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2026年3月28日 (土)

「科捜研の女」Season4概要

「科捜研の女」Season4 File.1。本来は、「科捜研の女」は、Season3で一区切りだったと思われるのだが、半年後にSeason4がスタートすることになった。科警研に辞表を出し、榊マリコ(沢口靖子)が京都府警科捜研に戻ってくる。科警研は日本における科学捜査の最高峰であるが、それであるが故にドラマが作りにくい。千葉県柏市だと東京などを含めてもロケ地としての魅力に欠けるということで、沢口靖子で続編を作るなら京都での「科捜研の女」であろう。元々、京都を舞台としたサスペンス&ミステリーの枠である。
科警研を辞めて京都府警科捜研に戻ることは現実にはあり得ないのかも知れないが、これは現実の話ではない。
2002年の放送。私が京都に移ってから初めての「科捜研の女」である。

東京から京都へ。榊マリコは、新幹線ではなく京阪高速バスで向かっている。京都から柏の科警研へは新幹線を使ったはずだが、なぜ今回は高速バスなのかはよく分からない。だが、この高速バスの中で殺人事件が起こり、バスは平安神宮の近くで停車し、捜査を行うことになるが、マリコが勝手に科学捜査を始めてしまう。
今は平安神宮の応天門の前、冷泉(れいせん)通から二条通の間は歩道となっており、岡崎公園が一体感を出しているが、以前は冷泉通から二条通まで応天門の前から大鳥居に向かって南北に走る車道(名前は神宮道で変わらず)があり、岡崎公園は東西に分けられていた。このドラマの映像でも、南北に走る応天門前の神宮道が映っている。

バスという狭い空間での殺人は、すぐに犯行がバレるため、通常は行われない。

さて、葛山信吾が演じていた上原刑事が久美浜署に異動になり、後任の新山は、「人相悪いな」と思ってよく見たら榊英雄だった。マリコとは榊繋がりだが、後に映画監督として強姦・準強姦容疑などで逮捕される人物である。丁度今日(2026年3月6日)判決が下り、懲役8年の実刑が言い渡されたようだ。「人は見た目によらぬもの」というが、この人は一目見て避けた方が賢明と判断すべきである。

バスに乗り合わせた容疑者役として、徳井優、宇梶剛士、本田博太郎らが乗っている。本田博太郎はプロのスリ師役である。ちなみにマリコは、引っ越しはサカイ引越センターを使っているが、だから徳井優が出演というわけでもないだろう。すでに売れている俳優であった。徳井優は売れる前は色々な仕事を受けており、ホテル備え付けの有料エロビデオにも出演していた。人気作だったのか大規模チェーンのホテルだったのか、複数の友人から「お前が出てきてどうすんねん?!」と言われたそうである。

京都の名所としては、鴨川沿い、みそそぎ川上の川床(ゆか)などが映っている。


「科捜研の女」Season4 File.2。中山忍登場。目が少し姉に似ている他は、見た目にさほど共通点はないが、声と言い回しが似ている。中山美穂がややきつめの顔であったのに対して、中山忍は柔和な表情であるためか、中山美穂は生前、ことあるごとに「妹の方がずっと美人」と口にしていた。

嵯峨嵐山の旅館で執筆を行っていた小説家の藤尾が殺害され、担当編集者の高須洋子(中山忍)が、その旅館の門から飛び出してきたところを車に轢かれて、二条院大学病院(同志社女子大学京田辺キャンパス友和館でロケが行われている)に入院する。洋子は旅館にいた時の前後の記憶だけが飛んでいたが、マリコは局限性健忘と断定、記憶はなくなっても意識下では残っているとして、脳指紋検査P300を使い、黒井千佳巡査(小林千晴。小林稔侍の娘である)をJR嵯峨嵐山駅に向かわせ、犯行現場までの映像を送らせる。結果としては洋子は、犯行現場と凶器に反応を見せたのだが、マリコは「目撃者の可能性もある」と犯人かどうかの決断は下さない。映像には桂川など風光明媚な場所も映っており、視聴者へのサービスとなっている。
洋子は、退院するが、「自分が犯人かも知れない」という心の動揺から、風呂場で自殺未遂を起こしてしまう。なんでよりによって風呂場なんだ。
再び二条院大学病院に入院した洋子に、マリコは再度の脳指紋検査を受けさせようとするが洋子は拒否。そこでマリコは前回の脳指紋検査からヒントになるものがないか徹夜で目を通し続ける。
脳指紋検査は実際に存在するようである。
藤尾の書いた小説の内容が、「沙粧妙子最後の事件」に出てくる梶浦(升毅)を連想させるが、多分、偶然であると思われる。ただ、沙粧妙子(浅野温子)は京都大学卒という設定であるため、京都という共通点はある。

Season4 File.3。洋館に若い男女が忍び込み、肝試しをする。というのは本編の導入部ではなく、テレビ局が事前に収録した映像という設定であった、WESTTVという民放が制作する生放送の心霊番組に、マリコは「幽霊不在派」の論客として出演するのだが、入りが遅れる。メイクの時間がないので、エレベーターの中で化粧をしようとして、人が降りるときにワイシャツを汚してしまう。プロデューサーの星野智里(星遙子。現・星よう子)の機転でスカーフを巻いて貰って汚れを隠し、本番スタート。MCは昔懐かしい北野誠。本人役での出演である。視聴率25%を狙える番組だそうで、15%で御の字という今とは状況が異なる。マリコは相変わらず空気が読めない言動だが、ロケ先である京都市中京区の旧領事館で異変が起こる。旧領事館の内部をレポートしていた城戸章吾が幽霊のような影を目撃。脇の部屋に飛び込んだのだが、老朽化した床が抜け落ち、転落してそのまま死亡した。
マリコは収録を抜け出して現場に向かう。
大きなテレビ局は東京と大阪に集中しているので、大阪のテレビ局かと思ったら、京都の局であった。まあ大阪からの放送だったら京都の現場に駆けつけられないので、芝居の嘘、もしくは現実とは違う世界である。

千佳は、「ワイルドで、その辺にいる優しいだけの男とは違う」と新山に惚れるが、悪いことは言わない、優しいだけの男にしておけ、そいつ実刑8年食らうぞ。

旧領事館の外観は、浜大津にある旧大津公会堂(収録・放送当時の名称は、大津市社会教育会館)が用いられている。1933年の竣工で、丸窓がアールヌーヴォーの影響を受けており、三条御幸町の1928ビル(旧毎日新聞社京都支局)に外観が似ている。
幽霊と思われた影の正体は、ブロッケンの怪物(ブロッケン現象)だとすぐに分かったのだが、城戸の死が事故なのかどうか謎が残る。
マリコはたまたま蓄光テープを発見。蓄光テープ(略称:蓄光)は、演劇の溶暗もしくは暗転の際に、俳優に進路などが見えるように床に貼る物で、溶暗や暗転のある舞台では必ず用いられる。
智里は、床が抜ける場所を知っており、城戸に安全のために貼らせた蓄光をその後にずらして城戸に腐った床を踏ませて下の階に転落するよう仕向けたのだった。
智里はWESTTVの編成局長と結婚して一児を設けたが、元アイドルで今はレポーターの城戸が何度も復縁を迫っており、殺害を決めたのだった。
トリックとしては今ひとつであるが、女性がマスコミを始めとする男性優位の社会で働くことの厳しさを訴える回でもあった。女性というだけで意見が通らない。同じ企画を男性が提案すると成功する。
マスコミに入ると女は女を捨てなければいけないという状況は今も変わっていないようだが、改善はされているようである。マスコミに多いパワハラもしくは体育会系体質は女性スタッフに対しては緩くなっていると聞く。1ヶ月家に帰れないなんてことはなくなったようである。


「科捜研の女」Season4 File.4。
北山。カップルがキノコ狩りをしている。しかし、女性の方が硬い何かを感じ、引っ張り上げると髑髏であった。結局、全身白骨化した遺体が見つかり、20代の女性で、身長160㎝前後、左利きであることが分かる。行方不明者の中で該当者は2人。うち1人はフィリピン人の女性テレサであった。テレサはフィリピンパブで働いており、毎週、彼女に巻き寿司を送りに来る男がいた。テレサは沖中という木工細工の職人とおそらく日本滞在のために偽装結婚していたが、次第に親しくなり、何もかも投げ出して駆け落ちを計画。しかし、借金のあるテレサの夜逃げをブローカーの溝口は許さず、沖中との待ち合わせ場所である面影寺に先回りして、抵抗されたためにテレサを殺してしまう。沖中は待ち合わせ時間に面影寺の山門に着いたが、いつまでもテレサが現れないため、駆け落ちを止めたのだと思い、帰るしかなかった。実際は彼が到着するより前にテレサは殺されていた。
紅殻の屋根を特徴とする面影寺の本堂にテレサの遺体は隠されていたが、3年前に本堂の一般公開が決まり、それで遺体を山奥に移していたのだった。
宮前(山崎一)が初めて科捜研の所長らしい仕事をする。科捜研も最初のうちは皆で科学捜査に取り組んでいたのだが、Seasonを重ねるうちに役割分担が出来、光子(深浦加奈子)は会計しかしておらず、捜査に関しては怖れすら抱いているようである。
今回、京都らしい観光名所で移ったのは仁和寺のみ。仁和寺の二王門はよく登場する。嵐山の法輪寺も面影寺として登場。
また、洛北医科大学の名前が出たが、名前が出ただけで、実際は京都医科大学が久しぶりに登場する。以前は龍谷大学深草キャンパスがロケ地で、巨大な正門も登場したが、今回は小さな門が登場しただけだった。


