カテゴリー「野球」の229件の記事

2022年10月31日 (月)

スタジアムにて(42) 日本シリーズ2022 第3戦 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ@京セラドーム大阪

2022年10月25日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で行われる、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの日本シリーズ第3戦を観戦する。なんとかかんとか手に入れたチケットは、外野寄りの内野三塁側最上段の最後列であった。

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初めてプロ野球の試合を生で見たのは、1990年の4月末か5月上旬。いずれにせよゴールデンウィークのことだったはずである。その時座った神宮球場の席から見たグラウンドもちょうどこんな感じだったことを思い出して懐かしくなる。その時の試合は、ヤクルトスワローズ対東京読売ジャイアンツの一戦。スワローズの先発は加藤博人、ジャイアンツの先発は宮本和知で、川相昌弘のレフトへのホームランでジャイアンツが勝っている。

思い出はともかくとして今日の試合。スワローズの先発は龍谷大平安高校出身で左のエース的存在に成長した高橋奎二。バファローズの先発も左のエースというべき宮城大弥。

スワローズは、日本シリーズ第1戦第2戦と当たりが出ていない山田哲人を1番に起用。それまでの2試合でトップバッターを務めていた塩見泰隆が入れ替わるように3番に入る。2番ライトには宮本丈、8番レフトには今日はキブレハンが入る。サンタナはDHで7番に入った。

今シーズン終盤には調整に入って登板がほとんどなかった高橋奎二だが、今日もMAXは150キロを記録するなど球威があり、バファローズ打線を打ち取っていく。

宮城大弥は、MAX149キロだが、ストレートの多くは140キロ台前半。しかし、100キロちょっと、一番遅い時は96キロを記録したスローカーブが効果的であり、こちらもスワローズ打線を交わし続ける。

5回表、センターの中村悠平、続くサンタナの連続ヒットでチャンスを作る。その後、ツーアウトとなるが、今日は1番に入った山田哲人がレフトへの大飛球を放つ。
京セラドーム大阪の外野とその近くの内野席の上部席には欠陥があり、打球がスタンドインしたかどうか分からないのである。そのため、選手達の動きや審判のゼスチャーを見る必要があるのだが、それらから「どうやらホームランになったようだ」と分かり、スワローズファンが盛り上がる。

7回表。先頭の丸山和郁がセーフティバンドを決め、長岡秀樹は倒れるが山田哲人はフォアボールで、先に盗塁を決めていた丸山と共に二塁一塁となる。その後、宮本は倒れるも、塩見泰隆が今日2つめとなるデッドボールを受けて二死満塁となる。対するバッターは村上宗隆。バファローズのピッチャーは3番手の竹安。竹安のストレートは150キロを記録するが、コントロールがまとまらず、村上に押し出しのフォアボールを与えて、4-0とスワローズがリードを拡げる。

スワローズは9回表にも村上宗隆の2点タイムリーツーベースとオスナのタイムリーで7-0と点差を拡げる。

最後まで見たかったのだが、10時を回ってしまうと京都に帰れない可能性が出てしまうため、9回表の攻撃を見終えた時点で席を立つことにする。日本シリーズは午後6時30分過ぎのプレーボールである。午後6時プレーボールだと良かったのだが。

9回裏には久保と小澤が登板し、1点を失ったがそれだけに抑え、7-1で東京ヤクルトスワローズが勝利して通算成績を2勝1分けとした。

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2022年6月12日 (日)

スタジアムにて(38) セ・パ交流戦2022 オリック・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ第3戦 2022.6.9

2022年6月9日 京セラドーム大阪にて観戦

京セラドーム大阪で、セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの試合を観戦。午後6時プレーボール。

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ちなみに、球審を務めるのは白井一行で、「球審・白井」のコールがあった時にスタンドから笑い声が起こった。白井一行は今年、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が判定に不満そうな態度を取ったときに、激昂してマウンドまで詰め寄るという場面が話題になっている。

スワローズの先発は、現役最多勝利投手である石川雅規。バファローズの先発は、増井浩俊。

スワローズは、一軍に昇格したばかりの坂口智隆が6番レフトで先発出場する。

今年で38歳になるベテランの増井であるが、MAX151キロを計時するなど、まだまだストレートで押せる。
だが、先制したのはヤクルト。2回に先頭の村上宗隆にヒットを打たれる。しかし、村上は二盗を試みてアウトとなった。今日はスワローズは4回盗塁を試みたが、バファローズの捕手・伏見虎威の強肩の前に、そのうち3度は失敗に終わった。
二死走者なしとなるが、坂口がフォアボールで出ると、今日先発マスクの内山壮真がフェンス直撃のツーベースを放ち、坂口が長駆ホームインで1点を先制する。続く奥村展征の時に増井の暴投で内山がサードに進む。奥村の当たりはセンターに抜け、スワローズが2点目を奪った。

