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2024年9月24日 (火)

スタジアムにて(45) セ・パ交流戦 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ@京セラドーム大阪 2015.6.11

2015年6月11日 京セラドーム大阪にて

今日も昨日と同様、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズのセ・パ交流戦を観戦。午後6時プレーボール。於・京セラドーム大阪。

予告先発投手は、バファローズがディクソン、スワローズが成瀬善久である。ディクソンは今季勝ち越しているが、FA移籍の目玉としてスワローズに移籍してきた成瀬は負け越しており、防御率も良くない。また一発病も改善されてはいない。

スターティングオーダーであるが、スワローズが昨日と変わらないのに対し、バファローズはかなり入れ替えている。昨日大活躍のT-岡田が何故かスタメン落ち。西野や伊藤も外される。単に成瀬との相性を考えた上でのメンバーチェンジなのだろうか。T-岡田も昨日あれだけ打ってスタメン落ちでは内心面白くないと思うが。なお、T-岡田がスタメンから外れたのは怪我などのためではなく、T-岡田は9回表の守備固めとしてレフトに入った。

T-岡田の代わりにファーストに入ったのは小谷野。西野の代わりに宮﨑。またセカンドに縞田が入り、安達がショートに回る。キャッチャーは山崎勝己。DHにはベテランの谷佳知が入る。


昨日は雄平の背番号41の入ったビジター用のレプリカユニフォームを着ていったが、今日は山田哲人の背番号23のホーム用のレプリカユニフォームを着ていく。たまたまだと思うが、昨日と完全に同じ席での観戦となる。


バファローズの先発、ディクソンであるが、長身から投げ下ろすストレートに球威があり、MAX148キロであるが、スワローズのバッターが押される場面も目立つ。ディクソンの縦に割れるボールが何なのかわからなかったのだが、後で調べたところ、ナックルカーブだそうである。

一方のスワローズの先発、成瀬は球速はなく、MAXでも133キロ。時には120キロ台のストレートも投げる。カーブは106キロ程度で、緩急の差はある。ただ、高めのストレートがホップするように見える。中島が頭の高さのボールに反応したり、カラバイヨが高めのストレートに釣られて三振したりしていたため、客席からだけではなく、打席からも伸びるように見えるのだと思われる。


初回、スワローズは先頭の山田が倒れた後で、上田が三塁線へのボテボテの当たりを打つ。バファローズのサード・中島は切れると思って打球を見つめていたが結局切れずに内野安打になる。続く川端の当たりも同じような三塁線へのボテボテの当たり。これまた切れずに、詰まったために連続内野安打という珍プレーとなる。これで勢いづきたいスワローズだったが、4番・雄平の当たりは予め右寄りに守っていたショート正面のゴロとなり、ショート・安達が自分で二塁ベースを踏んで一塁へ送球。ダブルプレーでチェンジとなった。

その裏、宮﨑が成瀬の高めの球を弾き返して出塁。安達の送りバントで一死二塁となったあとで、糸井の当たりはショート正面。スワローズのショート・今浪はサードを刺しに行くが、送球が宮﨑の背中に当たる。記録は今浪の悪性球となって一死三塁一塁。中島はフォアボールで歩き、小谷野との勝負になる。
小谷野の当たりはピッチャーゴロ。1-2-3のホームゲッツーでスワローズがピンチを切り抜ける。


3回裏、今季は当たっていない糸井がセンター前に抜けるヒットで出ると、4番・中島がレフトへ大きな当たりを飛ばす。ボールは左中間フェンスをわずかに越えるツーランアーチとなる。成瀬が今日も一発病を発症。バファローズが2点を先制する。


5回裏にスワローズは、今浪、中村の連続安打の後で、山田が詰まりながらも一二塁間を抜けるヒットを放ち、今浪が生還、スワローズが1点を返す。


だが、今日のバファローズの野手は守備が冴えており、セカンドの縞田、ショートの安達が本来は安打になるはずの打球に横っ飛びで追いついてアウトを取る。逆にスワローズは雄平が守備も本調子ではなく、脚が万全なら追いつくはずの当たりもヒットになってしまっていた。


昨日、弾丸ライナーのホームランを放った畠山は、今日も大きな当たりを飛ばすが、打ってすぐにわかるファール。畠山はその後も目にも止まらぬスピードの打球を放つが、プロ野球選手の動体視力は流石で、サード・中島が捕ってサードライナーとなる。


7回裏にバファローズは、縞田のヒット、山崎勝己の送りバントで一死二塁となる。一塁ランナーの縞田を牽制する意味で、ここまでは成瀬に任せて良かったのだが、続く宮﨑は右バッターなのでここでスワローズは右投手を送り込みべきだったように思う。成瀬は宮﨑にライト線へのタイムリーを打たれ、1-3とリードを2点に拡げられる。ここで成瀬はマウンドをロマンに譲る。

ロマンの投球は以前にも生で見たことがあるが、今日の席の位置からだと腕が良くしなるピッチャーであることがわかる。球速は148キロが最高であったが、バッターの位置からだとリリースポイントが見えにくいであろうことが想像出来る。