Season4 File.5。今回は京都市を離れ、マリコは有給を取って山奥の旅館に泊まりに出掛ける。チケットが二枚あったというだけで、なぜか新山を同行させることに。
ここに中高と同級生だった女性5人組が同窓会で来ていた。演じているのは、中島ひろ子、大西結花、魏涼子、冨樫真(まこと)、浅野麻衣子。80年代後半から90年代に掛けて活躍していた女優達である。収録・放送時点では余り売れなくなっているが、名前だけを見ると壮観である。と同時に芸能界を生き延びる厳しさも感じる。放送時点で見ても「懐かしい」と感じる顔ぶれである。全員が全盛期の時であったら、ギャラはかなり高額だったはずだ。劇中でも同じ年代だとしたら、彼女達は、就職時にバブルだったため、良いとされる職種に就いている人もいる。
5人は高校生の時にある男子に恋をするも悪戯を仕掛けて殺してしまったという過去を持っていた。
山奥で科学捜査は出来ないが、マリコはいつもよりは原始的な科学を用いて容疑者を割り出していく。ちなみに泊まる旅館は断崖絶壁の上で危険なことこの上ない。
血液型占いの話が出てきて、元同級生は5人ともA型であるが、実は本当は別の血液型で、性格を偽りたくてA型にしている人もいた。なお、マリコが断言するように、血液型と性格には何の関連性もない。日本の陸軍が、「血液型と任務遂行能力に何らかの関係性があるのではないか」というので調査したが、結論としては「一切関係なし」。だがそのデータがいつしか民間に流れて「血液型占い」が成立する。日本人の場合、A型4、O型3、B型2、AB型1という比率だったため、占いに用いやすかったのだろう。他の国ではB型が9割だったりするため、血液型占いは意味がない。今では先入観を持たせないために、子どもの頃に血液型を教えることはないそうである。


「科捜研の女」Season4 File.6。豪邸で投資トレーダーを行っていた男が、遺体で発見される。家政婦の女性は、遺体が発見される前の1週間休みを取っており、久しぶりに豪邸に出勤して遺体を見つけたのだった。
男には妻がいたが、四六時中パソコンに向かって取引を行っていたため、妻の時子(石野真子)は愛想を尽かして出て行った。
マリコは遺体から砒素が検出されたことから、砒素を使った殺人事件と断定。ではどこに砒素が盛られていたのかが焦点となる。砒素は長年に渡って部屋に漂い、被害者をじわじわと死に追い込んでいった。
被害者には絵の趣味があり、中には妻の時子を描いたものもあった。マリコは絵画には全く興味がなかったが、木場がアドバイスを行う。
被害者が亡くなった部屋には土壁が使われた部分があり、砒素はここに忍ばせられていた。被害者は妻に興味がなくなったのではなかった。土壁に妻を描いた絵の額を飾ろうとして土壁を痛めてしまい、妻の幼馴染みで工務店を営む和美に補修を頼んだが、時子は砒素をひそませるよう仕向ける。和美の営む工務店も倒産寸前でどんなことにも従うしかなかった。
時子は被害者が自分を愛していたことを知り、悲嘆に暮れるももう後の祭りだった。


Season4 File.7。巨大マンションから女性が転落して亡くなる。京都市内には珍しい巨大マンションであったが、住所は伏見区桃山町。京都人からは、「伏見は京都ちゃう」と言われるようなところで、高さ制限は緩い。
被害者の里子は、企業に務めるOLで、フリーターで友人の清美と同居していた。
そんな里子が、血染めのラブレターを送られるなど、ストーカー被害に遭い、警察に訴えていた。
実は里子が住んでいたのは、新山と同じマンションである。今日も女子達は新山が「格好いい」のなんのと口にするが、止めておいた方がいいって。
新山が清美と車でマンションに向かう途中、里子と思われる女性がマンションの自室から転落するのを目撃する。
里子の部屋を望遠鏡で監視している人物をマリコが見つける。粕谷亨、10年引きこもりを続けている男で、大体、テレビでこの手の人物を描くと、女性から相手にされないような男になりがちなのだが、粕谷亨はそれなりに男前である。クレジットを見て津田寛治であることに気付いた。1999年頃テレビドラマデビューなので、まだまだ駆け出しの頃である。
犯人は粕谷ではなく、ワイヤーを使うなどご大層なトリックを使っていた。また清美も共犯だった。
豊臣秀吉の指月伏見城跡の下付近にある大島病院(伏見区桃山町)がクレジットで出たが、小林稔侍演じる木場が診察を受ける場面で、本編の最後に使われていた。


「科捜研の女」Season4 LastFile。左京区岡崎の私立桜谷女学園高校(モデルになった高校はないと思われる。左京区岡崎には京都文教中・高校がある)に通う芦原利奈(加藤夏希。加藤夏希はSeason3にも別の出ていたはずである)が誘拐される。マリコは監禁場所を写した写真に京都タワーの上層階が移っており、階段の見えない東側からの撮影と見て、角度などを計算し(実際にはそれほど簡単には計算は出来ないはずだが)監禁場所を特定する。しかしこれは、利奈が母親の仁美(多岐川裕美)に不満を抱いて起こした狂言誘拐であった。
しかしこの狂言誘拐に、先代からの運転手である相沢(石丸謙二郎)が便乗。携帯電話を偽装し、二億円の身代金を運ぶ役を担ったとして、仁美を車から降ろし、一人で車を走らせる。そのまま車で逃げるつもりだったと思われるが、邪魔が入る。先代の芦原壮介は京都府警から政治家に転身。裏社会とのパイプを持っており、スキャンダルを察知した第一秘書の下条を、近江八幡の裏社会の人間である大神(大杉漣)を使って抹殺していた。
そんな中、鴨川の河原(実際に鴨川の河原か分からず、そうだとしてもかなり下流の方)で木場(小林稔侍)が遺体となって発見される。マリコは何としても木場の仇を討つと心に誓う。木場の検視はマリコが洛北医科大(京都学園大学、現・京都先端科学大学亀岡キャンパスでロケが行われている)で行う。木場が赤こんにゃくを食べていたことが分かり、赤こんにゃくが近江八幡の名産だと知ったマリコは近江八幡に向かう。ロケは八幡堀付近で行われているが、八幡堀地区は、日本で最も美しい街並みを残す町であり、見栄えがするところを撮影すると、京都ですら敵わないので、比較的地味な場所でロケは行われている。
近江八幡の赤こんにゃく屋の前に怪しい事務所かある。ここを根城にしているのが、おそらくヤクザと思われる大神である。
マリコは、木場が監禁されていた場所を探し出すが、大神に襲われる。木場をすぐ殺さなかったのは、ある人物と会わせて、話を付けさせるためだった。現れたのは正宗岳尋本部長(小木茂光)。京都府警出身の芦原壮介元民友党幹事長が発端となっているだけに、京都府警全体の事件に発展する可能性があり、それを止めようとしていたのだった。
正宗は木場の遺品を持ち出そうとして科捜研のメンバー全員に目撃され、チェックメイトとなった。
木場は殉職により二階級特進。警部→警視→警視正となった。
マリコのメンター的存在だった武藤(内藤剛志)が、今回はなぜか、科捜研の部屋にも現れる。マリコと食事をしながら、「死は生の対極としてではなく、その一部として存在する」と、「あるベストセラー作家の一説」を引用する(村上春樹の言葉である。『ノルウェイの森』に登場する)。そしてどこへともなく去る。Season4の武藤は、小説家というよりも妖精のような存在である。
ラストは、これで最後の出演となる小林稔侍の名場面集。泣いていたマリコも、木場から受け取ったこれまでの恩義を回想しつつ、次の事件に向かうことを誓うのだった。

テレビ朝日系列の「世界の車窓から」でナレーターを長年に渡って務めている石丸謙二郎。やはりテレ朝系のドラマには出やすい。


Season4は総じてコミカルな要素はこれまでよりも控えめ。美人女優が変なことをすると見ていて痛くなることが多いが、沢口靖子もその例に漏れない。コメディエンヌのセンスは持って生まれたもので、演技力でカバーすることは出来ない。仲間由紀恵などは極めて貴重な美形コメディエンヌで、「トリック」シリーズの成功は主役が彼女だったからである。後ろから殴られて、「ニャー!」と言いながら倒れるなんて、普通の女優がやったら激痛ものだが、彼女の場合はコミカルになる。ただ若い頃はコメディアンヌとしての力を発揮しても、ある年齢に達すると本格派女優にシフトしてしまう人が多い。コメディエンヌよりも本格派女優の方が格は上だが、ある程度の経験を重ねるとなれる。美形コメディエンヌは希少種。というわけでもったいないことが起こりやすい。

ということで、今回が深浦加奈子などがコミカルな場面を受け持つことが多い。

大杉漣は、徳島県出身で明治大学中退後に転形劇場に入団。看板俳優となるが、劇団解散後は無職同然になり、俳優業を細々と続けていた。北野武に気に入られて、多くの北野武作品に参加。下半身不随となった元警察官で、絵画作品に力を入れる男を描いた「HANA-BI」での演技が高く評価され、以後は北野武作品のみならず多くの映画に出演。出過ぎだというので、「大杉漣複数人説」が飛び出し、三池崇史監督は、外国人記者からの「大杉漣は何人いるのか?」との質問に、「少なくとも大杉漣3号までは確認されている」と冗談を飛ばしている。

小木茂光は、一世風靡セピア出身だが、俳優転身にあたり、その経歴を隠すよう頼んだという。一世風靡セピアではリーダーで、「哀川翔よりも強いのでは」と言われたが、YouTube番組に出演した時に否定。哀川翔については、小木と柳葉敏郎が口論になった時に止めに来たそうで、「仲裁役をやれるとは強い」と一目置いたそうだ。だが、自身の話になると、「チンピラ紛いのファンが騒いでいるので、『ステージ上がれ!』と喧嘩を売った」「帰り、楽屋から出るとき襲われるかも知れないけど、『まあ、大丈夫だろう』と」と、明らかに喧嘩が強い人の発言をしている。
初めて演技を見たのは、CX系の深夜番組「マエストロ」においてで、西村まさ彦(西村雅彦)がマエストロで、小木茂光がコンサートマスター役であった。