スワローズが得点すると、ファンは「東京音頭」に合わせて傘を振るのが恒例だが、今回はまだコロナ禍が続いているということで、吹奏楽器も歌声も禁止であるため、大太鼓のリズムに合わせて傘が振られた。今日はスワローズファンもかなり多い。

42歳となった石川のストレートはMAX136キロ。プロの投手としては速くないが、実はここ10年ほど、1試合のMAXは135キロから137キロで安定しており、少なくともストレートの初速に関しては衰えが見られない。4回に伏見のライト前に落ちるタイムリーヒットを許すが、5回を投げてこの1点のみに抑える。

スワローズの継投は、2年目でブレイク中の木澤尚文、今日はMAX153キロを記録した石山泰稚(2アウトを取ったところでピンチを招き、降板)、左の宗佑磨に対するワンポイント登板となった田口麗斗、コールと繋ぎ、今日はマクガフではなく今野龍太が9回のマウンドに上がって、セーブを挙げた。今野はこれがプロ初セーブである。今野もMAX151キロとストレートが冴えた。

バファローズの継投も左の山田修義(のぶよし)、京セラドーム大阪のすぐそばで生まれ育った阿部翔太、K-鈴木(千葉県鎌ケ谷市出身で、千葉市にある千葉明徳高校を経て、千葉県勝浦市にある国際武道大学を卒業)と充実した投球を見せる。スワローズもチャンスは作るが得点は出来なかった。

試合は、2-1で東京ヤクルトスワローズが勝利。交流戦首位を守った。
勝利投手となった石川雅規はこれがプロ180勝目。また交流戦通算27勝目となり、交流戦通算勝利数単独首位となった。

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2022年2月11日 (金)

これまでに観た映画より(279) イ・ジュヨン主演「野球少女」

2022年2月7日

録画してまだ観ていなかった韓国映画「野球少女」を観る。2019年製作の作品。監督:チェ・ユンテ。出演:イ・ジュヨン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘラン、ソン・ヨンギョ、クァク・ドンヨン、チェ・ヘウンほか。

創部間もない高校野球部で男子に混じって女子ピッチャーとして活躍し、「天才野球少女」としてマスコミにも取り上げられたチュ・スイン(イ・ジュヨン)が主人公である。高校の野球部には基本的には女子は入部出来ないのだが、スインは実力で認めさせてきた。高校の野球部に入れないと思っていた時期を思い出し、「自分の未来は自分ですら分からないのに、他人が自分の未来を分かるはずがない」と語る場面がある。

女性ピッチャーを主人公にした場合、男子よりも速い快速球を放れたり、魔球を操れたり、アンダースローの変則技巧派だったりすることが多いのだが、この作品の主人公であるチュ・スインはオーバースローから130キロ台前半のストレートを投げるという、かなりリアルな設定となっている。モデルになった女子野球選手がいるようだ。

映画はまず字幕で始まる。韓国プロ野球発足時には、医学的に男子でない者は不適格選手として入団を禁じるという規約があったが、この決まりは1996年に撤廃された。だが、今に至るまで、男子に混じってプロ野球で活躍した女子選手は出ていない。NPBも同時期に女子の加入を許可しており、ブルーウェーブ時代のオリックスの入団テストを女性2人が受けたことがあったが、合格には至らなかった。

高校の野球部の面々がドラフトの結果を待っている。女子としては超高校級とされたチュ・スインも朗報を待っていたが、結局指名されたのはスインの幼なじみであるイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)一人だけだった。
高校の日本語教師であるキム先生(韓国の高校には英語の他に第二外国語の授業があり、日本語が一番人気である)が女子野球経験者だったことから、女子のアマチュア野球に進むことを勧められたり、ハンドボールの選手への転向を示唆されたりするが、スインはどうしても韓国プロ野球に進みたい。そこでトライアウトに参加しようとするが、女子という理由で断られてしまう。

