィッキー・チャオ)だけは北京語。周星馳も、趙薇と話すときは北京語を用いている。昔は香港映画といえば広東語オンリーだったが、英国から香港が返還された1997年前後から北京語も取り入れた作品が増えている。
今や香港スターは北京語必須である。とはいえ、広東語に比べると北京語の方がずっと簡単なのは間違いない(声調も北京語が4つであるのに対して広東語は9つあり、習得は難しい)。

漫画のような映画だが、映像の迫力は漫画には出せないもので、漫画を映画にしたという以上のものを感じる。真面目に観るべきではない映画だが、いかにも香港というテイストで、痛快ではある。

私はあまり好きになれなかったけれど、あまりの馬鹿馬鹿しさに笑ってしまう場面も多かったし、そういうものが好きな人も多いだろう。
そもそも、サッカーと少林寺拳法を結びつけようという発想が凄い。映画としては好みが分かれるだろうが、発想は天才的である。

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2020年8月30日 (日)

笑いの林(125) ネイビーズアフロ 「ネイトークアフロ vol.19」@よしもと祇園花月

2020年8月24日 よしもと祇園花月にて

午後6時30分から、よしもと祇園花月でネイビーズアフロの公演「ネイトークアフロ vol.19」を観る。上演時間約1時間のトーク公演。

京都市立堀川高校を経て、神戸大学に進んだという経歴を持つネイビーズアフロ。高学歴漫才コンビである。ただ皆川勇気は卒業したが、はじりは中退のようである。ただ二人とも神戸大学ということになると、片方だけが上位国立大卒というコンビよりも学歴だけなら高いということになるのかも知れない。一方で今は高学歴芸人は多いため、枠が少なくなっているようにも思う。

ソーシャルディスタンスを保つために、客席は最低でも1席空けるポジショニング。お客さん自体はそれほど多くないが、ほぼ全員女性で、男しかもおっさんは私一人であり、かなり目立ちそうである。

揃いの青い背広がトレードマークのネイビーズアフロだが、今日は30度台後半の気温ということで夏らしい格好で現れる。

祇園花月のめくりの話をした後で(西川きよし師匠だけが「やるとお客さんの反応が気持ちいい」という理由で自分でめくるらしい)、新型コロナの影響により、夏にどこにも行けなかったという話から始まる。はじりは、難波のエディオンの夏祭りに行ったのだが、今年唯一の夏祭りらしきものだったという。

ちなみに、「ネイトークアフロ」はこれまで大阪・道頓堀の中座跡にあるZAZAで行われていたようだが、そこが使えなくなってしまったため(私も何度も吉本の公演を観ている小屋だが、現在は演劇の公演優先になっているようである)祇園花月で「ネイトークアフロ」を行うことになったようだ。京都の人も私を含めて5人ほどいたようだが、他は道頓堀ZAZAで観て今回は京都という人のようで、「大阪から観に来るのに6時半開演はちょっと不親切」と皆川は述べていた。

残念ながら京都在住で祇園花月に通う習慣のある人は極々少数派であると思われる。

私も二人のインスタグラムはフォローしているので、ステイホーム期間中、皆川勇気が高学歴を生かしてインスタライブで数学など勉強の講座を開いていたことは知っていたのだが、皆川によると叩かれまくったらしい。見知らぬ人から、「おもんないねん! 芸人だったら面白いことせえ!」というコメントがあったため、皆川が「あなたと私の『面白い』は違う」という反論を英語などを交えながら理路整然と語ったところ、相手から即刻ブロックされたらしい。はじりは、「あ、これあかん奴や。関わると面倒くさい奴や」と批判コメントの主の心境を代弁する(?)。

はじりは、ネット上の無料の姓名判断で遊んでいたそうで、皆川を占った結果、よく当たっているという。その結果を発表するためにはじりがいったん引っ込み、その間、皆川は上手の壁に張り付いてはじりが出てきたところを驚かせようとするが、はじりも気付いて下手側から出てきた。
どの姓名判断を用いたのかは分からないが、はじりによると皆川は「頭が良く、才能もセンスもある。独立運も強いが孤独運がある。犯罪に遭いやすく、犯罪を起こす運もある」と、大体こんな感じであった。全体的には良いのだが、孤独運と犯罪運が気に掛かる。

はじりは自身の姓名判断も同じサイトで行ったが、結果が良かったので信じることにしたという。

 