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2026年3月17日 (火)

「科捜研の女」Season3概要

「科捜研の女」Season3 File.Ⅰ。今回は、京都府の日本海側、久美浜の海岸から始まる。大学の同級生達と集まったマリコ。在学中から美貌が注目されていたマリコであるが、バツイチで子どもがいないことを明かすと、急に周りが焦り始める。マリコは、「結婚や子育てが女の幸せだなんて」と不満そうである。
久美浜の海に、潜水服を着た死体が上がる。科捜研の女であるマリコは、男が潜水出来るような状態ではないことを見抜き、他殺と捉える。遺体となって発見されたのは栗田(高杉亘)という自称ルポライターだが、著書は売れず、最近は書けなくなりあちこちに借金を重ねていた。
栗田が逝った海を日傘を差して見つめる美しい女性をマリコは見つける。女の名は美咲(南野陽子)。栗田とは高校の同級生であった。今は木屋町で小料理屋「活魚料理 みさき」を営んでいる。南野陽子クラスの美人が木屋町に店を開いていたら、客が押し寄せそうだが。
栗田と美咲と柏崎(石橋保)の3人は仲が良く、高校を卒業してからも3人で過ごしたりしていた。栗田はルポライターになった当時は羽振りも良かったという。
生け簀トランクの仕事をしていた柏崎。しかし、栗田が暴力を頻繁に振るうようになり、美咲は栗田を久美浜の海水を入れた生け簀トランクに突き落として溺死させ、遺体をトラックで久美浜まで運び、海で溺れ死んだように見せかけたのだった。
ということで最初からの殺意がなかったとは言え、美咲が犯人ということになる。美咲は栗田の子を宿していた。
美咲やマリコが、「34歳だから」「もう若くない」と話す。だが、20年以上を経て、今の34歳は若い。
南野陽子は兵庫県出身だけに上品な関西弁を喋る。沢口靖子と南野陽子は、細かいところまで計算せずに感情に正直にセリフを語るという点で似たタイプである。

京都の名所としては、昨年、近くに熊が出没したことで話題になった仁和寺と、二条城の東南隅櫓が映っていた。

Season2では、伊藤裕子演じる城丸準子と左京区岡崎のマンションで同居していたマリコだが、伊藤裕子がリストラされたので、一人で京町家に住んでいる。だが、母親の榊いずみ(星由里子)から見合いを促す書類が届く。最後には、マリコの住む町屋にいずみが現れて、やはり見合いを勧める。

科捜研のメンバーは一新されている。深浦加奈子が科捜研の会計係役で出ているが、この数年後、深浦加奈子は癌のため48歳の若さで帰らぬ人となる。第三エロチカの看板女優だった深浦加奈子。元第三エロチカ主宰で、劇作家・演出家・俳優の川村毅は深浦加奈子について、「あの人は天才だからすぐ出来ちゃうけど、そこから伸びない」と評していた。山崎一も科捜研の所長として出演しているが、故宮沢章夫は、「NOVAの山崎一君とか、読み合わせの時、下手くそなのな。そっから本番に向けてレベルを上げていく」ということで、一口に役者と言っても様々なタイプがある。
なお、Season2でプロファイラーとして科捜研のメンバーに加わっていた武藤(内藤剛志)は、人気推理小説家に転身。代表作は『科捜研の男』であるようだ。
ちなみに人生の最後に食べたいものとして、マリコは真っ先に新福菜館のラーメンを挙げていた。


Season3 File.Ⅱ。今回は陶芸を巡る殺人事件である。
陶芸家の高槻幽斎が、自宅の工房で頭を打って死亡しているのが発見される。何者かに後頭部を殴られたことがマリコの検視で分かる。工房内に荒らされた跡があったため、物取りの犯行として捜査が行われる。
一方、マリコは陶芸家の円城寺光斎(井田州彦)という幽斎の弟弟子に目を付ける。26歳の時に「鳳凰」という作品で高い評価を得た光斎。怪しい人物だが、彼にははっきりとしたアリバイがあった。個展の準備のために展示場にいたという。また幽斎は私生活がだらしなく、破門されており、陶芸家としては死んだと断言する。
だが実は「鳳凰」は光斎ではなく幽斎が焼いた作品であり、それをネタに光斎は強請られていた。
東福寺がロケ地になっていると考えられ、通天橋と思われる橋の上を4人で渡るシーンもあるのだが、通天橋は拝観有料である。お金払ったのだろうか? 「大人4人」と言ったのだろうか?

Season2では、科捜研の主任であったがマリコだが、今回は所長として宮前(山崎一)がいる。ただどんな仕事をしているのかは今のところ分からない。いるだけ上司かも知れない。
徹夜で焼き物の復元をすることになった科捜研の面々。皆が嫌々やるなかでマリコだけがやる気満々。ただやはり彼女は他人の心を読み取る能力は低そうだ。

実は井田州彦(現・井田國彦)は、Season2の最終回にも大衆演劇の座長役で出ており、ほぼ連続しての出演となった。


「科捜研の女」Season3 File.Ⅲ。京都市内のホテルが舞台。母の招きでホテル(京都東急ホテルでロケが行われている)で行われるライトアップショーに参加するマリコ。マリコのイメージカラーは赤なので赤いドレス姿である。
ショーが始まる前に、マリコはホテルのバンケット主任の荻野美奈(若林しほ)が部下を厳しい態度で叱りつけているのを目にする。
ライトアップショーでは、美奈が司会を務め、新進のライトアーティストの園部さやか(粟田麗)がデザインした、ライトアップされた屋上の庭がスクリーンに映るが、すぐに停電してしまう。同時刻、ホテルの屋上でプールに入ろうとしていたと思われる、ホテルのオーナーの息子の柿崎実が感電死する。その後、実が美奈の元彼であり、今はさやかの彼氏であることが分かる。自分のライトショーで、それも自分が点灯させたことで柿崎を死にを追いやったと思ったさやかは手首を切って自殺を図る。

かなり無理のある設定が目立ち、ツッコミどころも多い。

これまで名前しか出てこなかった洛北医科大学のキャンパスが登場。その後は、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)人間館がメインの建物となるが、この時点ではまだ竣工していないので、同じく洛北にある京都精華大学のキャンパスが洛北医科大学に見立てられている。精華大の学生もエキストラとして参加しているのかも知れないが、残念ながら医学生には見えない。

ホテルの屋上にあれだけ広いプールと中庭がある場所は京都にはないので、同志社女子大学京田辺キャンパスの施設が使われているようである。

若林しほ(若林志保)は、「天までとどけ」の長女役でブレークしたが、殺人事件を目撃してPTSDになり、休養。追い打ちを掛けるように、「天まで届け」の共演者の事故死などがあり、精神的ショックから芸能界を引退している。

その後、有名ミュージシャンから受けたDVや、「天までとどけ」の共演者からのいじめを告白。「天までとどけ」の制作側や、母親役だった岡江久美子は否定するが、その岡江久美子は新型コロナウイルスに感染し、若くして亡くなってしまう。
現在も生活保護と障害年金に頼る不安定な生活を送っているようである。
同世代では、川越美和が、やはり精神的不調から引退し、故郷の鹿児島に帰るも生活保護となり、程なく病死している。
向く向かないはあると思うが、本当に厳しい世界である。

粟田麗(あわた・うらら)は、私と同い年である。玉川大学で演技・演劇を専攻し、映画「東京兄弟」で注目を浴びる。可愛いが美形タイプではないので、なかなか主役とはいかないようだが、コンスタントに作品に出続けている。映画版「白夜行」の薄幸な女性や、寺島しのぶ主演版の舞台「書く女」で主人公の樋口一葉とは違ったタイプの妹を好演している。本人がどう思っているのかは分からないが、薄幸役がかなり似合う人である。


Season3 File.Ⅳ。神社で赤子が捨てられているのが発見され、その近くに死体が転がっていた。京都府警は、赤子の母親と死体の身元を探る。
今回は、京都精華大学(洛北医科大学という設定)、仁和寺、堀川通、二条陣屋、京都タワー、JR京都駅大階段と展望台など、京都の名所が多く映っている。
犯人の真壁裕一(加勢大周)は、死体の身元である阿部和夫(三上市朗)と施設で兄弟のように育った。だが、真壁は子どもの頃に事故で人を殺してしまったことがあり、阿部が身代わりとなって少年刑務所に入って真壁を庇ってきたのだが、出所して生活が苦しくなった阿部は風景画家として成功した真壁を脅迫し始めたのだった。

現場で見つかった赤子の顔には土が塗りつけられていたが、民俗学的なものではないかと木場から聞かされたマリコは、民俗学の本を山のように集めて、所員に読むよう強要し、更に4万円もする民俗学の本を購入して、科捜研会計係小向光子(深浦加奈子)を呆れさせるなど、やはり頭は良いのに他人の心を読む能力や常識に欠けているのが分かる。最初は面白がってそういう設定にしたのかも知れないが、長く続くとなると、そうした欠点を克服する姿も描かれるようになるのだと思われる。

その後、麻薬所持と栽培容疑で逮捕されることになる加勢大周。芸名の問題でも話題になり、新加勢大周が現れたりした(その後、坂本一生に改名)。逮捕後は芸能界を引退。函館でバーテンダーとして働き、その後、東京に戻り、六本木でバー数店を経営していると聞く。

