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2024年10月 6日 (日)

コンサートの記(859) 京都新聞トマト俱楽部 京都フィルハーモニー室内合奏団特別公演 リクエストコンサート「日本の歌特集」

2024年9月23日 京都コンサートホールにて

午後3時から、京都コンサートホールで、京都新聞トマト俱楽部 京都フィルハーモニー室内合奏団特別公演 リクエストコンサート「日本の歌特集」を聴く。
事前に日本の歌50曲を選び、投票によって上位に来た曲をプログラムに入れるという企画である。

曲目は、第1部が童謡や歌曲中心で、「この道」(作曲:山田耕筰。オーケストラのみ)、「夏の思い出」(作詞:江間章子、作曲:中田喜直。ソプラノ独唱あり)、「浜辺の歌」(作曲:成田為三。オーケストラのみ)、夏のメドレー(「我は海の子」~林柳波作詞、井上武士作曲の「海」~島崎藤村作詞、大中寅二作曲の「椰子の実」。バリトン独唱あり)、バロック風日本の四季より「秋」の第1楽章(編曲:早川正昭。オーケストラのみ)、「荒城の月」(作詞:土井晩翠、作曲:瀧廉太郎。バリトン独唱あり)、「月の沙漠」(作曲:佐々木すぐる。オーケストラのみ)、「ちいさい秋見つけた」(作詞:サトウハチロー、作曲:中田喜直。ソプラノ独唱あり)、「夕焼け小焼け」(作曲:草川信。オーケストラのみ)、「四季の歌」(作詞・作曲:荒木とよひさ。ソプラノ、バリトン独唱と、聴衆の合唱)。

第2部が、ポピュラー楽曲中心で、「学生街の喫茶店」(作曲:すぎやまこういち。オーケストラのみ)、「いい日旅立ち」(作詞・作曲:谷村新司。ソプラノ独唱あり)、「上を向いて歩こう」(作詞:永六輔、作曲:中村八大。バリトン独唱あり)、「シクラメンのかほり」(作詞・作曲:小椋佳。オーケストラのみ)、「あの素晴らしい愛をもう一度」(作詞:北山修、作曲:加藤和彦。オーケストラのみ)、「川の流れのように」(作詞:秋元康、作曲:見岳章。ソプラノ独唱あり)、「地上の星」(作詞・作曲:中島みゆき。バリトン独唱あり)、「世界に一つだけの花」(作詞・作曲:槇原敬之。ソプラノ、バリトン独唱あり)、「見上げてごらん夜の星を」(作詞:永六輔、作曲:いずみたく。ソプラノ、バリトン独唱と、聴衆の合唱)、「明日があるさ」(作詞:青島幸男、作曲:中村八大。ソプラノ、バリトン独唱と、聴衆の合唱)。


指揮は広上淳一の弟子でもある井村誠貴(いむら・まさき)。トークを得意とするため、京フィルから重宝されている指揮者である。本来はオペラをメインに活動している指揮者で、ミュージカルやポピュラーシンガーとの共演も多い。大阪音楽大学コントラバス科の出身で(大阪音大には指揮科はない)、指揮はどこで習ったのか記載されていないが、広上の他に、湯浅勇治や松尾葉子といった藝大系の指揮者に師事している。

ソプラノ独唱は、内藤里美。大阪音楽大学および同大学オペラ研究室修了。ウィーン国立音楽大学の音楽セミナーとプラハ国際ヴォーカルマスタークラスでディプロマを獲得している。オペラ歌手であり、神戸での「ファルスタッフ」への出演が決まっているほか、兵庫県立西宮高校音楽科非常勤講師など、教育面でも活躍している。

バリトン独唱は、大谷圭介。京都教育大学数学科から京都市立芸術大学大学院修士課程および博士課程修了という変わった経歴を持つ。やはりオペラを中心に活動しており、「ドン・ジョヴァンニ」、「フィガロの結婚」、「リゴレット」のタイトルロールで好評を博している。関西二期会理事。

二人とも、今日はマイクを使っての歌唱だったが、オペラ歌手の場合、マイクを使って歌う方が逆に難しいそうである。


久しぶりとなる京都フィルハーモニー室内合奏団の演奏会。この室内オーケストラは、資金面に難があるためか、メンバーの入れ替わりが激しい。ただ、演奏技術は一定の水準が保たれており、特に弦楽パートは瑞々しい音を聴かせてくれる。