9回表、バファローズのマウンドには抑えの佐藤達也。MAX150キロのストレートでスワローズを三人で抑え、3-1でバファローズが勝利した。


今日は先発ピッチャーのボール球が二人とも少ないということもあり、ヒット数は両軍ともそれなりに多いのに昨日よりも1時間も早くゲームが終わった。

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スタジアムにて(44) セ・パ交流戦 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ 高知よさこいシリーズ@京セラドーム大阪 2015.6.10

2015年6月10日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で、セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの試合を観戦。三塁側の内野席で見たのだが、思ったよりもスワローズファンが多い。オリックス・バファローズと東京ヤクルトスワローズの試合はこれまでも京セラドーム大阪で見てきたのだが、いずれも三塁側までバファローズファンというのが常であった。ちなみに家族で来ていて、子供も含め両チームのファングッズを持ってどちらも応援という人もいた。そういうのもいい。

投手だけ予告先発で、バファローズは2年目の東明大貴(とうめい・だいき)、スワローズはホークスから去年移籍してきた新垣渚である。共に今シーズン挙げた勝ち星は1つだけで負け越している。

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今日は高知よさこいシリーズということで、「リョーマの休日」と書かれた高知家(高知県のキャッチフレーズ)の幟が立ち、高知県観光案内が入ったビニール袋を入り口で手渡された。また、ミス高知の岡林綾乃さんも来ており、岡林さんは始球式も務めた。「そういえばスワローズの90年代前半のエースだった岡林洋一もパラグアイ生まれの日系二世だったが、両親は高知県出身で、岡林本人も高校は高知商業だったな」と思い、後で調べてみると、「岡林」というのは高知県固有ではないが高知県ではかなり多い苗字だそうである(高知県だけ「多い苗字トップ10」に入っている。他の都道府県ではトップ500にすら入っていない)。
高知県のゆるキャラ、坂本龍馬くんも来ており、試合前と5回終了後のグラウンド整備の時間にバファローズのマスコットと並んでグラウンドを歩いた。

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先発ピッチャーであるが、新垣の方が調子が良い。ストレートは東明がMAX147キロ、新垣がMAX148キロで大差ないが、東明のストレートがリリースからキャッチャーミットに収まるまで同じ速度で進むように見えるのに対して、新垣のストレートは打者の手元で伸びがある。ストレートが途中から加速することは絶対にあり得ないので、初速と終速の差が少ないストレートなのであろう。


今日のヤクルトの先発ショートは今浪。「守備の人」というイメージの強い森岡がDHで入る。スワローズのセカンド・山田哲人とバファローズ・ファーストのTー岡田は大阪の履正社高校の先輩後輩である。


東明は立ち上がり、山田哲人に対して4球連続でスプリットを投げた後で146キロのストレートを投じるが、山田に詰まりながらもセンター前に運ばれる。2番・上田はサードゴロ。ゲッツーは免れてランナーが入れ替わり上田が一塁走者となる。その後、東明がバランスを崩してボールを上手くリリース出来ないという場面がある。ボークでランナー二塁。だが、東明はこの回は0に抑える。


2回表、スワローズは7番・森岡が右中間フェンス直撃のスリーベースヒットを放ち、チャンスを作ると、今浪は勝負を避けられるも、今年は打撃の調子が今一つの9番・中村がタイムリーヒットを放ち、ヤクルト先制、1-0。


新垣渚というとどうしても「ノーコン」「暴投」のイメージがあるが、今日はバファローズ打線の早打ちにも助けられ、球数も少ないまま快調なピッチングを続ける。

スワローズは4回表にも森岡のヒットと今浪のバント、山田へのフォアボール(キャッチャーは立ち上がらなかったがおそらく敬遠である)で二死一塁二塁とすると、上田がセンターに弾き返して追加点を挙げる。2-0。

4回裏、T-岡田がライト線に大きな当たり。軌道からファールだと思い、実際ファールであったが、思ったよりもライトポールに近い当たりであった。T-岡田のバットコントロールが良いのであろう。逆にバットコントロールが不調なのがヤクルトの4番打者・雄平で、バットスイングを見ていると、どうも自身が思っているスイングスピードと実際の速度に差があるように感じられた。


5回表、一死から畠山が痛烈な打球。スピードが速すぎてボールが見えなかったが、前で捌いたのはわかったのでレフトスタンドを見ると、ボールが弾丸ライナーで吸い込まれていくところであった。スワローズ追加点、3-0。


新垣はストレートとフォーク、カーブを軸にバファローズ打線を抑える。6回までに許した安打は中島の1本だけ。糸井に対してはスローカーブを投げ、スローカーブが全く頭になかった糸井がピクリとも動かずストライク。客席から笑い声が起こる。