劇団M.O.P.の看板役者の一人であった三上市朗。だがテレビでは最初のうちは余り良い役は貰えないようだ。

赤ん坊の母親役である池田真紀は、赤ん坊がいるのに煙草を吸うという設定だが、煙を肺に吸い込むことが出来ないため、非喫煙者である可能性が高い。若林しほも喫煙シーンがあったが、煙草を口に付けるだけで吸うこともせず、煙草嫌いなのが分かる。


「科捜研の女」Season3 File.Ⅴ。木屋町にある空きビルから、警備員が墜落し、死亡するという事件が発生。突き落とされたと見て捜査が行われたが、死亡した警備員の土方は、木場と京都府警捜査課同期だった(この回は捜査課という言葉が使われる)。同じ女性を好きになり、彼女は土方と結婚した。老いた彼女(草村礼子)は病気で洛北医大病院(京都学園大学、現・京都先端科学大学亀岡キャンパスでロケが行われている)に入院している。
土方は木場とタッグを組むことが多かったが、ある日、木場が暴漢に脚を刺された時に、土方は相手をピストルで撃って殺害してしまう。指名手配犯の射殺であるが、過剰防衛として問題視され、土方は懲戒免職は何とか免れて依願退職となり、警察官の再就職先の王道である警備員になった。
7月、祇園祭の季節。祇園囃子が鳴り響く。実は録音による祇園囃子も京都市内で鳴り響いている。祇園囃子のCDも発売されている。

実際には木屋町は高さ制限があるため、撮影された高さのビルはおそらく存在しない。
寺町京極や、新京極商店街を木場が聞き込みに回る場面があり、六角広場も出てくる。

ネタは半分まで来たところで明らかになる。土方は奥さんに手術を受けさせたかったが、警備員の給料では捻出出来ない。そこで生命保険に入り、死ぬことで金を受け取ろうとしたのだが、自殺では下りないため、他殺を装うべく、木屋町のチンピラを巻き込んだのだ。

マリコと上原(葛山信吾)が祇園白川沿いを歩いている場面があり、祇園囃子が聞こえてくるが、あの場所では祇園囃子は聞こえないため、木屋町辺りに見立てられているように思う。木屋町でのロケは一度も行われていないが、やはり人が多く治安も悪いからだと思われる。

マリコは、木場の自宅を訪れ、事件が自殺か事故かどちらかを選ぶよう木場に言う。

脚本は、Season2までは砂本量などが書いていたが、Season3からは、「世にも奇妙な物語」で名を上げた戸田山雅司の回が増えて世代交代が進んでいる。Season3からは音楽も川井憲次に変わり、テレ朝全体で「科捜研の女」を看板番組にしようという熱意が伝わってくる。

ラストシーンはJR京都駅。横浜に帰る母を見送りに来たマリコだが待ち合わせ場所を2階にしていたこともあり、間に合わなかった。

映画「Shall We ダンス?」で、可愛らしいお婆ちゃん先生として話題になった草村礼子。今も存命中である。今年で86。「Shall We ダンス?」は1996年公開の30年前の作品なので、実はその時も見た目より若かったことになる。


Season3 File.Ⅵ。今回は女子高の寮が舞台である。京都市内でもお嬢様学校として知られる清明女学院高等部(校舎はプロテスタントの学校である同志社女子大学今出川校地の栄光館が映っているが、清明女学院はノートルダム=フランス系カトリックという設定である)の寮で、怪奇現象が起こる。本来は科捜研の仕事ではないのだが、所長の宮前が清明女学院の理事長と親しいので是非にと頼まれたようだ。
清明女学院高等部には清心寮(「清心」もまたノートルダムを表す言葉だが、京都ノートルダム女子大学は協力はしてくれなかったのだろう)という寮があるのだが、建設から半世紀が経つということで老朽化。取り壊して新しい寮を建てる計画があるが寮生数名が反対の声を上げている。
清心寮の舎監を務めるのは、南妙子という女性(「みやむー」のニックネームで知られる声優の宮村優子が演じている。キリスト教の学校なのに日蓮宗みたいな名前なのはわざとだろうか)。彼女も清心寮の出身である。寮の取り壊し反対の中心人物は綾川みどり(加藤夏希)である。反対派グループの一人に、三輪ひとみの妹である三輪明日美がいるが、余りセリフが貰えていない上に割と酷い扱いである。ただ彼女の場合は庵野秀明監督の実写映画第1作である「ラブ&ポップ」で仲間由紀恵らを押しのけて主演を張っているため、日本映画史上に残る女優になりそうである。
さりげなく「鴨川で連続殺人」があったとして捜査員の半分がそちらに回るのだが、連続殺人がありふれたことのように言われるなんて、京都ってのはどれだけ怖ろしい街なんだ。

科捜研のメンバーの一人である鶴田(遠山俊也)が中学時代の妙子の後輩であり、放送部の1学年下で、妙子はみんなのアイドル的存在だったと語る。ちなみに放送部では妙子はアナウンス担当だったが、鶴田は機材担当だったので、マイクに向かって話したことはないようだ。

3年もいれば出て行く高校生が取り壊しに反対するのはおかしいとして、マリコは黒幕を見抜く。超常現象のトリックも見抜くが、超低音で物体を動かしてポルターガイストを起こすというのは強引。人間の聴力には限界があり、ある程度から下の重低音は聞き取れないとされ、CDでは超低音はカットされているが、その後の実験では無意識に感じ取っていることが分かっている。その超低音で物体を動かすにはかなり大きなスピーカーと超低音の音源が必要なはずだが、あるのはミニコンポだけである。コンポで再生可能なのは基本、CDで、CDでは先に述べたように超低音を出すことは出来ない。

最近(といってももう20年前からの傾向だが)の女性声優には美人が多い。宮村優子もその一人だが、それには理由があり、声優業は厳しいので、声優で駄目となったときにタレントやモデル、女優に転身しやすい美形の人を選んでいるそうで、美貌が保険になっているようだ。水樹奈々のように美貌と歌唱力で声優よりも歌手のイメージが強い人もいる。
平野綾なども、声優よりも舞台女優、ミュージカル女優のイメージが強い。
宮村優子はその後に二度結婚し、二度目の夫と間に子どもも設けるが、結局離婚。オーストラリアで生活していたが、声優の仕事を増やすためか日本に拠点を戻している。

宮村優子の声優としての見せ場を作るためか、妙子が中学校(北安中学校という架空の学校)時代に放送部で吹き込んだカセットテープのものという設定の音声を、中学校の後輩の鶴田が聴き続けるという場面がある。やはりプロの声優のものであることがすぐに分かる。


Season3 File.Ⅶ。小向光子(深浦加奈子)が準主役的立場となる回である。光子が商店街(西の方の京都三条会商店街)で買物をして帰る途中、町内会長の糸川が、「人が殺された!」と呼びに来る。近くの小さな公園で、同年配で共に背の高い若い男性が争い、最後は片方が片方を刺して死亡させたという。光子が京都府警に電話をする。駆けつけたマリコは、翌日の検視で、血痕が低い位置に付いていることに疑問を抱く。
光子は共働きであるため、一定の時間までは息子のシンヤを児童館に預けている。シンヤは小学校4年生ほどだと思われる。シンヤは児童館の先生である岸田萌に好意を持っている。といっても子ども特有の愛着である。
光子は当日シンヤが履いていた半ズボンに血痕が付着しているのを発見。検視の結果、殺された竹本の血痕に間違いないことが分かる。シンヤは、「僕が殺ったんだ」というが、子どもに大人を殺すことは不可能に近い。
萌は、おそらく西院春日神社の境内で、「自分が刺した」と告白する。だが、刺したのは一度だけで、これだけでは死に至る可能性は低い。萌は兄を、竹本とグルの飯沼に自殺に見せかけて殺害されていた(飛び降り自殺だが、京都は建物の高さ制限があるため、飛び降りて確実に死ぬことの出来る建物は少ない)。
実は、萌が竹本を刺した後、町内会長の糸川が二人を発見し、何とかしようとするが、その隙を突いて、竹本との間に金銭トラブルを抱えていた飯沼がもう一度刺して殺していたのだった。凶器を探す際に再び神社が映るが、その後に糺の森が映るため、今度は下鴨神社で間違いないと思われる。

このSeasonではメンターとして、マリコにヒントを与える役割になっている武藤。しかし、マリコは朝6時前に武藤宅を訪れるという、これまた非常識なことをやっている。武藤はジェラートを作るために徹夜していたため、特に怒られたりはしなかった。武藤は名画「ローマの休日」の思い出を語る。マリコも「ローマの休日」を観たことはあるようだが、非現実な大人のおとぎ話という趣向の映画であるためか、リアリストのマリコにはほとんど響いていないようだった。ちなみにオードリー・ヘップバーンが武藤の初恋相手のようである。


「科捜研の女」Season3 LastFile。1時間30分に枠が拡大されている。
車に轢かれて死亡した男性の遺体から、銃弾が見つかる。照合したところ、線状痕が、当時東山署にいた伊塚夏子(山本未來)の拳銃から撃たれたものであることが分かった。夏子はキャリアとして警察庁に採用され、京都の東山署に赴任したのだが、初めての捜査で容疑者を射殺してしまい、キャリアの道を外れて、今は琵琶湖北警察署の総務課で課長を務めている。琵琶湖北警察署は、マリコの元夫である倉橋拓也(渡辺いっけい)が署長を務めている警察署であり、倉橋は夏子のことを気に入っていて、再婚相手に選ぼうとしていた。
そんな中、夏子が容疑者を射殺したとされる事件の真の殺害者が明らかになる。現在は京都府警副本部長となっている小此木(中丸新将)だった。更にこの事件によって間接的に息子の命を奪われた男がおり……。
マリコは、千葉県柏市にある科学警察研究所(科警研)への異動が決まる。本当は左遷させられてもおかしくないところだったが、倉橋が手を回して形の上では栄転ということになった。
関東に向かう日、JR京都駅で、直木賞を受賞した武藤要(内藤剛志)のインタビューを巨大モニターで見ながら笑顔を見せたマリコは科警研での活躍を誓うのだった。