新しく高校野球部のコーチに就任したチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)は、「力が劣る」「150キロのストレートを投げられない」と諦めさせようとするが、スインは、「なら150キロの球を投げてやる」とムキになって投球練習を続ける。このままでは故障してしまうということで、ジンテは「速球ではなく、自身の長所を生かしたピッチングスタイルに取り組むよう」に説得する。

スインは、学業面では劣等生。試験も真面目に受ける気はない。ということで、大学に進むという道は端から考えていない(おそらく大学の野球部に女子は入部出来ないのだと思われる)。だが、スインの父親というのが甲斐性なしであり、宅建の試験を受け続けているが、いつまで経っても合格出来ないでいる。
そうしたこともあり、母親はスインに野球を諦めて就職して貰いたいと考えていた。

スインのストレートはスピードこそ男子に劣るが、回転が良く、浮き上がるような軌道を持つ(なぜかジャイロ回転している場面もあるが)。そこで真逆の無回転ナックルを投げることでピッチングに幅を持たせようとジンテは考えていた。最初はストレートでの真っ向勝負にこだわっていたスインであるが、「速い球ではなく、打たれないのが良い球だ」というジンテの助言を受け容れ、ナックルボーラーに向けての特訓を繰り返す。

仁川を本拠地とする韓国プロ野球・SKワイバーンズ(現・SSGランダーズ)のトライアウトを受けることを許されたスインは、同じくトライアウトを受けに来た選手達と対戦。球速が出ていないというので舐めてかかってきた男子選手を打ち取っていく。遂にはワイバーンズの選手とも対戦することになったのだが……。

野球映画というと、前述のようにどうしても劇画タッチになりがちなのだが、その国のアマチュアトップ野球選手にいそうなキャラクターを設定することで、リアリティを生むと同時にヒロインに肩入れしやすい構造を生んでいる。女子としては凄いが男子の野球選手に比べると劣るという歯がゆい設定が、ヒロインの背中を押したくなるような心情に観る者を誘っていくのである。

これはスインの映画であるが、同時にコーチのジンテの物語でもある。ジンテは長年に渡って独立リーグでプレーし、韓国プロ野球入りを目指していたが、夢が叶わぬまま四十路を迎えてしまった。そして高校の野球部のコーチになるのだが、その直前に妻とも離婚している。夢も家庭も失ったが、独立リーグ時代にコーチ業ではないが、後輩の選手に指導することで選手の力量を上げたという実績があった。それがスインの指導にも生きたのだ。
野球のみでなく、社会へと旅立つ青春の時代もきちんと描いた映画であるが、やはりスインとジンテの二人三脚での成長を楽しむべき映画であるように思う。野球映画好きは必見である。

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2021年9月11日 (土)

これまでに観た映画より(268) 「フィールド・オブ・ドリームス」

2021年9月6日

録画してまだ観ていなかったアメリカ映画「フィールド・オブ・ドリームス」を観る。ケヴィン・コスナー主演作。監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン。原作:ウィリアム・パトリック・キンセラ(『シューレス・ジョー』)。出演は、ケヴィン・コスナーの他に、エイミー・マディガン、レイ・リオッタ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、バート・ランカスター等。音楽:ジェームズ・ホーナー。

なお、「フィールド・オブ・ドリームス」を初めて観たのは、映画館でもテレビでもなく、高校2年の時(1991年)に学校の体育館で行われた映画鑑賞会においてであった。

1919年のワールドシリーズで起こった「ブラックソックス事件」(シカゴ・ホワイトソックスの選手8人が八百長を行ったとして永久追放になった事件)に題材を取った映画の一つである。ブラックソックス事件を扱った映画としては、「エイトメン・アウト」も有名であるが、私は「エイトメン・アウト」はまだ観たことがない。

ブラックソックス事件で永久追放となった選手の中には、「シューレス・ジョー」というニックネームで知られた人気選手、ジョー・ジャクソンがいた。実際には8人全員が起訴されたが証拠不十分で無罪となっており、シューレス・ジョー・ジャクソンもワールドシリーズで打率3割7分5厘でノーエラー、本塁打も放っているため、この映画では全くの濡れ衣ということになっている(真相は今も不明である)。

そんなメジャーリーグベースボールに未練を残したまま去らざるを得なかったエイトメンが、アイオワのトウモロコシ畑の中にレイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)が築いたベースボール・フィールドに現れるというファンタジーである。