しかし、7回表、中島が今日2本目のヒットを放ち、迎えるは前の打席で大飛球を飛ばしたT-岡田。岡田の痛烈な当たりが一塁コーチャーズボックスに向かって飛び、すんでのところで交わして横になったバファローズの佐竹コーチが立ち上がると客席から拍手が起こる。続く岡田の当たりは打った瞬間に入ったとわかる特大のもの。外野2階席中段に飛び込むビッグアーチであった。バファローズ追い上げ2-3。T-岡田はこれがプロ通算100号のメモリアルアーチとなった。新垣がTー岡田に2打席続けて大きな当たりを打たれたため、スワローズベンチはここから継投策に入る。2番手はサイドスローの秋吉。カラバイヨがフォアボールで歩いた後で、バファローズはこちらも「守備の人」のイメージのある原拓也を代打に送る。たが、原は期待に応えられず三振。二盗を試みたカラバイヨもタッチアウトとなり、三振ゲッツーでスワローズはピンチを切り抜ける。

バファローズは東明から岸田、塚原、マエストリという投手リレー。塚原とマエストリは共にMAX150キロを出した。

スワローズはセットアッパーのオンドルセクが8回を三者凡退に抑える。軸足である右脚に乗せた体重を左脚を踏み込むと同時に前に倒すように移動させるというピッチングフォーム。ストレートもMAX150キロを記録した。そして9回はクローザーのバーネットが登場。

バーネットは今日登板したピッチャーの中で最速となるMAX151キロを二度マークしたが、先頭打者の安達にライトオーバーの二塁打を許し、ピンチを招く。糸井はボテボテのキャッチャーゴロであったが、ランナーは進塁。一死三塁となる。内野ゴロでもランナー生還の可能性が高い場面である。ここで高津投手コーチがマウンドへ行き、内野手達もマウンドに集まる。
スワローズはゴロでは1点もやらないということで内野は超前進守備を敷く。外野は逆に深く守る。ヒットを外野手の前に打たれて同点は仕方ないが外野手オーバーの長打でサヨナラのランナーが得点圏に進むことは避けるという意味もある。

中島の当たりはサードへのゴロ。ヤクルトのサード・川端慎吾は三塁ランナーの動きを牽制してから一塁へ送球。二死三塁と変わる。

そして迎えるのは大砲のT-岡田。岡田はバーネットの球威に押され、ショートゴロ。予め右寄りに守っていた今浪がこれを捌いて、東京ヤクルトスワローズが、3-2で辛勝した。


ちなみに今日登板した投手の中でワインドアップで投げたのは0。アーム式のテイクバックの場合は球に勢いを付けるのに有効だったワインドアップであるが、肘から上げるスクラッチ式のテイクバックではワインドアップにするメリットはほぼないのでワインドアップするピッチャーはかなり減っている。

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2024年9月23日 (月)

ピッチャー青木宣親

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2024年9月13日 (金)

東京ヤクルトスワローズ 青木宣親選手引退会見

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2024年6月17日 (月)

スタジアムにて(43) 日本生命セ・パ交流戦2024 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ第1戦 奥川恭伸復帰登板 2024.6.14@京セラドーム大阪

2024年6月14日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で、日本生命セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの一戦を観戦。久しぶりの京セラドーム大阪であり、久しぶりの東京ヤクルトスワローズの試合観戦である。午後6時プレーボール。

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試合前には、山田哲人の母校である履正社高校の吹奏楽部とチアリーディング部によるパフォーマンスがある。履正社高校のチアリーディング部は意外に歴史が浅く、創部からまだ2年しか経っていないそうだ。

その山田哲人は今日は出場はなく、セカンドには武岡龍世が9番バッターとして入る。
今日のスワローズ打線は、相手投手が右腕のカスティーヨということもあるが、両外国人と捕手の松本直樹以外の6人が左バッターである。相手が右腕だからというだけでなく、主力に右投げ左打ちが多いということでもある。

今日のスワローズの先発は奥川恭伸。金沢・星陵高校時代に高校ナンバーワン投手と呼ばれ、甲子園では準優勝。ドラフト1位でスワローズに入団し、2年目には中10日前後という余裕を持たせた登板で規定投球回数未到達ながらチームトップタイの9勝を挙げて優勝と日本一に貢献し、ブレークしたが、翌年はコンディション不良で投球がままならず、オフには肘の故障によりトミー・ジョン手術を勧められるが、手術は避け、保存的療法を選択する。

4年目となる2023年は二軍では投げて、それなりに好投することもあったが成績自体はよくはなく、更に右足首の骨折により戦線離脱していた。

奥川が背負っていた背番号11は、ヤクルトスワローズの準エースナンバーであるが、歴代の背番号11の選手の中には、荒木大輔や由規(佐藤由規)といった、活躍はしたが長期離脱も経験した選手が複数含まれおり、また奥川も背番号変更を望んだため、験担ぎの意味も込めて背番号を18に変えている。12球団共通のエースナンバーであるとされる18(たまに野手がつけたりもするが)であるが、ヤクルトで成功した背番号18は伊東昭光と藤井秀悟が目立つ程度。特に藤井は背番号23の時の方が活躍している。先に背番号18をつけていた寺島成輝(てらしま・なるき)は、高校ナンバーワン左腕としてドラフト1位で履正社高校から入団しながらほとんど活躍できずにチームを去っており、その前の背番号18である杉浦稔大(すぎうら・としひろ)も即戦力右腕としてドラフト1位で國學院大學から入団したが、入団直後に右肘靱帯断裂の故障が判明し、その後も不振のままトレードで北海道日本ハムファイターズに移っている。ということでスワローズに関しては18も余り良い番号ではない。