同じテレビ朝日系の「トリック」と出演者が被るドラマである。中丸新将は伊藤公安(きみやす)公安部長を、渡辺いっけいは「口調が丁寧すぎる番頭」平山平蔵(ひらぞう)を、深浦加奈子は新興宗教の幹部女性を演じていた。

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2026年3月 7日 (土)

「科捜研の女」Season2概要

「科捜研の女」Season2 File.1。新シリーズとなり、京都府警科学捜査研究所のメンバーも一新され、マリコが主任となる。ただ科捜研のフロアはリノベーションのため、別の場所があてがわれる。
京都府警捜査一課の土門薫刑事としてマリコとタッグを組むことになる内藤剛志が、Season2では新人プロファイラー武藤要として登場。精神年齢が実年齢より幼い感じがするが、事件に立ち向かうときは正義感に溢れているという役どころである。
「関西のキョンキョン」(はもう死語なのかな?)羽野晶紀が出演するなど、相変わらずコメディー路線が継続となっていることが分かる。旦那さんの和泉元彌が大河の主役を張るのが2001年。しかし急速に落ちていった。今でも「宗家狂言」という公演はやっており、山科・毘沙門堂の本堂には中央に、「宗家 和泉元彌」の札が掲げられている。

最初は、マリコ(沢口靖子)が淡路島での合宿免許に参加するシーン。Season1では、自転車通勤する様子が見られたが、免許を取る必要が出来たらしい。しかし実技が下手で、教官役のチャーリー浜から何度も駄目出しされる。チャーリー浜は、「じゃ、あ~りませんか」、「いずこへ」とオリジナルのギャグを繰り出していた。

さて、今回は、マリコが京都市内を車で駆け抜けるシーンがある。まだ仮免だそうで、見るからに運転が不安だが、それでも京都中の名所に向かう(名所でのシーンはない)。№12という、京都府警ストーカー犯罪集団があるのだが、背中に傷を12刻んだ遺体が発見されたことで№12の犯行の可能性が浮かぶ。
ここで、当時もそこそこ有名で、今は更に有名な俳優が裏切り者だったことが分かる。そこそこ有名というのが、裏切り者の役に向いているようだ。

マリコが祇園白川付近を自転車で駆け抜けるシーンがSeason1であったことから、彼女が左京区岡崎付近に住んでいるらしいことが分かったが、城丸(伊藤裕子)も祇園白川沿いに住んでおり、合宿免許参加中に部屋の更新が切れたというマリコが、勝手に城丸の部屋に住み着くという展開になる。おそらく最初からご近所さんだったのだろう。


「科捜研の女」Season2 File.2。天才子役、神木隆之介登場。まだ顔が出来上がる前だが、可愛らしい顔をしている。その後、大河ドラマ「義経」で義経の子ども時代を演じてイケメン子役として話題になり、成人してからはNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」で牧野富太郎をモデルとした主役を演じ、今は主演俳優クラスに育った。舞台でも観ているが、今のところ良い役ではない。成人してからは誰もが認めるイケメンではなくなったが、いい顔をしている。
神木隆之介が演じているのは、工芸作家であった母親が、やはり工芸作家である叔母を殺害するのを目撃してしまった子ども。シチュエーション的には「古畑任三郎」の最終話、松嶋菜々子が演じた作家の話に似ている。
神木隆之介演じる少年は、寡黙だが悪戯好きである。口を閉ざしていたが、初めてマリコのことを「おばさん」と呼ぶ。マリコは、「お姉さんでしょ」と直させようとするが、Season1ですでに30歳であり、数年が経っている。「お姉さん」は流石に無理があるかも知れない。沢口靖子は実年齢より上に見える顔立ちであるし。


「科捜研の女」Season2 File.3。大企業の令嬢を狙った身代金目的誘拐事件である。誘拐される役を演じているのは三輪三姉妹の長女である三輪ひとみ。脇役が多い女優だが、本人も「主役を食う」役の方を好んでいるようである。妹の三輪明日美の「ラブ&ポップ」のような絶対的な代表作はないが、和製ホラークイーン(佐伯日菜子がなろうとしてなれなかった地位である)という称号を得て、他の姉妹が女優活動を縮小したり引退したりする中、一番長く活動している。確かに3人の中で一番美人ではある。三姉妹の中でスカウトで芸能界入りしたのは彼女だけのようだ。

犯人は実は女なのであるが、演じている石堂夏央は、テレビドラマはそれほどでもないが、映画は有名作にいくつも出演している。

叡山電鉄沿線の電気を止めるという作戦が取られており、監禁場所となっているのは北区雲ヶ畑、峯山(比叡山)地区だけ電気を止めたようだ。


「科捜研の女」Season2 File.4。今や懐かしいレンタルビデオ店が舞台。レンタルビデオ店で、人質を取った立てこもり事件が起こる。レンタルビデオ店、お金そんなにないと思うけどなあ。
マリコが借りたVHS(これも懐かしい)を同居人の城丸が返しに来て事件に巻き込まれる。
犯人が妙な音を出しているのを科捜研のマイクがキャッチ。真犯人は被害者になりすましているが、妙な音は、腕時計の外側の金具を回す音だった。科捜研で徹夜したマリコが、「わかったわ!」と喜びながら出てくるが、多分、一晩では当てられないと思う。


「科捜研の女」Season2 File.5。Season2であるが、Season1よりも俳優の平均的質が落ちてしまっている。
賀茂川の河原で、新聞集金人の男性の遺体が見つかる。容疑者になった不良少年を山崎裕太が演じている。放送の翌年である2001年に、大阪松竹座の公演「大江戸ロケット」に主演していたいしだ壱成が、麻薬所持容疑で逮捕され、山﨑裕太が、三日三晩台本を読み続けて主役の量のセリフを全て頭に入れて代役を務めて話題になった。だがそれが出世に結びついていないのがこの世界の難しさである。大河ドラマ「麒麟がくる」を撮影中の沢尻エリカが麻薬で逮捕され、代役の川口春奈が一躍CM女王に躍り出た例もあるのだが。
東映京都撮影所から、人工の雨を降らせる目的で技術者が呼ばれるが、セリフが明らかに俳優のそれではないため、本物の職人が呼ばれたことが分かる。


Season2 File.6。木屋町で起こった火災で死亡した若い女性を巡る話である。木屋町(主に三条通から四条通の間)は京都の繁華街だが、「祇園で飲めない人が木屋町で飲む」といった調子で、どちらかというと雑多な街である。大学生など若い人達が飲み会などを開くことも多いが、まだ解決していない殺人事件が起こってもいる。また木屋町にあるイベントスペース兼レストランのUrBANGUILDで、早朝に金庫が荒らされ、現金を盗まれるという事件があった。最近は、立誠小学校の跡に出来た人工芝スペースやホールなどが人気で、治安は良くなっている印象を受ける。以前はキャッチがうるさかったが、今はキャッチ行為自体が違法になっている。
若い女性とつるんでいたグループの一人を演じているのは、若い頃の塚本高史だ。
木屋町は人が多いのでロケは行えず、実物の木屋町よりも大分上品な通りで撮影が行われている。高瀬川と同じくらいの幅を持つ川が流れる通りだが、川に沿ってではなく、川を渡る橋の上などが撮影場所になっている。地下にあるライブスペースは、左京区岡崎のNAMホールに似ているが、周辺は映されていないため、はっきりとは分からない。
第三舞台出身の筒井真理子がジャズピアニスト役で登場。簡単なピアノ曲を演奏するシーンがあるが、引きで撮っているため、弾く真似をするだけで実際はプロが演奏していると思われる。まだガラケーの時代であるが、ガラケーは着信音を自分で作成することが出来た。
今回は、薩摩弁がキーとなる。「ラーフル」、黒板消しのことである。


Season2 File.7。脅迫状を送った上で殺害を行うという三連続殺害事件が発生する。この京都って街はどれだけ治安が悪いんだろう。三連続殺人事件なんて日本犯罪史上数回しか起こっていないはずである。マリコの同僚である美華(羽野晶紀)の家にも脅迫状が届く。脅迫状は定規などを当てた角張った文字で書かれていた。その情報をマスコミが流したため、模倣犯や悪戯が相次ぐ。武藤(内藤剛志)が筆跡鑑定を行うが、誤字などでも見分けているようだ。
犯人はクリーニング店店主の恩田。この2年後に40歳の若さで他界することになる伊藤俊人が演じている。恩田は、美華の自宅マンションを襲撃。美華は恩田の左脚を刺すが、美華も恩田に腹部を刺される。負傷したにも関わらず、恩田は警察病院まで美華を襲撃しに来る。武藤は「サイコパス」と断じるがしつこい犯人である。
クリーニングはクレームの多さナンバーワンと言われる業界である。客とトラブルになることも多い。恩田はクレームをつけた人物を恨み、殺害していた。

伊藤俊人と羽野晶紀二人の場面は、東京サンシャインボーイズVS劇団新感線という東西の人気劇団の名前を彷彿とさせる。伊藤俊人は、「古畑任三郎」では警視庁科学研究室の桑原技官を演じていたが、「科捜研の女」では犯人役ということで両方を演じたことになる。
東京サンシャインボーイズは、昨年、31年ぶりに復活。伊藤俊人も生前録音された声による出演をした。
だが復活上演となる「蒙古が襲来」は、出演者が皆殺しになるという内容であり、次回の東京サンシャインボーイズの公演が80年後と告知されたことで、三谷幸喜が自らの手で東京サンシャインボーイズを葬ったことが分かった。