第1曲目の「この道」は、途中で2曲目の「夏の思い出」の旋律が紛れ込むという凝ったアレンジである。振り終えた井村は、マイクを手に振り返り、「2曲目の『夏の思い出』が入るというアレンジでした。夏の思い出、なんかありますか? 暑かったですねえ。今日、やっと涼しくなりました」と語りかける。

夏のメロディーを歌う大谷圭介に、井村は、「相変わらず格好いいですね」と話していた。

バロック風日本の四季より「秋」は、童謡「虫の声」をヴィヴァルディ風にアレンジした曲で、事前に井村が、「虫の声がします」と明かしていたが、ヴァイオリンが弓の先の方で弦をこするという奏法で虫の声を表していた。

「荒城の月」。瀧廉太郎のオリジナル版と、山田耕筰がアレンジした版があるが、山田耕筰版を採用していた。

「月の沙漠」について井村は、絵がモチーフになっていると語ったが、千葉県の御宿町がモデルとなったという説があり、御宿海岸には記念像が建っている。

「夕焼け小焼け」は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章、「家路」をモデルにした編曲での演奏。冒頭は「新世界」そのもので、「家路」のテーマが入るところから「夕焼け小焼け」のメロディーになる。井村は、「そのままでしたね」と語る。

「四季の歌」は、聴衆も歌唱で参加する。有名な曲であるが、1970年代に有名になったとのこと。本来は5番まで歌詞があったのだが、5番の歌詞がメロディーに合わないということで、5番は「ラララ」のハミングとなったという。


第2部。「学生街の喫茶店」。ガロのヒット曲である。作曲は後にドラクエシリーズの音楽で有名になる、すぎやまこういちである。

「いい日旅立ち」。山口百恵の芸能生活最晩年(といっても二十歳そこそこだが)の楽曲。ちなみに私が初めて歌った曲は、子門真人の「およげたいやきくん」らしいのだが(3歳頃。覚えていない)、初めて聴いた記憶があるのが、「いい日旅立ち」である。父が山口百恵のファンでよくレコードがかかっていた。「いい日旅立ち」は、当時の国鉄のキャンペーンソングだが、CM制作費を出した日立と日本旅行がタイトル名に入っている。
井村は、「JR西日本の新幹線の曲」と語っていたが、厳密に言うと、JR西日本の新幹線の曲は、鬼束ちひろがカバーした「いい日旅立ち・西へ」(歌詞とアレンジが異なる)である。

「上を向いて歩こう」。永六輔、中村八大、坂本九の「六八九」トリオの代表曲であり、アメリカでビルボードチャート1位を獲得した唯一の日本の楽曲である。アメリカでは有名な日本語の単語ということで、適当に「SUKIYAKI」がタイトルとなったが、今でもスキヤキソングとして世界的に知られている。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」のオーケストラの出だしに似ていることでも知られるが、むしろ坂本九のソウルに繋がるような歌い方がアメリカでヒットした理由だと思われる。
井村は、坂本九について、「1985年に飛行機事故で亡くなった」と語る(JAL123便墜落事故)。43歳の若さだった。坂本九は「全日空の方が安全」ということで、全日空しか使わなかったのだが、この日はたまたま全日空機のチケットが取れず、それでも大阪での友人の選挙演説に間に合わないといけないというので、仕方なく日本航空を使ったのだが、悲運な結末が待ち受けていた。
今はなくなった木屋町のバー「龍馬」に白人のグループが訪れ、「日本の代表的な曲を歌って欲しい」と言われたのでこの曲を歌ったのだが、大いに盛り上がった。

「あの素晴らしい愛をもう一度」。井村は、「京都の人である北山修の作曲」と紹介したが、厳密に言うと、北山修は作詞で、作曲は加藤和彦である。加藤和彦も京都の生まれで、すぐ関東に移っているが、大学は京都市伏見区にある龍谷大学経済学部に通い、在学中にデビューしているため、京都のミュージシャンのイメージが強い。ただ加藤本人はそうは思っていなかったようである。
井村は、「教科書に載っていて、合唱曲にもなっている」と説明。実際、私が高校時代に使っていた音楽の教科書にも載っていた。
ゆったりとしたテンポによるしっとりとしたアレンジでの演奏である。

「川の流れのように」。美空ひばりの代表曲である。井村は、「秋元康も今ほど有名ではなかった」と語ったが、実際には十分に有名であった。
美空ひばり最後のシングル曲であり、葬儀でも出席者が歌って追悼した曲である。見岳章の楽曲の特徴であるが、この曲も急激に音程が上がる部分がある。ちなみに美空ひばりは、52歳とかなり若くして亡くなっているのだが、最晩年の映像を今見ると70歳ぐらいに見える。この曲は秋元康がニューヨークのイーストリバーを眺めて詞の着想を得ている。