奥川は、今年の1月1日に、帰省していた石川県かほく市の実家で令和6年能登半島地震に遭遇。隣町の親戚宅に避難している。


今日の京セラドーム大阪はブラザーDAYとして、バファローズ高校という架空の高校が設定され、甲子園球場での高校野球でアナウンスをしていた女性(ウグイス嬢とはもういわないのかな?)が招かれて、バファローズの選手は高校野球同様に「君」付けでアナウンスされ、出身高校が呼ばれる。大卒や社会人経由の選手もそれらの経歴には触れられず、高校のみである。甲子園の常連校出身者もいれば、甲子園には縁がないが地方では強豪の高校を出た選手、そして全くの無名校出身の選手もいる。出身高校の知名度とプロでの実績が必ずしも一致しているわけではない。オーロラビジョンには選手の高校時代の写真が映る。甲子園に出ている選手は甲子園での写真が選ばれているが、そうでない選手は地方大会や練習試合での写真。それもない場合は卒業アルバムの写真が用いられる。

オリックス・バファローズの先発はドミニカ出身のカスティーヨ君。外国人の選手であっても出身高校名(リセオ・パドレ・ファンティノ高校)はコールされる。MAX152キロを記録するが、球が走っているという感じはなく、本人も自覚があるのか、ストレートは見せ球に使って、スライダーなどの変化球で勝負する。今日の京セラドーム大阪のスピードガンは、全体的に跳ね気味で、実際よりも2~3キロほど速く計時されているような印象を受けた。

スワローズは先頭打者の西川遥輝がファーストゴロを放つが、カバーに入ったカスティーヨがボールを後逸。いきなりのエラーでトップバッターが出塁する。2番の丸山和郁が送りバントを決め、一死二塁。長岡秀樹は凡退するが、4番の村上宗隆がセンター前に抜ける当たりを放ち、西川が生還して、スワローズが先制点を奪う。


奥川恭伸は、ストレートのMAXは151キロ。球速よりも打者の手元での伸びが感じられるストレートで、押されてファールになったり、いい当たりでも途中で失速して野手が追いつくという場面が見られる。
ただ奥川もストレート主体というよりは、スライダー、カット、フォークなどを織り交ぜて打たせるピッチングである。

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ちなみにオリックスの1番バッターは、廣岡大志君(智弁学園出身)。スワローズ時代は大型ショートとして将来を期待されたが田口麗斗とのトレードでジャイアンツに移籍。ジャイアンツでもそこそこの活躍で今度はバファローズに移り、内野手登録ながら今日はセンターでの出場である。打率は1割台半ばで、このままだとレギュラー定着は難しい。

今日のスワローズは、青木宣親を7番レフトで先発起用するが、3打数ノーヒットでベンチに引っ込んだ。これで打率は2割を下回り、青木も年には勝てないようである。

3回表、ヤクルトは先頭の9番セカンド・武岡龍世がヒットで出塁。西川は三振に倒れるも、丸山和郁がヒットで繋いで一塁三塁。長岡のセカンドゴロの間に武岡が帰って追加点を奪う。村上は四球。続くサンタナの当たりはライトへの大飛球。ライトが追いついたかに見えたが捕れず、更に2点が加わった。4-0。

4回裏にオリックスはラオウこと杉本裕太郎君(徳島商業出身)の左中間への一発が飛び出して1点を返す。VTR映像が出たが、ど真ん中へのストレートであった。
奥川は5回を投げて被安打7、奪三振3と上出来とはいえないピッチングであったが、四死球はなく、失点1に抑えて、勝利投手の権利を得たままマウンドを降りる。


5回裏、ヤクルトは一死一塁三塁のチャンスを作り、オスナはライトへの浅いフライ。サードランナーの村上はタッチアップで本塁を狙うが、バファローズのライト・来田涼斗君(きた・りょうと。明石商業出身)のバックホームが速い上にコントロールが良く、キャッチャーはノーバウンドキャッチで楽々アウトとした。好返球にスタンドが沸く。

スワローズの2番手は大西広樹だったが、大西も150キロ台を連発。やはりスピードガン表示がいつもより速いようである。

スワローズの3番手は、今年はケースによってはクローザーも務めた石山泰稚。石山も最近には珍しく151キロをマークするが、ヒットを許して暴投と乱調。代打の森友哉君(大阪桐蔭出身)にライトへのツーベースを打たれて1点を与える。その後ツーアウトまで漕ぎ着けるが、太田椋君(天理高校出身)にレフトへのタイムリーツーベースを打たれて、1点差。伊藤智仁ピッチングコーチが現れて、石山はここで降板となった。左の西川龍馬君(敦賀気比高校出身)がバッターボックスということで、ヤクルトも左腕の山本大貴をマウンドに送る。勝負は山本が勝った。