「科捜研の女」Season2 File.8。心理的に理解出来ない部分がある。
京都市北部で、轢き逃げ事件がある。
マリコの東亜大学(マリコは東亜大学と同大学院博士課程修了という設定である。ただ、東亜大学という大学は実在する。博士課程はないが、修士課程の大学院もある。なぜ実在の大学と同じ校名にしたのかは不明。同名ながら別の大学であるが、実在の東亜大学の公式Xには同じ校名が使われたことが誇らしげに書かれている)時代の恩師である神林(神山茂)とたまたま出会ったマリコだが、神林は昨晩轢き逃げをしたので逮捕して欲しいと頼む。
赤い服を着た人を轢いたと語るのだが、現場には事故の痕跡はあるものの、被害者は影も形もない。
神林は認知症(一昔前なので、痴呆症という言葉が使われている)の傾向を示すが、後に全て演技であることが分かる。
神林はある女性をかばっていた。ところがこの女性が赤い服を着て現れる。別に着ていても良いと思うが、被害者が赤い服を着ているのを確認したのはこの人なので、赤に嫌なイメージが付いているため、避けがちになるはずだが。
この女性も、知り合いの男性開業医をかばっていた。
事故の現場となったのは、別荘が数軒、民家が数軒の寂しい場所。一帯に交通事故に遭った人はいない。
実は被害者はちんけなコソ泥で、別荘を荒らして金の鶏像を盗んでいた。運転していた医師の妻が夫の轢き逃げを庇うために自身も医師として勤務している夫の病院にコソ泥を入院させていたのであった。


「科捜研の女」Season2 LastFile。早朝、武藤からマリコと準子が住むマンションに電話が掛かってくる。かつて精神科医時代に自分が担当し、大衆演劇の座長へのストーカーを止めさせようとするも今度は武藤のストーカーとなったことのある女が助けを求めに来たが、いつの間にか刺殺されていたという。この刺殺されていた女性、私の母の旧姓での本名と同姓同名である。この回に初めて洛北医科大学が登場。ただ校名が出てくるだけである。Season1では京都医科大学という架空の大学が登場したが、京都府立医科大学と紛らわしいので、別の大学と提携したという設定にしたのかも知れない。
武藤に容疑が掛かるが、武藤は自宅を脱出し、マリコと準子が住むマンションに忍び込むことに成功していた。
それまでにオールナイトの映画館で過ごし(現在は京都市内にオールナイトの映画館は存在しないが、当時存在していたかどうかは不明。京都市内の映画館はシネマコンプレックスの台頭により、従来からのものは全て消滅。2001年に新京極に出来たMOVIX京都が最も歴史の長い映画館となっている)長い髪の女が隣に来て向こうから声を掛けられたという。その後、ラブホテルに行くが何もなかった。
この長い髪の女はかつらを付けており、普段はもっと短い髪型をしていた。
長い髪の女は、科捜研までマリコを殺しに来るが、京都府警って、こんなに警備緩いの?
木場は、大衆芸能の一座の座員である静という女に刺される。彼女が武藤に罪をなすりつけようとした張本人であった。静は一座の中では出来の悪い座員であったが、師匠に罵倒され続けているうちに隷属の快感を覚えるようになる。Mとは少し違うかも知れないが、一部被っていそうである。
ロケ地としては、左京区岡崎の祇園白川沿いにある三谷稲荷、またメジャーな観光地である六角堂頂法寺が映っている。

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2026年3月 2日 (月)

「科捜研の女」Season1概要

J:COM STREAM/TELASAで、連続ドラマ「科捜研の女」Season1 File.1とFile.2、File.3を見る。File1、つまり初回は1999年10月21日放送。私はまだ千葉にいて、京都についてはよく知らない時代である。

ファイナルの頃とは、作風も、沢口靖子演じる主人公の榊マリコのキャラクターもかなり異なる。

まずコミカルであることが、シリアス一辺倒となる時代とは異なる。コメディーを得意とする俳優が多く起用されているのもユーモラスなものを目指していたことの証左になっている。
榊マリコであるが、チャキチャキとした性格である。沢口靖子は堺市出身だが、榊マリコは関西人というよりも江戸っ子のような性格である。これも大きな相違点だ。セリフ回しは相変わらず平坦で、これが演技力のなさと捉えられる最大の原因だと思われるのだが、普段からそうした喋り方をしている場合はどうしようもない可能性がある。今は病気療養中の鷲尾いさ子なども不自然なセリフ回しに聞こえたが、トーク番組でも同じ喋り方をしており、そういう話し方をする人だったのである。
榊マリコの場合は説明をする役割が多く、感情を交えないフラットな話し方が合っていたため、「科捜研の女」が長寿番組になったのであろう。
沢口靖子は、頭の良い人だと思われるが、頭の回転に口や体がついて行けていないようなところもあるようだ。容姿だけなら芸能界史上のトップ争いに加われる人だけに惜しい気がする。
なお、マリコは突飛な行動をすることが多く、場の空気を読むのが苦手だったり、想像力に欠けたりと、発達系の何かを抱えている可能性があるが、今のところは明かされていない。「科捜研の女」が始まった翌年の2000年に放送されたの金曜ナイトドラマ「トリック」は、山田と上田の主役二人が明らかに発達障害系天才の特徴を示している。

マリコは、仕事は出来るが日常生活では全くのダメ女。掃除が苦手で、ご飯も炊けず、とにかく家事が出来ないタイプである。部屋に洗濯機がないが、コインランドリーに行くのが面倒くさいため、溜めるだけ溜めてから洗いに行く。そんな調子なので旦那にも逃げられている。植木等の「ハイそれまでョ」の3番の歌詞の世界である。
古畑任三郎などもそうだが、海外にもこうしたタイプの推理の天才キャラクターは多い。シャーロック・ホームズもハドソン夫人の家の2階(ベイカーストリート221B)に下宿しているが、ピストルで壁を撃ってヴィクトリア女王のイニシャルの形に穴を開けるなど、「ロンドン最低の下宿人」を自称している。ちなみに地球が太陽の周りを回っていることを知らないという極端な設定もある。
榊マリコは服装も色気がなく、中学校の部活動のような格好をしている。それと対比させるためか、伊藤裕子演じる城丸準子巡査部長はいつもミニスカートを履いている。マリコはSeason2から次第に衣装にも気を配るようになり始める。

さて初めての事件であるが、送り火の日、つまり8月16日に起きている。男が神社の階段から突き落とされて殺され、女の容疑者が逮捕されるのだが、実は別の女が犯人だったことが分かるという展開である。犯人の女は鈴を鳴らしているのだが、正直、鳴らし過ぎ。あれだけ鳴ってたら男も気付くはずだが、お茶の間に届けるためには鈴の音を大きくしないといけないのだろう。
今は消えてしまったDAT(デジタル・オーディオ・テープ)が出てくる。新時代の録音機材として期待されたDATだが、音楽のプロ以外にはほとんど広まることはなく、録音媒体として新たに登場したミニディスクにその座を奪われたが、ミニディスクも短期間で役目を終えている。今はちょっとした録音ならスマホのPCM録音アプリで行える時代であり、音楽を録音しなくてもクラウド上に溜めてダウンロードしたり、配信サービスで無料で楽しむことも出来る。
プロのレコーディングも、今はテープは使わず、ハードディスクに直接刻むのが基本である。

大文字は、やや南側から撮られている。あの辺りには大文字が大きく見えるスポットがあるのだが、人が増えても困るので教えないでおく。

事件の現場となる神社であるが、黒住神社の可能性が高いが、境内が殺害事件の現場となったという設定では外聞が悪いためかロケ地は明かされていない。

2つめの事件では、京都医科大学という大学が登場。京都には京都大学医学部と京都府立医科大学があるが、京都医科大学という大学は実在せず、架空の医大である。撮影は龍谷大学深草キャンパスで行われている。

京都府警察であるが、外観は積水化学工業京都研究所を映し、内部はおそらく別の企業のオフィス(協力に島津製作所の名がある)を借りて京都府警内に見立てて撮影。科捜研の部屋はセットを用いている。


File.3では、京都府警の刑事役である小林隆と、容疑者である大学助教授(まだ准教授ではない時代)役の相島一之が共演。元東京サンシャインボーイズの二人がやり取りを行った。
京都は大学が多いということで、今回も大学が舞台。黎明館大学という、立命館大学をもじった架空の大学が殺人現場となるが、そんなものの舞台となっても何の得にもならないので立命館大学は協力しておらず、当時はまだ亀岡市にしかキャンパスがなかった京都学園大学(現・京都先端科学大学)がロケ地となっている。
今回も強引に笑いを取りに行ったり、やってはいけない捜査方法が行われているなど、この頃の「科捜研の女」は必ずしも本格的な推理ではなく、エンターテインメント路線であったことが分かる。
マリコの元夫である倉橋(渡辺いっけい)と京都府警巡査部長の城丸準子が付き合っており、妊娠の話になると、なぜか決まってガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」が流れるのが奇妙であった。


J:COM STREAM/TELASAで、「科捜研の女」Season1 File.4を見る。
ピクニックに出掛けた科捜研と京都府警の人達。水辺の場所で、おそらく北山の方だと思われるが、自動車でないといけない場所だと思われる。今回は、京都らしいロケ地はなし。また梅田が、「大阪の梅田」というセリフで語られ、字幕でも「大阪 梅田」と出る。京都近辺だけだったら梅田がどこにあるか大半の人は分かるだろうし、そもそも梅田は全国区の地名でもあるのだが、地方の人は知らないかも知れないので説明する必要があるのだろう。梅田の場面であるが、おそらくリアルにする必要はないので、実際の梅田ではなく近場で撮影されていると思われる。
ピクニックに出掛けた一行が、白骨死体を発見するという、偶然が過ぎる展開だが、マリコは頭蓋骨に最初はパソコンで生前の顔の再現を試みる。完成品を「マネキンみたいですね」と言われたマリコだが、「コンピューターは人間には勝てないということ」と言って、今度は頭蓋骨に粘土を貼り付けての再現を試みる。
「あと四半世紀ほど経ったら、AIというものが本物そっくりに再現してくれて、表情まで動かせるよ。人間はコンピューターに負けるよ」と言っても、この当時の人は誰も信じないだろう。
顔を整形した元風俗嬢が、元同僚に揺すられて犯した殺人事件の話である。
沢口靖子のセリフ回しはやはり一本調子であるが、科捜研の人だけに事件について真摯に語っているように見える。やはり適役だったのだろう。