皆川は、ネタを考えるため、4時間ぐらい街中を放浪することがあるそうだが、そんな時に、同期である筋肉金魚の川畑と出会う。川畑は今、良くも悪くも話題のUber EATSでアルバイトをしているそうだが、時節柄、「ひょっとして俺らもいつバイト生活を始めんといかんようになるかも」ということで、後で川畑にLINEを送ったのだが、いつまで経っても返事が来ない。よく見てみると、筋肉金魚の川畑ではなく、吉本新喜劇の川畑座長にLINEを送ってしまっていたことに気づき、川畑座長に謝りに行ったという話をする。川畑座長は優しい人なのですぐに許してくれたそうである。

ちなみに吉本興業も川畑違いをやってしまったことがあるそうで、ある時、筋肉金魚の川畑が給与明細を見て、「今月大分多い」と感じたそうだが、一番上に「引田天功プリンセスショー」とあるのを見て、「あ、これ川畑座長や」と気付いたという話をしていた。

私がネイビーズアフロを初めて見たのは大分前だが、その時は、高校、大学と順調に来て、今は「アルバイトをしながら漫才してます」と残念な感じを前面に出していたのだが、今はテレビにも出るようになり、今日もここに来る前にラジオの二本録りあったそうで、アルバイトはしなくても良くなったようだ。ただ、NSCだと同期に当たる人(ネイビーズアフロはNSC出身ではなくオーディション勝ち抜き組である)には今も売れずにアルバイト生活をしている人も多いようである。

同期がどんどん少なくなっていくという経験も勿論しているだろうが、皆川は後輩からもため口を利かれるようなキャラクターであるらしい。

とある番組で、皆川は滑りまくったのだが、他の出演者達から、「それが皆川の真骨頂」と言われたそうである。いつの間にか滑り芸人と認識されるようになっているのだが、吉本に入る前に憧れていたポジションと大分かけ離れているようだ。

二人は京都市出身であるため、皆川がはじりに、「今日は実家に帰って麦茶飲め」と勧めるが、はじりは「うちは麦茶ちゃう、プーアール茶」という実家の謎の習慣を語る。

ちなみに皆川の家はお堅いが、はじりの家はフレンドリーが売りだそうで、10年前は「羽尻の家は全員、テレビに出ても大丈夫」と言っていたが、最近は別路線(?)を行きだしたようである。
テレビで「実母に大喜利に挑んで貰う」という企画をやった時は、はじりの母親は息子よりも面白いかも知れないものを作ったが、皆川の母親は「NHKは本当は何の略?」とのお題に「よくわかりません」と率直に答えたそうで、漫才師になろうと誘ったのは皆川の方であるが、本来ならお笑い芸人が出るような家ではないらしいことがわかる。


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2020年7月30日 (木)

笑いの林(124) よしもと祇園花月 「リスタート! よしもと祇園花月ネタLive」2020.7.24

2020年7月24日 よしもと祇園花月にて

午後2時からよしもと祇園花月で、「リスタート! よしもと祇園花月ネタLive」を観る。

先週再稼働したよしもと祇園花月。先週はトークショーやゲームが中心だったが、今週からは漫才やコントなどの王道がプログラムに載り始める。吉本新喜劇が祇園に戻ってくるのはもう少し先になりそうである。

 

出演は、相席スタート、テンダラー、見取り図、学天即、藤崎マーケット、スマイル、COWCOW。豪華なラインナップである。

 

相席スタート。
まずは自己紹介。京都市出身の山添寛(やまぞえ・かん)は、特徴のない人と思われることが多いそうで、「地方局のアナウンサーにいそう」「結婚式場のスタッフにいそう」「カラオケの映像に出てそう」などと言われるそうである。

相方の山崎ケイは、早稲田大学卒業であるが、早稲女(わせじょ)繋がりである稲田元防衛大臣に似てると言われることが多い。本人は山口智子を意識しているそうであるが、それを口にしてから、「なんか目合わせてくれる人が減った」
ちなみに「アメトーク」に「いい女の雰囲気を出してる芸人」に出たことがあるそうである。本人は「いい女」枠ではなく「雰囲気を」しかも出ているのではなく「出している」と思われたのが不満らしい。山崎は「ちょうどいい感じのブス」を売りにしていたが、それがドラマのタイトルになりそうになった時に大炎上したため、今日は口にしなかった。

山添が年上の女性にプロポーズすることになり、山崎がそれを断る年上の女性を演じる(「もう水弾かないで馴染むよ」など)のだが、次第に「(家まで)駅から徒歩40分だよ」と年上の女性と直接関係のない条件を挙げ始めるというネタである。

 