ベースボール(野球)が盛んなアメリカ。野球を題材にした映画には、「フィールド・オブ・ドリームス」の他に、同じくケヴィン・コスナー主演の「さよならゲーム」、今は名称が変わったクリーヴランド・インディアンスの話である「メジャーリーグ」シリーズ、実話を基にした「オールド・ルーキー」、ロバート・レッドフォード主演の「ナチュラル」といった傑作がある。ただ「フィールド・オブ・ドリームス」は主人公がベースボールプレーヤーではないという点が他の野球映画と異なっている。

レイ・キンセラは、ニューヨーク・ヤンキース傘下のマイナーリーグで捕手をしていたジョン・キンセラの息子で、ジョンはレイにメジャーリーガーになる夢を託していたのだが、レイはジョンに反発。ヤンキースびいきのジョンとは異なり、当時まだブルックリンに本拠地を置いていたドジャースのファンになったことに始まって、10歳で野球を嫌いになり、14歳以降は父親とのキャッチボールすら断るようになる。そして17歳でニューヨークの家を出て、名門カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で学び、そこで出会ったアニー(エイミー・マディガン)と結婚し、アイオワ州にトウモロコシ農園を買って移り住んだ。二人の間には一人娘のカレンがいる。レイはその間、父親と会うことも話すこともなく、葬儀の時に戻っただけだった。

ある日、レイは、トウモロコシ畑の中で、「造れば彼はやって来る」という声を聞く。何者の声なのかは不明なのだが、レイはトウモロコシ畑の中に野球場と照明灯が輝くという幻影を見る。レイはアニーを説得して、トウモロコシ畑の中に照明灯付きの野球場を造る。自分でも十分に理解出来ていないままの行動であり、また観客からも「展開が速すぎるのではないか」と疑問を抱かれそうなところだが、これはラストに繋がっている。

ある夜、トウモロコシ畑の中の野球場にシカゴ・ホワイトソックスの往年のユニフォームを着た左投げ右打ちの男、ジョー・ジャクソンが現れる(実際のジョー・ジャクソンは、右投げ左打ちである)。

ほどなく、レイに第二のメッセージが告げられる。「彼の傷を癒やせ」というものだが、レイには「彼」の心当たりがない。そんな中、小学校のPTA集会に出たレイは、「処分すべき書籍」の作者と槍玉に挙げられていたテレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ。モデルはJ・D・サリンジャーである)こそが彼ではないかと思い当たる。ピューリッツァー賞を取ったこともあるテレンス・マンであるが、今は作家活動から離れ、ボストンの小さなマンションで暮らしている。レイとアニーは、ボストンのフェンウェイパークでテレンスと語り合うという共通の夢を見ており、レイはボストンに単身、車で向かう。なんとかテレンス・マンを説得して、フェンウェイパークでの試合を一緒に見に行くことになったレイは、第三のメッセージを耳にする。「最後までやり遂げろ」。そしてスコアボードには、アーチー・ムーンライト・グラハムという無名選手の名前と映像が浮かんだ。実はテレンスも声と映像に気づいており、二人でグラハムの故郷で引退後に過ごしていたというミネソタ州に向かう。


心残りのある人々が登場する。突然、メジャーリーグを追われることになったシューレス・ジョー・ジャクソンら8人のシカゴ・ホワイトソックスの選手、ドジャースの選手になりたいという夢を語り続けてきたが、実現することはなく、作家としても隠遁生活に入っていたテレンス・マン。メジャーリーガーで打席に立ちたいという夢を持ち、マイナーからメジャーに上がるも1イニングライトの守備固めとして入っただけでマイナー落ちが決まり、マイナー行きを嫌がって野球を辞め、学校に戻って医師となったアーチー・グラハムなどだが、最大の心残りを抱えていたのはレイである。野球選手になることを望む父親への反発からキャッチボールもしなくなってしまったレイ。父親には妻のアニーも娘のカレンも紹介出来ぬままに終わった。そんな果たせぬ思いが、多くの心残りある人々を引きつけていたのである。

ラストシーンで父親であるジョン・キンセラと出会い、父とキャッチボールを行う「和解」にも似たノスタルジックなシーンは、アメリカのみならず日本など野球文化圏の人々の心に強く訴えかけるものがある。私も父親とよくキャッチボールをした子どもの頃を思い出して、胸が熱くなった。レイが実際には継げなかった捕手の位置に立ってキャッチボールを行っているのも象徴的である。最大の心残りを抱いていたのはレイであり、謎の声はレイの無意識から上がってきたものだったのである。序盤の展開の速さもこれで納得出来る。