8回表、オリックスのマウンドには2番手の富山凌雅君(とみやま・りょうが。九州国際大付属高校出身)。戦力外、育成契約を経て支配下登録に戻った左腕である。富山はそれほど球の速いピッチャーではないが、先頭の丸山和郁の頭に当ててしまう。一時は担架も運ばれたが、丸山は立ち上がり、一塁まで歩いたところで代走を送られた。セ・リーグだとバッターの頭に当てると問答無用でピッチャー一発退場だが、交流戦ということで富山の続投が許される。ヤクルトはチャンスを作るが二者連続三振で点は奪えなかった。

8回裏。ヤクルトは清水昇ではなく、木澤尚文をマウンドに送る。木澤も登板過多の傾向にあり、以前ほどの安定感はない。木澤はMAX153キロのツーシームを投げるが、オリックス打線も負けず、一死満塁とする。しかしここで木澤は踏ん張り、二者連続三振を奪って点を許さなかった。

9回表に、バファローズは中日ドラゴンズから現役ドラフトで移った鈴木博志君(磐田東高校出身)をマウンドに送る。
先頭のオスナがスワローズファンの待つ左中間スタンドへのアーチを架ける。5-3。

2点リードで迎えた9回裏。スワローズはクローザーの田口麗斗をマウンドに送る。故障が癒えたばかりの田口。球速は戻っておらず、MAXは144キロに留まったが、3人で抑え、5-3で東京ヤクルトスワローズがオリックス・バファローズとの交流戦第1戦を制した。

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ヒーローインタビューは、980日ぶりの一軍勝利を挙げた奥川恭伸が受ける。奥川は感極まって男泣き。スタンドから拍手と「奥川」コールが奥川を励ました。

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2022年10月31日 (月)

スタジアムにて(42) 日本シリーズ2022 第3戦 オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ@京セラドーム大阪

2022年10月25日 京セラドーム大阪にて

京セラドーム大阪で行われる、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの日本シリーズ第3戦を観戦する。なんとかかんとか手に入れたチケットは、外野寄りの内野三塁側最上段の最後列であった。

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初めてプロ野球の試合を生で見たのは、1990年の4月末か5月上旬。いずれにせよゴールデンウィークのことだったはずである。その時座った神宮球場の席から見たグラウンドもちょうどこんな感じだったことを思い出して懐かしくなる。その時の試合は、ヤクルトスワローズ対東京読売ジャイアンツの一戦。スワローズの先発は加藤博人、ジャイアンツの先発は宮本和知で、川相昌弘のレフトへのホームランでジャイアンツが勝っている。

思い出はともかくとして今日の試合。スワローズの先発は龍谷大平安高校出身で左のエース的存在に成長した高橋奎二。バファローズの先発も左のエースというべき宮城大弥。

スワローズは、日本シリーズ第1戦第2戦と当たりが出ていない山田哲人を1番に起用。それまでの2試合でトップバッターを務めていた塩見泰隆が入れ替わるように3番に入る。2番ライトには宮本丈、8番レフトには今日はキブレハンが入る。サンタナはDHで7番に入った。

今シーズン終盤には調整に入って登板がほとんどなかった高橋奎二だが、今日もMAXは150キロを記録するなど球威があり、バファローズ打線を打ち取っていく。

宮城大弥は、MAX149キロだが、ストレートの多くは140キロ台前半。しかし、100キロちょっと、一番遅い時は96キロを記録したスローカーブが効果的であり、こちらもスワローズ打線を交わし続ける。

5回表、センターの中村悠平、続くサンタナの連続ヒットでチャンスを作る。その後、ツーアウトとなるが、今日は1番に入った山田哲人がレフトへの大飛球を放つ。
京セラドーム大阪の外野とその近くの内野席の上部席には欠陥があり、打球がスタンドインしたかどうか分からないのである。そのため、選手達の動きや審判のゼスチャーを見る必要があるのだが、それらから「どうやらホームランになったようだ」と分かり、スワローズファンが盛り上がる。

7回表。先頭の丸山和郁がセーフティバンドを決め、長岡秀樹は倒れるが山田哲人はフォアボールで、先に盗塁を決めていた丸山と共に二塁一塁となる。その後、宮本は倒れるも、塩見泰隆が今日2つめとなるデッドボールを受けて二死満塁となる。対するバッターは村上宗隆。バファローズのピッチャーは3番手の竹安。竹安のストレートは150キロを記録するが、コントロールがまとまらず、村上に押し出しのフォアボールを与えて、4-0とスワローズがリードを拡げる。

スワローズは9回表にも村上宗隆の2点タイムリーツーベースとオスナのタイムリーで7-0と点差を拡げる。

最後まで見たかったのだが、10時を回ってしまうと京都に帰れない可能性が出てしまうため、9回表の攻撃を見終えた時点で席を立つことにする。日本シリーズは午後6時30分過ぎのプレーボールである。午後6時プレーボールだと良かったのだが。