テンダラー。
浜本広晃が、自粛期間に良いネタを考えてきたというので披露するが、「俺ら最近、ちんちんが」と言って、相方の白川悟実に「下ネタかい!」と突っ込まれる。

最近は一人焼き肉が流行っているというので、白川が客に扮して一人焼き肉に立ち寄るのだが、「いらっしゃいませ!」と言ってきた浜本が店員ではなく常連客だったり、100人が入れる広さのある謎の個室に通されそうになったりする。白川は店員の浜本にジャケットを預けるが、そのジャケットで床掃除を始められてしまったりする。

最後は交通事故を起こした際の損害保険のネタ。ソニー損保だとかチューリッヒだとかがCMでよくやっているあれである。
白川が交通事故を起こした人を、浜本が損害保険会社のオペレーターの女性を演じる。
白川が「白川悟実」と名乗ると、浜本は「え? 女性ですか?」
白川「いや、さとみという名前だけど男性です」
浜本「郷ひろみみたいなものですか? 城みちるみたいなものですか? 由美かおるみたいなものですか?」
白川「由美かおるは女やろ!」
浜本「お客様、勤務先が吉本興業となっていらっしゃいますが、ひょっとして?」
白川「ええ、漫才師です」
浜本「え!? 私、漫才大好きなんです。失礼ですが何というコンビで?」
白川「テンダラーといいます」
浜本、無視してパソコンを操作する仕草
白川「おーい!」

白川はUSJにいるのだが、軽トラックで来ているそうで(ジ・白川バンドというなぜ「ジ」なのかわからないバンドを率いているため、いつも楽器運搬用に軽トラックを運転しているのかも知れない)、代車として「日野の二トン」を提案されるも却下したりする。

 

見取り図。
盛山晋太郎が、謎かけを説くのが格好いいというので、「林檎とかけて好きな女性と解きます。どちらもきになる(木になる。気になる)」とやり、リリーが「ジャガイモとかけて嫌いな女性と解く。どちらもきにならない」と真似て、盛山に駄目だしされる。リリーは、「好きな女性とかけて嫌いな女性と解く。どちらもはなしたくない(離したくない。話したくない)」と言って、これはお客さんから拍手を貰っていた。
リリーは更にお客さんから、「祭り」というお題を頂いて挑むも、「祭りとかけてスズメと説く。どちらも三文字」というレベルの低いものにしかならず盛山に呆れられる。

続いて、痴漢冤罪の話。満員電車では痴漢冤罪に遭わないよう、つり革を両手で掴むといいと盛山が言い、盛山が男性を、リリーが痴漢冤罪を起こしそうな女性を演じるのだが、逆にリリーが電車内に他に誰もいないのに盛山に付き纏う変な女性になってしまう。

 

学天即。
よじょうは変わった髪型をしているが、天然パーマだと相方の奥田修二が紹介する。奥田「同情するでしょ?」
よじょうはよじょうで、奥田のことを「男前だ」と褒め、客席に奥田が男前かどうか聞くも全く反応がなく、奥田は「地獄やん」とこぼす。

よじょうは宇宙旅行をしたいという夢があるのだが、「宇宙旅行に行くのは、ANA? JAL?」というレベルで、奥田に「NASA」と突っ込まれる。
よじょうは更に宇宙旅行に行くのに高所恐怖症なのが難点だと言って奥田から、「普通、宇宙、遠いと思ってるけど、お前、高い思ってんのか?」と言われる。
宇宙旅行のためにプラスとなる事柄として、よじょうは英語が喋れる(関西大学卒であり、高学歴芸人に分類される)ことを挙げるも、「May I open the window?」と聞いて奥田から「一番駄目なことやん」と突っ込まれていた。

 

藤崎マーケット。
上新電機のCMに出演している阪神タイガースの選手のテンションが低いという話から入る(往時のCMで、今現在流れているものとは異なる)。

トキがホストに扮し、女性役の田崎祐一を接待するのだが、「あれ? 味がしない」と言って、田崎に「お前、コロナちゃう?」と突っ込まれる。
その後、トキは古今東西ゲームを提案するのだが、
トキ「B'zのメンバー。松本」
田崎「稲葉」
で二人しかいないので負け、
トキ「歴代総理大臣」
に挑むもトキ演じるホストは一人も上げられず自滅する。

 

スマイル。
ウーイェイよしたかが、「錦織圭です」と自己紹介するいつものネタから入る。
瀬戸洋祐が若い頃はヤンキーに憧れたというので、よしたかが「昔、ヤンキーだった」と言って、うんこ座りをするのだが、
瀬戸「なんで洋式(便器)やねん? そんなんおかしい」