伊藤裕子は、翌年の「トリック」にも最初のゲストとして出演しているが、その後、余り見かけなくなる。単発での出演は続いているようだが、大きな役に就くことはほとんどないようだ。


「科捜研の女」Season1 File.5。今回は連続爆弾魔の話だが、緊迫する場面があるためかそれを緩和するためにギャグも多めである。そば屋の出前持ちとして、吉本新喜劇の辻本茂雄が登場。この時代の辻本茂雄については何も知らないが、特にギャグなどをやることはない。役名も辻本で、マリコに「良い名前でしょ?」と語りかける。
犯人役を演じているのは前田耕陽。その後、海原やすよ・ともこのともこと結婚。大阪在住となっている。ただ仕事は名古屋と東京で行うことが多く、大阪で流れている番組は少ないため、「奥さんに食べさせて貰っている」と勘違いされることも多いようだ。
洛北大学という架空の大学が出てくるが、嵯峨美術短期大学でロケが行われているようである。現在は4年制の嵯峨美術大学もあるが、この頃は短大しかない。
京都産業大学が洛北大学に改称しようとしたが、学生を省略すると「洛大生=落第生」になるので止めたという話がある。本当か嘘かは分からない。
病気がお笑いの要素として取り上げられる場面もあるが、これは余り感心しない。


「科捜研の女」Season1 File.6。今日はマリコが、高校の特別講義に招かれる場面から始まる。今熊野の京都女子大学附属小学校(共学)がロケ地である。小学校と幼稚園以外の京都女子大学、京都女子中学校・高等学校は全て女子校であり、阿弥陀ヶ峰に向かって上る道は俗に「女坂」と呼ばれていて、説明書きもある。
マリコの講義は不評だったが、今回はこの学校の看守が焼死体で発見されるという事件である。
マリコが大学時代の知り合いと再会し、大堰川の手漕ぎボートや嵐山でデートする場面もあった。
前回からCGが登場するようになっているが、20世紀末のCGは今に比べるとおもちゃ同然である。ただ映画などでは21世紀に入ってすぐに凝ったCG映像が使われるようになっているので、進歩も早かったことが分かる。

File.7も見てみるが、怪しいと思った男がやはり犯人だったという芸のない展開である。
マリコが、金魚のための情報を得ようとインターネットで検索していると、縛られた若い女性が追い込まれて銃で殺害されるという映像に行き当たる。科捜研全体で情報を探したところ、やはり縛られた若い女性が今度はナイフで刺殺されるという映像が見つかる。どちらも同じ部屋での犯行だった。
マリコは京都医科大学の西大路恵(一路真輝)に協力を求める。
京都医科大学は、以前にも登場し、龍谷大学の深草キャンパスがロケに使われていたが、校門にかなりの特徴があるためか、今回は使用されず、黎明館大学と全く同じ門が、大学名だけ変わって使われている。京都学園大学、現在の京都先端科学大学亀岡キャンパスである。校舎なども京都学園大学のものが使用されていると思われる。
犯人にあと一歩というところまで追い込まれるマリコだが、資料を強引に見ようとして謹慎中の木場(小林稔侍)に救われる。木場は捜査一課から外され、交通課に異動になった。犯人役は沢向要士。余り見ないと思ったら、一時期俳優を廃業としてホストとして働き、また俳優に戻っているようだ。

小林稔侍は、高倉健が著書で演技を褒めていたりするが、この人も悪い噂がある。伊藤裕子も悪い噂は聞く。ただ本当かどうかは分からない。


「科捜研の女」Season1 File.8とFile.9(最終回)を見る。連続した回で、牧野光(田中美奈子)という名の女性が登場。だが牧野光は偽名で、正体は分からない。
4年前に起こった内山刑事殺害事件、更に木場の奥さんの事故死、更には西大路恵(一路真輝)の旦那で新聞記者の篠田(長谷川初範)と全く同じ状況で事故死。マリコは、レーザーポインターを照射された可能性があると判断。小清水(橋本さとし)らは、「野球で使われて」という話をするが、もう随分前の話なので細く書くと、当時ヤクルトスワローズの吉井理人投手がマウンド上でサインを見ていた際に、観客席からレーザーポインターを当てられて目に入り、投球を続けられなくなるという事件があった。そのことである。
倉橋拓也(渡辺いっけい)は、警察庁へ昇進する可能性もあったが、事件の責任を取って日本海側へ左遷となる(記述によると日本海側ではなく琵琶湖北警察署署長のようである)。
なお、今回も京都医科大学が登場するが、龍谷大学の巨大な門をそのまま使用しており、校風が変わってしまったような印象を受ける。
ラストには企業ビルが登場。景観規制のある京都市内にあれだけのビルはニデック本社ビルなど、南部以外には建てられないため、京都市外のビルだと思われるが、検索してもヒットしなかった。

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2026年2月23日 (月)

NHK名古屋放送局制作「1942年のプレイボール」

2026年2月12日

NHKオンデマンドで、「1942年のプレイボール」を見る。戦前を代表する野球兄弟、野口4兄弟を描いたドラマ。フィクションの部分も多いとされる。野口4兄弟は、全員が中京商業(現在の中京大中京高校)の出身であるため、NHK名古屋放送局が制作している。脚本は、「半沢直樹」「豊臣兄弟!」の八津弘幸。演出は、桑野智宏(NHK名古屋放送局)。出演:太賀(現・仲野太賀)、勝地涼、忽那汐里、宮崎美子、でんでん、斎藤嘉樹、福山康平ほか。

4兄弟の中で最も活躍したのが、次男の野口二郎(太賀)である。沢村栄治、景浦將らと共に戦前を代表する野球選手であり、戦前は投手として、戦争で肩を痛めてからは野手として、傑出した成績を残している。

なお、「エースナンバーは何故18か?」という諸説ある疑問があるが、戦前にすでに野口明と野口二郎がエースとして背番号18を付けていることから、「ジャイアンツで、藤田元司と堀内恒夫という背番号18のエースが続いたから」説は根拠が薄いようである。ちなみに藤田元司も堀内恒夫も入団時は背番号21で、そこから18に変わっており、藤田がジャイアンツに入団した時には、「エースナンバーは18」だったことが分かる。藤田の前にもジャイアンツには背番号18のエースピッチャーはいたが、左腕の中尾硯志であり、「右の本格派」というイメージとは異なる。スタルヒンも短期間18を着けたが本当に短期間である。タイガースのエースである若林忠志が背番号18、また後に阪急ブレーブスに入団する米田哲也が、「背番号18を貰えるので阪急に入団した」と証言しているため、かなり早くから「エースナンバーは18」という認識はあったのだろう。ドラゴンズ、スワローズ、ファイターズなどには独自のエースナンバーがあるが、背番号18は、ファイターズ時代の岡大海などを除けばどこもエース級またはエースになることが期待されるピッチャーが背負っている。
おいちょかぶ説や、歌舞伎の十八番、阿弥陀如来の十八番の御誓願、足すと「9」になる数字が良い説などがあるが、単純に背番号18が格好いいからかも知れない。

野口家の長男である野口明(勝地涼)は、明治大学を中退して、東京セネタースで活躍。野口家は貧しいため、家計を支えている。当時は、甲子園(全国中等学校優勝野球大会)を沸かせて、東京六大学野球リーグで活躍というのが野球選手の王道だった。東京六大学野球、就中早慶戦が野球の華で、出来たばかりの職業野球(後のプロ野球、NPB)は、「野球で金を稼ぐなんて」と白い目で見る人も多かった。プロ野球は勃興期も賛同する企業が集まらず、読売新聞が中心となり、早稲田大学の三原脩、慶應義塾大学の水原茂というスター選手と契約して信用を得ようとしたが、本当にプロ野球が人気になるのは、長嶋茂雄の入団以降とされる。
明は、東京六大学野球で活躍していたので、職業野球入りは都落ちであった。

そんな兄を追い、次男の野口二郎も法政大学を中退して東京セネタースに入団。エースピッチャーとして活躍する。

しかし、明が出征することになる。まだ太平洋戦争は始まっていないが、中国との戦いが泥沼化していた。日本政府が公式な戦争と認めていなかったため、日華事変、日支事変、支那事変などと呼ばれていたが実際は戦争状態であった(戦後に公式な戦争と認められ、日中戦争となった)。明は職業野球のピッチャーであることが知れ渡っていたため、手榴弾投げのデモストレーションを毎日何度もやらされ、肩を痛めて、復員後は、満足にボールが投げられなくなっていた。明には許婚の喜美子(忽那汐里)がいたが、金を稼ぐ手段が野球しかないため、別れを告げざるを得なかった。

野球はアメリカで生まれたスポーツだけに統制も厳しくなる。横文字が禁止され、セネタースは翼軍を名乗るが、直後に名古屋金鯱(きんこ)軍と合併して大洋軍となる(横浜大洋ホエールズとは無関係)。
明は、ファースト(一塁手)、更にキャッチャー(捕手)として出場。三男で阪神軍に入った野口昇(斎藤嘉樹)と対戦もする。