9回裏には久保と小澤が登板し、1点を失ったがそれだけに抑え、7-1で東京ヤクルトスワローズが勝利して通算成績を2勝1分けとした。

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2022年6月12日 (日)

スタジアムにて(38) セ・パ交流戦2022 オリック・バファローズ対東京ヤクルトスワローズ第3戦 2022.6.9

2022年6月9日 京セラドーム大阪にて観戦

京セラドーム大阪で、セ・パ交流戦、オリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの試合を観戦。午後6時プレーボール。

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ちなみに、球審を務めるのは白井一行で、「球審・白井」のコールがあった時にスタンドから笑い声が起こった。白井一行は今年、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が判定に不満そうな態度を取ったときに、激昂してマウンドまで詰め寄るという場面が話題になっている。

スワローズの先発は、現役最多勝利投手である石川雅規。バファローズの先発は、増井浩俊。

スワローズは、一軍に昇格したばかりの坂口智隆が6番レフトで先発出場する。

今年で38歳になるベテランの増井であるが、MAX151キロを計時するなど、まだまだストレートで押せる。
だが、先制したのはヤクルト。2回に先頭の村上宗隆にヒットを打たれる。しかし、村上は二盗を試みてアウトとなった。今日はスワローズは4回盗塁を試みたが、バファローズの捕手・伏見虎威の強肩の前に、そのうち3度は失敗に終わった。
二死走者なしとなるが、坂口がフォアボールで出ると、今日先発マスクの内山壮真がフェンス直撃のツーベースを放ち、坂口が長駆ホームインで1点を先制する。続く奥村展征の時に増井の暴投で内山がサードに進む。奥村の当たりはセンターに抜け、スワローズが2点目を奪った。

スワローズが得点すると、ファンは「東京音頭」に合わせて傘を振るのが恒例だが、今回はまだコロナ禍が続いているということで、吹奏楽器も歌声も禁止であるため、大太鼓のリズムに合わせて傘が振られた。今日はスワローズファンもかなり多い。

42歳となった石川のストレートはMAX136キロ。プロの投手としては速くないが、実はここ10年ほど、1試合のMAXは135キロから137キロで安定しており、少なくともストレートの初速に関しては衰えが見られない。4回に伏見のライト前に落ちるタイムリーヒットを許すが、5回を投げてこの1点のみに抑える。

スワローズの継投は、2年目でブレイク中の木澤尚文、今日はMAX153キロを記録した石山泰稚(2アウトを取ったところでピンチを招き、降板)、左の宗佑磨に対するワンポイント登板となった田口麗斗、コールと繋ぎ、今日はマクガフではなく今野龍太が9回のマウンドに上がって、セーブを挙げた。今野はこれがプロ初セーブである。今野もMAX151キロとストレートが冴えた。

バファローズの継投も左の山田修義(のぶよし)、京セラドーム大阪のすぐそばで生まれ育った阿部翔太、K-鈴木(千葉県鎌ケ谷市出身で、千葉市にある千葉明徳高校を経て、千葉県勝浦市にある国際武道大学を卒業)と充実した投球を見せる。スワローズもチャンスは作るが得点は出来なかった。

試合は、2-1で東京ヤクルトスワローズが勝利。交流戦首位を守った。
勝利投手となった石川雅規はこれがプロ180勝目。また交流戦通算27勝目となり、交流戦通算勝利数単独首位となった。

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2022年2月11日 (金)

これまでに観た映画より(279) イ・ジュヨン主演「野球少女」

2022年2月7日

録画してまだ観ていなかった韓国映画「野球少女」を観る。2019年製作の作品。監督:チェ・ユンテ。出演:イ・ジュヨン、イ・ジュニョク、ヨム・ヘラン、ソン・ヨンギョ、クァク・ドンヨン、チェ・ヘウンほか。

創部間もない高校野球部で男子に混じって女子ピッチャーとして活躍し、「天才野球少女」としてマスコミにも取り上げられたチュ・スイン(イ・ジュヨン)が主人公である。高校の野球部には基本的には女子は入部出来ないのだが、スインは実力で認めさせてきた。高校の野球部に入れないと思っていた時期を思い出し、「自分の未来は自分ですら分からないのに、他人が自分の未来を分かるはずがない」と語る場面がある。

女性ピッチャーを主人公にした場合、男子よりも速い快速球を放れたり、魔球を操れたり、アンダースローの変則技巧派だったりすることが多いのだが、この作品の主人公であるチュ・スインはオーバースローから130キロ台前半のストレートを投げるという、かなりリアルな設定となっている。モデルになった女子野球選手がいるようだ。

映画はまず字幕で始まる。韓国プロ野球発足時には、医学的に男子でない者は不適格選手として入団を禁じるという規約があったが、この決まりは1996年に撤廃された。だが、今に至るまで、男子に混じってプロ野球で活躍した女子選手は出ていない。NPBも同時期に女子の加入を許可しており、ブルーウェーブ時代のオリックスの入団テストを女性2人が受けたことがあったが、合格には至らなかった。