瀬戸は車を運転して彼女の家の前に乗り付け、そこから一緒にドライブデートというのに憧れていると語るのだが、よしたかから「37歳にもなってそれ?」と言われる。
最後は二人でドライブデートに出掛けることになるのだが、よしたかは、「これ、何が面白いん?」

 

COWCOW。以前からやっている回文ネタをやる。
善し「トマト」
多田健二「パパ」
善し「新聞紙」
多田「ママ」
善し「竹藪焼けた」
多田「パパ、竹藪焼けた、パパ」
と多田の方がいい加減になっていく。

善しが、「イカのダンスは済んだのかい」と長いネタをやるが、多田は「たこのダンスは済んだのこた」と思いっきり回文を無視する。

その後に、学園を題材にした教師と生徒のやり取りネタが続く(覚えきれなかったので書かず)のだが、今日のライブネタはこれで最後だというので(夜公演としてCOWCOWの公演がある)アンコールとしてレビュー風のネタが行われ、観客も手拍子で応えた。


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2020年7月24日 (金)

笑いの林(123) よしもと祇園花月 「笑い飯のサマーライブ」2020.7.18

2020年7月18日 よしもと祇園花月にて

午後7時から、よしもと祇園花月で、「笑い飯のサマーライブ」を観る。コロナ禍により臨時閉館せざるを得なかった祇園花月だが、昨日から再稼働となっている。

出演者は、笑い飯、銀シャリ、ダイアン、天竺鼠、アキナ。豪華なメンバーである。
ただ、今回上演されるのは漫才ではなくゲームである。通常の吉本の公演だったらコーナーと呼ばれて公演の一部になっている類いのものである。

祇園花月再開後、最初に観るのは同い年である笑い飯の公演にしようと決めていた。

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司会は笑い飯・哲夫。暑いがビシッとスーツで登場する。相方の西田はゲームの挑戦者として参加する。
青組と紅組に分かれての戦い。青組は、銀シャリとダイアン。紅組が笑い飯・西田、天竺鼠、アキナ。青組4人、紅組5人となる変則的な戦いである。哲夫によると「ヒューマン中村にオファーしてみたがNGだった」そうである。本当かどうかはわからない(このメンバーの中だとヒューマン中村の個性は浮きそうではある)。青組はライトブルーの、紅組はチーム名と同じ色のTシャツを着ての登場。

ちなみに、舞台下手に青チームの得点表示とチームカラー、舞台上手に赤チームの得点表示とチームカラーが示されているのだが、青チームのチームカラーがなぜか紫になっており、笑い飯・西田が、「なんでなん? なんで紫なん?」と不審がっていた。

 

観客は入館前に手のアルコール消毒と検温を受ける必要があり、更にもぎりを行う際に名前と電話番号、席番号を記入して、今後、何かあった場合の措置が取れるようになっている。

ソーシャル・ディスタンスを守るということで、館内は客席左右1席以上空け、客席入り口のドアは換気を行うために全て開け放たれたままで公演が行われている。客席各所に大型の扇風機も設けて、空気が留まらないよう工夫が凝らされている。

 

まず哲夫が登場して挨拶。ゲームの趣旨などを説明する。
「ここで舞台出演者側が感染したら、えらいことになりますよ。テレビにこれ映りますよ。『あいつら、こんな幼稚なことしてんのか』と」

舞台後方に置かれたボードの、AからMまでのアルファベットを指定し、アルファベットの書かれた部分をひっくり返すとゲーム名が出てくるという仕組みなのだが、アルファベットの数が通常より少なめであり、そのことをまず出演者が突っ込む。コロナの影響でそんなに長い公演は行えず、この催しも1時間半と時間が決まっている。押すことは不可能なようで、そのため問題数も間引いているということのようである。

今日は舞台上で小道具などを並べる吉本のスタッフは、全員フェイスシールドを着けて仕事をこなす。

 

「ぷちぷちキックボード」。縦長の2枚のプチプチ(気泡緩衝材)を並べ、その間の8センチほどの隙間をキックボードで進み、プチプチを破らずゴールしたらクリアとなる。

まずアキナ・山名がクリアしたかに見えたが、プチプチの間にキックボードの車輪を入れてからキックして進んだということでアウトになる。
天竺鼠・川原もクリアしたように見えたが、後輪がまだプチプチの間に位置していた時に左足を舞台上に着けたということで、本人が認めてクリアならず。周りからは、「なんで認めるん?」と言われていた。