「地上の星」。NHKの「プロジェクトX」のテーマ曲として知られている。井村によると、この曲をリクエストした人の中に、46歳で一念発起して看護師を目指した女性がいるそうで、学校の先生に中島みゆきの曲を教えて貰い、色々聴いているうちにこの曲も好きになったそうである。

「世界に一つだけの花」。SMAPの代表曲である。井村は、「将来、教科書に載るかも知れませんね」と語る。

「見上げてごらん夜の星を」。聴衆も歌う。井村は「元々はミュージカルの曲」と紹介する。そのミュージカルを元にした映画が坂本九主演で撮られており、今も観ることが出来る。定時制高校を舞台とした青春群像である。この曲も教科書に載っているはずである。

「明日があるさ」。井村は、「6番までありますよ。大丈夫ですか?」と客席に問いかける。青島幸男の詞は「今ではストーカーソング」と言われることもあるが、喫茶店でのデートには漕ぎ着けているので、一方的なストーカーではないと思われる。


歌詞カードには「故郷」の歌詞が載っているため、アンコールで歌われることが分かる。「故郷」は有名なので、歌詞を見なくても歌うことが出来た。


演奏終了後、ホワイエで井村誠貴、内藤里美、大谷圭介によるお見送りがあった。

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2007年4月17日 (火)

アロサウルスが好きだった

本日4月17日は「恐竜の日」なのだそうです。

多くの小さな男の子達にとって恐竜は、興味のある対象の一つ。私もそうで、図鑑などを見てワクワクしたものでした。

私が最も好きだったのは、ジュラ紀に生息したアロサウルスという恐竜。白亜紀に活躍し、「恐竜の王」と呼ばれたティラノサウルスに似た恐竜ですが、ティラノサウルスが頭が大きくズングリムックリなのに対し、アロサウルスは顔も体もスマートです。

私が子供の頃は、「恐竜は爬虫類の祖先」とされていたのですが、1990年代から「実は鳥類の祖先だった」という説が有力になりつつあります。「絶滅した」とされていた恐竜ですが、その割りには発掘される化石が少ないことから、鳥に進化したのだという説が生まれ、科学的な鑑定なども行われるようになりました(結果、恐竜から直接鳥へと進化していったのかはわからないが、恐竜と鳥類にはつながりがあるらしいことがわかりました)。しかし恐竜が鳥に進化したというのなら、人間はその鳥を好んで食べているのですから、考えようによっては恐竜(肉食恐竜)より遙かに獰猛ですね。

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2007年4月 8日 (日)

城作り

伊勢市円座町の井村裕保氏が自宅の庭に19年かけて作ってきた23分の1のミニチュア姫路城を完成させたという。

面積は約165平方メートル。天守閣の高さ約2・5メートル。材料費約1800万円。

城に全く興味のない人は、「物好きがいるなあ」としか感じられないだろうが、城好きである私などは、「いいなあ、羨ましいなあ。おめでとう」と素直に喜ぶことが出来る。

城のミニチュアを作ったからといって特に意味があるわけではない。それは趣味の範囲を一歩も出るものではない。
しかし「意味のあること」がそれほど重要だろうか。社会的意義がないことは全て無駄なのだろうか。
逆説的になるが社会的意義を超えた喜びや満足にこそ人生の本当の意義があると思うのは私だけなのだろうか。

それにしても本格的なミニチュア姫路城を作ろうという心意気を持った人がいるのは喜ばしいことであり、日本にこうした情熱を持つ人がいるというのはある意味「希望」でもある。

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2006年6月22日 (木)

城好き

名古屋城天守

写真はご存知、名古屋城天守です。

私は小学生の頃から城郭が好きでした。天守や御殿という建築のみならず、堀や石垣、ちょっとした土塁を見ただけでも胸がワクワクするのですから、城好きというのは妙なものです。
天守などの城郭建築への興味は単純に美的感覚から起こるのでしょうが、堀や石垣、土塁、縄張りなどを見ても楽しいのは、そこに歴史と過去の人の姿を思い浮かべるからなのでしょう。

二条城二の丸御殿
二条城二の丸御殿(撮影:本保弘人)

安土城石垣
安土城石垣(撮影:本保弘人)

大宮交通公園内御土居
御土居(撮影:本保弘人)

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