高校の野球部の面々がドラフトの結果を待っている。女子としては超高校級とされたチュ・スインも朗報を待っていたが、結局指名されたのはスインの幼なじみであるイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)一人だけだった。
高校の日本語教師であるキム先生(韓国の高校には英語の他に第二外国語の授業があり、日本語が一番人気である)が女子野球経験者だったことから、女子のアマチュア野球に進むことを勧められたり、ハンドボールの選手への転向を示唆されたりするが、スインはどうしても韓国プロ野球に進みたい。そこでトライアウトに参加しようとするが、女子という理由で断られてしまう。

新しく高校野球部のコーチに就任したチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)は、「力が劣る」「150キロのストレートを投げられない」と諦めさせようとするが、スインは、「なら150キロの球を投げてやる」とムキになって投球練習を続ける。このままでは故障してしまうということで、ジンテは「速球ではなく、自身の長所を生かしたピッチングスタイルに取り組むよう」に説得する。

スインは、学業面では劣等生。試験も真面目に受ける気はない。ということで、大学に進むという道は端から考えていない(おそらく大学の野球部に女子は入部出来ないのだと思われる)。だが、スインの父親というのが甲斐性なしであり、宅建の試験を受け続けているが、いつまで経っても合格出来ないでいる。
そうしたこともあり、母親はスインに野球を諦めて就職して貰いたいと考えていた。

スインのストレートはスピードこそ男子に劣るが、回転が良く、浮き上がるような軌道を持つ(なぜかジャイロ回転している場面もあるが)。そこで真逆の無回転ナックルを投げることでピッチングに幅を持たせようとジンテは考えていた。最初はストレートでの真っ向勝負にこだわっていたスインであるが、「速い球ではなく、打たれないのが良い球だ」というジンテの助言を受け容れ、ナックルボーラーに向けての特訓を繰り返す。

仁川を本拠地とする韓国プロ野球・SKワイバーンズ(現・SSGランダーズ)のトライアウトを受けることを許されたスインは、同じくトライアウトを受けに来た選手達と対戦。球速が出ていないというので舐めてかかってきた男子選手を打ち取っていく。遂にはワイバーンズの選手とも対戦することになったのだが……。

野球映画というと、前述のようにどうしても劇画タッチになりがちなのだが、その国のアマチュアトップ野球選手にいそうなキャラクターを設定することで、リアリティを生むと同時にヒロインに肩入れしやすい構造を生んでいる。女子としては凄いが男子の野球選手に比べると劣るという歯がゆい設定が、ヒロインの背中を押したくなるような心情に観る者を誘っていくのである。

これはスインの映画であるが、同時にコーチのジンテの物語でもある。ジンテは長年に渡って独立リーグでプレーし、韓国プロ野球入りを目指していたが、夢が叶わぬまま四十路を迎えてしまった。そして高校の野球部のコーチになるのだが、その直前に妻とも離婚している。夢も家庭も失ったが、独立リーグ時代にコーチ業ではないが、後輩の選手に指導することで選手の力量を上げたという実績があった。それがスインの指導にも生きたのだ。
野球のみでなく、社会へと旅立つ青春の時代もきちんと描いた映画であるが、やはりスインとジンテの二人三脚での成長を楽しむべき映画であるように思う。野球映画好きは必見である。

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2021年9月11日 (土)

これまでに観た映画より(268) 「フィールド・オブ・ドリームス」

2021年9月6日

録画してまだ観ていなかったアメリカ映画「フィールド・オブ・ドリームス」を観る。ケヴィン・コスナー主演作。監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン。原作:ウィリアム・パトリック・キンセラ(『シューレス・ジョー』)。出演は、ケヴィン・コスナーの他に、エイミー・マディガン、レイ・リオッタ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、バート・ランカスター等。音楽:ジェームズ・ホーナー。

なお、「フィールド・オブ・ドリームス」を初めて観たのは、映画館でもテレビでもなく、高校2年の時(1991年)に学校の体育館で行われた映画鑑賞会においてであった。

1919年のワールドシリーズで起こった「ブラックソックス事件」(シカゴ・ホワイトソックスの選手8人が八百長を行ったとして永久追放になった事件)に題材を取った映画の一つである。ブラックソックス事件を扱った映画としては、「エイトメン・アウト」も有名であるが、私は「エイトメン・アウト」はまだ観たことがない。

ブラックソックス事件で永久追放となった選手の中には、「シューレス・ジョー」というニックネームで知られた人気選手、ジョー・ジャクソンがいた。実際には8人全員が起訴されたが証拠不十分で無罪となっており、シューレス・ジョー・ジャクソンもワールドシリーズで打率3割7分5厘でノーエラー、本塁打も放っているため、この映画では全くの濡れ衣ということになっている(真相は今も不明である)。