シューレス・ジョーでもテレンス・マンでもアーチー・ムーンライト・グラハムでもなく、レイの心残りが今解消されていく。

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2021年8月28日 (土)

智辯学園&智辯和歌山+αについて語る由規投手(埼玉武蔵ヒートベアーズ) 「上田剛史チャンネル」より

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2021年4月27日 (火)

観劇感想精選(394) 井上芳雄主演「十二番目の天使」

2019年4月26日 西宮北口の兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて観劇

午後6時30分から、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで「十二番目の天使」を観る。原作:オグ・マンディーノ、翻訳:坂本貢一、台本:笹部博司、演出:鵜山仁。出演:井上芳雄、栗山千明、六角精児、木野花、辻萬長ほか。東宝と新潟市のりゅーとぴあの製作。

ビジネスマンとして活動しつつベストセラー作家にもなったオグ・マンディーノの同名小説の舞台化である。

ジョン・ハーディング(井上芳雄)は、三十代にして大手コンピューター会社の社長にまで上り詰めたエリート。子供の頃から地元の英雄視されており、大学で怪我をするまではメジャーリーグのスカウトからも注目されるほどの野球選手だった。

前途洋々に思えたジョンの人生だが、妻のサリー(栗山千明)と息子のリックを事故で喪ったことで希望を失い、社長の座を辞することを決める。辞任は認められず、4ヶ月の休職が決まったが、心は晴れず、拳銃自殺をしようとまで思い悩むが、幼馴染みのビル(六角精児。「俺たちは同級生だ。誰も信じてくれないけど」というセリフあり)から「リトルリーグの監督にならないか」と誘われる。

リトルリーグは1チーム12人の編成で行われる。ジョンが監督になったエンジェルスは4つのチームからなるリーグに所属しており、選手獲得はウェーバー制によって行われる。

4チームの監督がくじを引き、1を引いた監督が最初の選手を指名することが出来るが、2巡目は逆に1を引いた監督が4番目に指名することになり、1を引いたジョンは投打に長けたトッドを獲得するが、12巡目の最後まで残ったティモシーも引き取ることになる。リトルリーグのルールではベンチ入り12人全員が1試合に1度は出場しなければならず、1度は必ず打席に入り、6つのアウト分は守備につかねばならない。つまり上手い子だけ出すのは駄目で全員を戦力として育てる必要がある。
ティモシーは亡くなった息子のリックにそっくりだが、1年前までサッカー大国のドイツで暮らしていたということもあって走攻守全てで劣る存在。ただ前向きでひたむきで、「諦めるな諦めるな、絶対、絶対、絶対諦めるな」(ウィンストン・チャーチルのモットーとしても有名である)「日々なにもかもが良くなっている」を信条に懸命に練習に取り組んでいた。

 

オグ・マンディーノは自己啓発系の小説を書く人であり、いかにもそれらしい展開とセリフが鏤められている。小説の舞台化ということで内容を観客に知らせるためのナレーションが多く、余り演劇らしくないが、その手法を取らないと上演時間が恐ろしく長くなってしまうため、こうした端折り方も納得のいくものではある。

ストーリー自体はこれまで映画やドラマなどで何回も観たことのある類いのものであり、特にひねりもないため既視感を覚えるが、野球を主題にした作品ということで野球好きにとっては悪くない芝居である。

井上芳雄主演の舞台ということで、ラストに井上が歌う場面が用意されている。ほかのキャストも合唱で参加し、なかなか楽しい。

 

終演後、井上芳雄、栗山千明、六角精児によるアフタートークがある。「先ほどまで、皆さんお気づきだと思いますが、一番セリフの量が多かった私、井上芳雄が司会を務めるという光栄に浴しまして、愚痴を言ってるわけじゃないですよ」ということで井上芳雄を中心に話を進める。

六角精児は姫路生まれということで、客席に向かって「ただいま!」とやる。生後6年ほどは兵庫県内に住んでいたそうだ。井上芳雄が香川県生まれの福岡県育ちであり、今回は香川公演と福岡公演があったため、両方で「ただいま!」と言ったそうで、その影響を受けてのことらしい。井上芳雄は、「香川生まれということはむしろ隠して、福岡県出身としておいた方がメジャーなので」と冗談を言う。今回は、栗山千明の出身地である茨城県でも公演があったのだが、香川公演よりも先で、「私ごときがやっていいのか」と思っていたため、「ただいま」発言はしなかったそうである。
ちなみに香川県から福岡県に移動する際、大半の人は岡山まで出て新幹線で博多に向かったのだが、六角は地方列車に乗るのが好きということで、JR予讃線で松山に向かい、道後温泉で一泊。その後、八幡浜に向かい、船で臼杵に渡って大分経由の在来線で福岡入りしたそうである。