その後も成功者がいないまま、哲夫がゲームを打ち切りにしようとしたが、最後に1回だけとなり、アキナ・秋山が挑戦することに。秋山は、「こんなん、めっちゃプレッシャーやん!」とこぼすも、初めての成功者となった。
青組は、ダイアン・津田がチャレンジするが、途中で車輪が傾いてプチプチの破れる音がする。津田は、「うあー!」と大声を出して誤魔化そうとしたため、哲夫から「こすい(基本的には関西方言。「ずるい」「邪な」という意味)」と言われる。

 

「SMラガーマン」。ミニサイズのラグビーのゴールを設置し、出演者の一人が四つん這いになって背中に小さなラグビーボールを置く。もう一人がSMで使う鞭を振るって、ラグビーボールに当て、ゴールバーの上を越えたらクリアとなるのだが、どう見ても無理そうである。笑い飯・西田は、仰向けに寝っ転がって額の上にラグビーボールを置き、「ドMやん!」と言われる。

ちなみにダイアンは、なりゆきで二人とも上半身裸になってゲームに挑戦。他の出演者から、「ここでコロナ感染したら、えらいことですよ!」「『ミヤネ屋』にこの映像出ますよ!」と言われる。照明さんにも紫系のライトに変えて貰い、それっぽい雰囲気になる。クリアは当然ながらならず。おそらく成功する可能性は限りなく低く、出来たとしても「偶然」でしかないと思われる。

 

目隠しをして台の上に乗り、巨大ゴムを伸ばした先にあるバレーボールが飛んでくるのを受け取るというゲーム。バレーボールは重さもあり、大きいので空気抵抗も受ける。ということで、ゴムを思いっきり引き延ばしてから離しても、ボールは脚付近にしか届かない。受ける芸人は目隠しをしているので、当然ながら反応出来ない。
ということで、アキナ・秋山は再チャレンジの際に台の上に座る形でボールを受けることにしたのだが、ボールは股間に命中してしまい、しばらく悶絶する羽目になった。

 

上部を傾斜にした枠組みの上にゴルフボールを置き、転がってきたところを頭に被ったヘルメットの頭頂部に着いたお輪(仏教のお輪である)に当てて鳴らすというゲーム。
一番最初にチャレンジした天竺鼠・川原は、ゴルフボールが頭の上を通過してしまったためにNGとなるが、他の芸人がやる姿を見てコツを掴み、その後、5度挑戦して3度成功する。ダイアン・津田も何度か成功するが、最後は一回に何球も立て続けで挑戦した際、お輪に最初のゴルフボールが填まってその後のゴルフボールが鳴らなくなるというハプニングがある。「お輪に填まるのは珍しい」というので、青組のメンバーは「一気に5点」を要求するが認められず。

 

「大縄ブリーフ」。大縄跳びをしながら、ズボンの上からブリーフを履き、更に脱ぐとクリアである。西田が「最初はすっぽんぽん?」と聞き、津田に「そんなん、警察来るやん!」と突っ込まれる。
銀シャリ・鰻と天竺鼠・瀬下が挑戦するが、成功しそうにないまま終わる。

 

「ジェット風船をマジックハンドでキャッチ」。その名の通り、ジェット風船を飛ばし、落ちてきたところをマジックハンドでキャッチすればクリアである。
まず笑い飯・西田が挑戦して見事にキャッチしてみせる。これには相方の哲夫も意外そう且つ嬉しそうな表情を浮かべる。ちなみに西田は吉本芸人屈指の運動音痴で、「運動神経ゼロではなくマイナス」と言われている。哲夫は、「泳げない子がちょっと泳げた時のような気分」と語っていた。
青組のダイアン・ユースケ(本名の西澤裕介から改名)も一瞬捉えたかのように見えて、床に落としてしまったが、マジックハンドには付いていたということで、拾い上げてクリアとなる。

 

最後は、黒く塗ったピンポン球をドライヤーの風で浮かせ、千昌夫の顔写真が貼られたボードの額の部分に開けられた穴に填めれば成功となるゲーム。今は手術をして除去してしまったが、以前の千昌夫は額の部分にあるホクロをトレードマークとしており、「黒いホクロを再び」作るというゲームである。BGMとして千昌夫の「北国の春」が流れる。
結構いいところまではいくのだが、穴に押し込める時に上手くいかず、クリアには至らなかった。

 

帰りは、吉本のスタッフの誘導による列ごとの退場となる。よしもと祇園花月は出入り口が基本、一つしかなく(臨時用の狭めのものがもう一つあるにはある)一斉に席を離れると階段のところで「密」状態になるため、それを避ける意図がある。


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