そんなメジャーリーグベースボールに未練を残したまま去らざるを得なかったエイトメンが、アイオワのトウモロコシ畑の中にレイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)が築いたベースボール・フィールドに現れるというファンタジーである。

ベースボール(野球)が盛んなアメリカ。野球を題材にした映画には、「フィールド・オブ・ドリームス」の他に、同じくケヴィン・コスナー主演の「さよならゲーム」、今は名称が変わったクリーヴランド・インディアンスの話である「メジャーリーグ」シリーズ、実話を基にした「オールド・ルーキー」、ロバート・レッドフォード主演の「ナチュラル」といった傑作がある。ただ「フィールド・オブ・ドリームス」は主人公がベースボールプレーヤーではないという点が他の野球映画と異なっている。

レイ・キンセラは、ニューヨーク・ヤンキース傘下のマイナーリーグで捕手をしていたジョン・キンセラの息子で、ジョンはレイにメジャーリーガーになる夢を託していたのだが、レイはジョンに反発。ヤンキースびいきのジョンとは異なり、当時まだブルックリンに本拠地を置いていたドジャースのファンになったことに始まって、10歳で野球を嫌いになり、14歳以降は父親とのキャッチボールすら断るようになる。そして17歳でニューヨークの家を出て、名門カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で学び、そこで出会ったアニー(エイミー・マディガン)と結婚し、アイオワ州にトウモロコシ農園を買って移り住んだ。二人の間には一人娘のカレンがいる。レイはその間、父親と会うことも話すこともなく、葬儀の時に戻っただけだった。

ある日、レイは、トウモロコシ畑の中で、「造れば彼はやって来る」という声を聞く。何者の声なのかは不明なのだが、レイはトウモロコシ畑の中に野球場と照明灯が輝くという幻影を見る。レイはアニーを説得して、トウモロコシ畑の中に照明灯付きの野球場を造る。自分でも十分に理解出来ていないままの行動であり、また観客からも「展開が速すぎるのではないか」と疑問を抱かれそうなところだが、これはラストに繋がっている。

ある夜、トウモロコシ畑の中の野球場にシカゴ・ホワイトソックスの往年のユニフォームを着た左投げ右打ちの男、ジョー・ジャクソンが現れる(実際のジョー・ジャクソンは、右投げ左打ちである)。

ほどなく、レイに第二のメッセージが告げられる。「彼の傷を癒やせ」というものだが、レイには「彼」の心当たりがない。そんな中、小学校のPTA集会に出たレイは、「処分すべき書籍」の作者と槍玉に挙げられていたテレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ。モデルはJ・D・サリンジャーである)こそが彼ではないかと思い当たる。ピューリッツァー賞を取ったこともあるテレンス・マンであるが、今は作家活動から離れ、ボストンの小さなマンションで暮らしている。レイとアニーは、ボストンのフェンウェイパークでテレンスと語り合うという共通の夢を見ており、レイはボストンに単身、車で向かう。なんとかテレンス・マンを説得して、フェンウェイパークでの試合を一緒に見に行くことになったレイは、第三のメッセージを耳にする。「最後までやり遂げろ」。そしてスコアボードには、アーチー・ムーンライト・グラハムという無名選手の名前と映像が浮かんだ。実はテレンスも声と映像に気づいており、二人でグラハムの故郷で引退後に過ごしていたというミネソタ州に向かう。


心残りのある人々が登場する。突然、メジャーリーグを追われることになったシューレス・ジョー・ジャクソンら8人のシカゴ・ホワイトソックスの選手、ドジャースの選手になりたいという夢を語り続けてきたが、実現することはなく、作家としても隠遁生活に入っていたテレンス・マン。メジャーリーガーで打席に立ちたいという夢を持ち、マイナーからメジャーに上がるも1イニングライトの守備固めとして入っただけでマイナー落ちが決まり、マイナー行きを嫌がって野球を辞め、学校に戻って医師となったアーチー・グラハムなどだが、最大の心残りを抱えていたのはレイである。野球選手になることを望む父親への反発からキャッチボールもしなくなってしまったレイ。父親には妻のアニーも娘のカレンも紹介出来ぬままに終わった。そんな果たせぬ思いが、多くの心残りある人々を引きつけていたのである。

ラストシーンで父親であるジョン・キンセラと出会い、父とキャッチボールを行う「和解」にも似たノスタルジックなシーンは、アメリカのみならず日本など野球文化圏の人々の心に強く訴えかけるものがある。私も父親とよくキャッチボールをした子どもの頃を思い出して、胸が熱くなった。レイが実際には継げなかった捕手の位置に立ってキャッチボールを行っているのも象徴的である。最大の心残りを抱いていたのはレイであり、謎の声はレイの無意識から上がってきたものだったのである。序盤の展開の速さもこれで納得出来る。

シューレス・ジョーでもテレンス・マンでもアーチー・ムーンライト・グラハムでもなく、レイの心残りが今解消されていく。

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2021年8月28日 (土)

智辯学園&智辯和歌山+αについて語る由規投手(埼玉武蔵ヒートベアーズ) 「上田剛史チャンネル」より

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