名古屋では井上がラストで歌うときのためのこめかみにつけるマイクが汗によって駄目になるというハプニングがあり、代わりとして普通のハンドマイクを渡されたそうだが、溶明時にいきなりマイクを持っているのは変だとの判断から腹の前まで下げてボールで隠しながら歌ったそうである。それでも案外ばれなかったそうだ。

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2021年4月12日 (月)

スタジアムにて(34) J1 京都サンガF.C.対ジェフユナイテッド千葉@西京極 2009.5.17

2009年5月17日 京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場にて

西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(西京極スタジアム)で行われるJ1、京都サンガF.C.対ジェフユナイテッド千葉の一戦を観に出かける。

が、その前に、今日は隣りの西京極球場(わかさスタジアム京都)で京都府春季高校野球大会の決勝戦があり、ストレートのMAX145キロを誇る福知山成美高校の好投手・長岡宏介が登場するというので、それをまず観ることにする。

福知山成美高校対京都両洋高校の一戦。小雨が断続的に降り続くという生憎の天気だったが、決勝戦、長岡の先発ということもあってか、西京極球場には思ったよりかなり多くの観衆が集っている。

福知山成美・長岡、京都両洋・釣井(ちょうい)両投手の好投で、引き締まったゲームとなる。だが、1-1で6回表を終えたところで雨足が激しくなり、試合は中断する。時間は午後1時20分。西京極スタジアムに向かうのに丁度良い時間だったということもあり、ここで私は球場を後にする。

試合はそのまま降雨のためノーゲーム、再試合となったようだ。

 

 

今日は西京極スタジアムのバックスタンドでの観戦。午後2時5分、京都サンガ対ジェフ千葉の試合がキックオフ。雨の降る中、序盤から京都が試合を優勢に運ぶ。

昨年はアキレス腱の断裂でシーズンを棒に振ったサンガのエースストライカー、パウリーニョが今年は元気に復帰。得意のスピードを生かした突破で今日もチャンスを作る。

前半、そのパウリーニョが先制点、更に2点目も決める。

 

後半に入ると、ジェフが押し気味となり、サンガサイドで試合を展開する時間が多くなる。後半20分、ジェフのエースストライカー巻誠一郎が、サンガゴールにボールを押し込み、2対1。

その後、サンガ、ジェフともに好機を作るがシュートは決まらず、そのまま2対1でサンガが逃げ切り、勝ち点3をものにする。 

 

雨のスポーツ観戦

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2021年3月18日 (木)

スタジアムにて(32) オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ オープン戦@京セラドーム大阪 2021.3.9

2021年3月9日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で、オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズのオープン戦を観戦。午後6時プレーボールで、京セラドームにはプレーボール直前に到着。昨年は、オープン戦の大半が新型コロナウイルス蔓延の影響で中止もしくは無観客試合となり、交流戦も開催されなかった。ということで、久々となる球場でのプロ野球観戦である。

京セラドーム大阪でも入場前の検温を受ける必要があるのだが、ゲートの前では手荷物検査もある関係で行うことが出来ず、いったん1階に降り(入場ゲートは2階にある)、搬入口のそばにあるバス乗降場に行ってサーモグラフィーによる検温を受ける必要があり、面倒である。京セラドーム大阪は、ジャアンツ戦とタイガース戦以外は不入りなので(コロナがない時でも観客動員は定員の半分に満たないはずである)、検温もすぐに終わったが、人気チームが主催試合を行う時は、かなりの密になるはずである。

 

スワローズの先発はスアレス、バファローズの先発は左腕の田嶋大樹。

スアレスはMAX154キロのストレートで押すが、コントロールが今ひとつで、初回は先頭の佐野に二塁打を打たれると、その後2者連続のフォアボールを与え、いきなり満塁のピンチ。4番の吉田はサードゴロでホーム封殺となるがゲッツーはならず。続くモヤのファーストゴロがゲッツー崩れとなる間に先制点を許した。
一方の田嶋は、ストレートのスピードガン表示こそ140キロ前半止まりだが、コントロールは抜群のようで、スワローズのバッターがコース一杯を見逃してストライクを取られる場面が目立つ。

1番ライト・坂口、2番レフト・青木、3番セカンド・山田、4番サード・村上というシーズンでもそのままの打順になりそうな打線ではあるが、オープン戦ということで村上以外は早い回で出番は終わり、若手が多く試される。バファローズもソフトバンクから自由契約となり、育成としてバファローズに入団した田城を出場させるなど、特に新人の力量を見る場となっていた。
スワローズは5番DHでホークスから来た内川聖一が先発出場。4回表には三遊間の中間を綺麗に抜けていくヒットを放った。

スワローズは、3回にショートの西浦がレフトスタンドへのソロホームランを放ち、同点に追いつく。通常は点が入ると「東京音頭」が歌われるのだが、今日は歌うことも楽器を演奏することも禁止されているため、無音の中を傘だけが舞っていた。
ライバルであった廣岡大志がジャイアンツにトレードで出されたことにより、ショートの単独レギュラーに近づいた西浦直亨。春先はいつも調子が良く、昨年も6月にずれ込んだが開幕当初は「覚醒」を感じさせる活躍を見せるも続かなかった。

 

スワローズは、T-岡田や吉田正尚といった左の強打者をランナーなしで迎えた場面で、サードの村上宗隆を一二塁間に移動させるという変則シフトを取る。王シフトに代表されるように、左の強打者を迎えた時にポジションを右寄りにするのは特に珍しいことではないが、その場合は、全ての内野手を打者から見て右寄りにするのが普通で、サードをサードではなくセカンドよりファースト寄りの位置に置くというシフトは珍しい。今日は三度行われたこの変則シフトであるが、残念ながら功を奏したことは一度もなく、T-岡田と吉田に安打を1本ずつ許す。
ダイヤモンドを何度も横切った村上であるが、バッティングでは4打数4三振、守備でもゴロは上手く捌いたが悪送球でピンチを生むなど、今日は良いところがなかった。

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投手陣も調整段階ということで、通常とは違う使い方が行われる。4回裏からは、今年もクローザーを務めることが予想される石山泰稚がマウンドに上がる。ストレートはまだ本来のキレには達していないようであった。

スワローズは5回裏に、ドラフト2位ルーキーの左腕、山野太一をマウンドに送る。野球の強豪、東北福祉大学で70イニングス連続無失点の記録を作り、22勝無敗の成績を上げている。
今日は山野のテストが最重要課題だったようで、3イニングスのロングリリーフとなる。
MAXは148キロを記録するが、スピードガン表示ほどには速く感じられなかったため、ホームベースに達する途中でスピードが落ちているのかも知れない。コントールは余り良くないようで、引っ掛けてワンバウンドになった球がいくつかあった。
フォアボール絡みで3回3失点と、出来としては今ひとつ。即戦力として獲ったはずだが、このままだと今年は通用しないかも知れない。

スワローズの今日の収穫は、昨年、最優秀中継ぎ投手に選ばれた清水昇。140キロ台半ばながら伸びの感じられるストレートで追い込み、ウイニングショットにフォークという投球パターンで8回を三者三振に打ち取り、スタンドからも拍手を受けていた。

7回、ヤクルトの攻撃前に、1塁側スタンドから拍手が起こる。メジャー帰りの平野佳寿がマウンドへと向かっていたのである。これが日本球界復帰初登板となるようだ。
若い頃は150キロを超えるスピードボールで押した平野。昨日37歳の誕生日を迎えたということもあり、スピードガン表示はMAX146キロに留まるが、球には今も勢いがある。

試合は4-1でバファローズの勝利。スワローズは主力は早めに下げたとはいえ、3本しか安打を放つことが出来ず、若手の層がまだまだ薄いことが感じられる。

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2021年3月 3日 (水)

野村克也が明かす「古田敦也とメガネ」の真相(『ヤクルトスワローズ論』より)

「よく知られていることだが、古田は捕手なのにメガネをかけているということで、ドラフトの指名に二の足を踏む球団が多かった。野茂英雄や石井丈裕などをリードして、ソウルオリンピックで銀メダルを獲ったアマ有数の捕手だったのに、メガネが引っかかってしまったのだ。
 世間では、私(引用者注:野村克也)もメガネを理由に古田の指名に反対した、などと言われている。それをスカウトが説得して二位で指名して入団にこぎつけた、といった話が広がっているようだ。しかし、これはとんでもない誤解、いや捏造だ。
 ガラスのレンズしかなかった昔ならいざ知らず、プラスチック製で割れにくいレンズが出たことで、メガネが支障になる心配はほとんどなかった。そもそも私自身がメガネを使っているのだから、そのことに気づかないはずがない。
 きっと、のちの名捕手・古田を獲得したことを手柄にしたい者がいて、そのダシに私が使われたのだろう。つまらない話である」

野村克也 『ヤクルトスワローズ論』(MdN新書)より

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2020年10月27日 (火)

スタジアムにて(29) 読売ジャイアンツ対東京ヤクルトスワローズ@大阪ドーム 2006.4.19

2006年4月19日 大阪ドーム(京セラドーム大阪)にて

京阪電車と大阪市営地下鉄を乗り継ぎ、大阪ドームで読売ジャイアンツ対東京ヤクルトスワローズ戦を観戦。もちろん3塁側(ヤクルトサイド)に座ったのだが、大阪ドームを埋める観客の9割近くはジャイアンツファンであり、ヤクルト応援団はレフト側の外野2階席の一部を占めるのみである。
一方、1階外野席と2階外野席のライト側、そしてレフト側の中間付近までは全てジャイアンツの応援団である。やはり人数が多いだけあって、声の迫力は耳を圧せんばかりである。特にチャンス時の声援は、ドームを揺るがすほどのパワーがある。

巨人軍の先発は尼崎出身の野間口貴彦。東京ヤクルトの先発は5年連続2けた勝利を狙う石川雅規。

野間口は初回から乱調。先頭打者の青木宣親にフォアボールを出す。真中満のヒットと岩村明憲の犠飛で三塁を陥れた青木は、ラミレスの犠牲フライで生還。ヤクルトが1点を先制する。

その後も、野間口は再び青木を歩かせると、完全にモーションを盗まれて二盗を許す。キャッチャー阿部慎之助が送球体勢に入った時にはすでに青木は二塁ベースに達していた。ヤクルトは続く二人が立て続けに犠牲フライを打って、ノーヒットで2点目を奪う。

原辰徳監督の采配にも疑問が残る。ピンチでヤクルトの8番バッター、キャッチャー米野智人を迎えた場面が二度あった。米野は打率1割台のバッターである。しかし、ここで原監督は2回とも米野との勝負を避けて敬遠のフォアボールを与え、続くピッチャー石川との対決を選んだ。
野間口はコントロールがどうしようもなかったので安全策としてわかるが、原監督は二番手の久保にも米野を歩かせるよう指示を出した。慎重といえば慎重だが、弱腰采配であることは否めない。ピッチャーにしてみれば全く信頼されてないことがわかってしまい、士気に影響が出る。結果、巨人は出るピッチャーがことごとく打ち込まれ、8失点。ピッチャー心理を読めなかった原監督のミスだろう。

東京ヤクルトの先発・石川雅規は、スピードはないがコントロールが冴え、徹底して低めを攻めて、ジャイアンツ打線を1点に抑える。
石川は7回まで投げ、8回からは木田優夫が古巣・巨人相手のマウンドに上がる。球に勢いがある。スピードガン計時もMAX148キロを記録したが、それ以上の球威を感じる。だが、かつての木田のストレートはこんなものではなかった。もう15年も前になるが、神宮球場でのヤクルト戦(当時、木田は巨人に在籍)でブルペンで投げる木田を見たことがあるが、彼の投げたボールは生き物のように勝手に飛んでいくように見えた。人間が投げたボールとは思えなかったほどだ。今日の木田のストレートもスピードガンでの表示は以前と余り変わらない。しかし投げる球の質が変わってしまったようだ。木田はワイルドピッチで1点を失う。しかし、スコアは8対2。8回裏が終わった時点で、観客はどんどん帰り始める。

スワローズ最後のピッチャーは快速右腕・五十嵐亮太。MAXは149キロを記録。しかし生で見ると、ボールに勢いを感じない。スピードはあるのだが、伸びがないのだろうか。高めに投げた釣り球をあっさりと弾き返されたのがその証拠である。普通ならあのコースにあれだけの速さのボールを投げ込まれたら絶対に空振りするはずなのだが。それでも五十嵐はなんとか0点に抑える。8対2で東京ヤクルトスワローズの完勝であった。

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