そんな中、二郎は9回1死までノーヒットノーラン(無安打無得点試合)のピッチング(投球)、惜しくも達成は逃すが、翌日の試合にも先発。これが日本プロ野球史上に残る一戦となる。後楽園球場での対名古屋軍(現在の中日ドラゴンズ)戦。西沢道夫(背番号15はドラゴンズの永久欠番となった)と投げ合い、延長28回両投手完投引き分けとなる。ナイター設備のない時代なので日没による引き分けであった。二郎は344球を投げている。
キャッチャーとしても頭角を現した明は、喜美子にプロポーズすることになる。

野球の才能に恵まれた兄達と比較してコンプレックスを抱いていた野口渉(福山康平)も素振りを繰り返すなど野球熱が戻り、近畿日本(現在の福岡ソフトバンクホークス)に入団し、プロとしてのプレー期間は短かったが、4兄弟全てがプロ入りすることとなった。

三男の野口昇は、阪神軍で3年間プレーした後に出征。フィリピン沖で消息を絶ち、兄弟4人全員でプロのグラウンドに立つという夢は叶わなかった。

戦後、明と二郎は阪急に入団。二郎は招集により体力が低下し、最初のうちでは投手であったが、段階的に野手に転向。31試合連続安打という当時の日本記録を作り、「二刀流」として活躍した。引退後は、パ・リーグ各球団のコーチや監督を務めている。
明は後に、地元球団である中日に移籍。同球団を初の日本一に導き、引退後は同球団の監督も務めている。


太賀は、肩が回っていないので、おそらくほとんど野球経験はないと思われるが、演技面では兄弟間の支点的役割を上手く出している。

勝地涼はフォームが綺麗なので、太賀よりは野球のセンスがありそうである。

最近見かけない忽那汐里。オーストラリア生まれであるため英語はペラペラ。ということで英語圏での活動に重きを置いているようである。


手榴弾投げは、沢村栄治のエピソードでも知られている。手榴弾投げのデモストレーションに駆り出された沢村は、一時復員した際には、腕が肩より上に上がらなくなっていた。それでもサイドスロー(横手投げ)の技巧派投手として巨人軍に復帰。3度目となるノーヒットノーランも達成している。しかし更に招集の声が掛かり、東シナ海で乗っていた船が撃沈され、海底に眠ることとなった。

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2026年2月15日 (日)

コンサートの記(948) 下野竜也指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団豊中演奏会 オールNHK大河ドラマテーマ曲

2026年2月6日 曽根の豊中市立文化芸術センター大ホールにて

午後7時から、曽根にある豊中市立文化芸術センター大ホールで、「大阪フィルハーモニー交響楽団豊中演奏会」を聴く。指揮は下野竜也。全曲、大河ドラマのテーマ曲というプログラムである。

大河ドラマのテーマ曲は、NHK職員の息子で、自称「大河フェチ」の広上淳一が当時の手兵であった京都市交響楽団と、前半が大河ドラマのテーマ、後半がクラシック名曲という形で何度か行っており、京響の常任を離れてからもニューイヤーコンサートなどで取り上げている。
また本家のNHK交響楽団は、沖澤のどかの指揮で、さいたま市の大宮ソニックシティ大ホールで大河ドラマのテーマ曲とクラシック名曲のコンサートを来月行う予定である。ちなみにチケット料金であるが、N響が大フィルの倍以上高い。

久しぶりの豊中文芸。豊中市は日本センチュリー交響楽団のホームタウンであるため、センチュリー響が豊中文芸で優先的に演奏会を行っているが(定期演奏会は大阪市内のザ・シンフォニーホールから変更なし。おそらくザ・シンフォニーホールでやった方が豊中で行うよりも客が入る)、大阪フィルハーモニー交響楽団は大阪市の南の方(西成区岸里)に本拠地を置いているため、豊中で演奏する機会はそう多くないはずである。

下野竜也は大阪フィルの1月の定期を振り、その後、京都市ジュニアオーケストラのリハーサルと本番、更に大フィルの豊中演奏会と続いており、おそらくずっと関西で過ごしているものと思われる。
下野は、大フィルの指揮研究員出身だが、研究員であった2年間は、豊中市の庄内(大阪音楽大学がある場所)で暮らしていたそうだ。

下野が大河ドラマのテーマ曲を振ったのは計7回で、近年では最多となる。
ここ10年ほどは、下野と同じくNHK交響楽団の正指揮者である尾高忠明、広上淳一の3人で回しており、今年の大河「豊臣兄弟!」のテーマ曲指揮者として沼尻竜典が新たに加わっている。

 

曲目は、大島ミチルの「天地人」、芥川也寸志の「赤穂浪士」、湯浅譲二の「元禄太平記」、林光の「花神(かしん)」、池辺晋一郎の「黄金の日日」と「独眼竜政宗」、山本直純の「武田信玄」、千住明の「風林火山」、坂本龍一の「八重の桜」、吉松隆の「平清盛」、服部隆之の「真田丸」(ヴァイオリン独奏:三浦文彰)、菅野祐悟の「軍師官兵衛」、エバン・コールの「鎌倉殿の13人」、ジョン・グラムの「べらぼう」

N響が今年の大河「豊臣兄弟!」のテーマ音楽を演奏するのが売りなら、大フィルは昨年の大河「べらぼう」のコンサート初演奏を実際に指揮した人のタクトで聴けるのが魅力である。

ゲストは3人。先に記した三浦文彰、作曲家の池辺晋一郎、オンド・マルトノ奏者の原田節(たかし)。池辺晋一郎は作曲の拠点は東京だが、アクリエひめじなど姫路市での仕事も多く、また「川が流れてる街が好き」と述べたことがあり、「大阪とか」と大阪市を筆頭に挙げている。

 

今日のコンサートマスターは崔文洙。フォアシュピーラーに須山暢大。ドイツ式の現代配置による演奏だが、豊中市立文化芸術センター大ホールはステージが比較的狭いので、大編成の大フィルが乗ると、「ぎっしり」という感じである。
邦楽器の音は、下手端に位置するキーボードが出していた。また「赤穂浪士」では、エレキギターが演奏された。

下野は、身長が高くないので、高めの指揮台を使用。総譜であるが、製本されていないので、印刷された譜面を1曲ごとに取り替えて指揮していた。
司会を兼ねながらの指揮(「司会をします。たまに指揮もします」と冗談を言っていた)。

豊中市立文化芸術センター大ホールは、西宮市にある兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールをモデルとして建てられたが、サイズや内装、音響なども異なるため(音響設計は、クラシック音楽専門のところではなく映画館の音響が専門の会社に頼んでいるはずである)、今日の演奏会では、音が塊となって迫ってくるかのよう。やはりこのホールには中編成から小編成のアンサンブルの方が相応しいようである。

下野は、俳優には余り詳しくないようで、「妻夫木聡」という名前を何度か間違えていた。
「映画に負けない時代劇を作ろう」という掛け声と共に始まった大河ドラマ。当時の時代劇映画は、一流の作曲家に音楽を依頼することが多かったため、負けないためにはこちらも一流の作曲家を起用する必要がある。これまでの大河ドラマの音楽担当者を見ても、著名な作曲家の名前が綺羅星の如く並んでいる。

芥川龍之介の三男で、芥川也寸志作曲賞にその名を残す芥川也寸志。ソ連の音楽に詳しくショスタコーヴィチ作品の紹介なども行っていた人である。「赤穂浪士」のテーマ音楽(本編での演奏はまだNHK交響楽団ではない)は、数ある大河のテーマ曲の中でも知名度は随一。赤穂浪士を描いた音楽としては最も有名で、民放のバラエティ番組なども赤穂浪士を紹介する際にはこの音楽を流すことが多かった。ちなみに大河ドラマの音楽は、テーマもその他の音楽もフリー素材扱いとなり、自由に使うことが出来る。
芥川の「赤穂浪士」はすでに大河ドラマのテーマ曲のみならず、彼のオーケストラ小品と見なして間違いないと思われる。

「元禄太平記」の音楽を担当した湯浅譲二は、「徳川慶喜」のテーマ音楽でも知られている。現代音楽の作曲であり、いつも易しい音楽を書くということはしなかった。「元禄太平記」の音楽は平明である。主人公は異例の出世を遂げた柳沢吉保。ただ柳沢吉保は男色好きで、時の将軍・徳川綱吉も衆道を好んだ。ということで教科書に書けない、テレビにも映せない何かがあったのかも知れない。

林光は、現代音楽の風潮を嫌い、メロディー第一の作曲を行った人である。「花神」のテーマ曲でもテーマを繰り返しながら変化させるのが上手い。
「花神」の映像は、総集編が出ていて、私は見たことがある。司馬遼太郎の原作も読んだが、原作の方が面白かった。ただ全話見たら評価が覆るかも知れない。

池辺晋一郎作曲の「黄金の日日」と「独眼竜政宗」。演奏前に、池辺晋一郎がトークゲストとして登場。いきなり、「歯医者みたいなことやってるね。歯科医者(司会者)」とジャブ。池辺晋一郎というと駄洒落がお馴染みで、下野に「5回までにして下さい」と言われる。5回ということに掛かるが、池辺晋一郎は大河ドラマの音楽を冨田勲に並ぶ最多タイとなる5回手掛けている。

池部「5回。誤解のないように」

「黄金の日日」を手掛けていたときは、同時進行で「未来少年コナン」の音楽も担当していたそうで、大変な忙しさだったという。
主人公である呂宋助左衛門こと納屋助左衛門を演じた六代目市川染五郎は、2016年の大河ドラマ「真田丸」でも九代目松本幸四郎として同じ役を演じている(その年の暮れに二代目松本白鸚襲名を発表)。

「独眼竜政宗」は今も「好きな大河ドラマランキング」でたびたび1位を取る作品であるが、通常は前年の秋にテーマ音楽を録音するところを、N響が秋に海外ツアーを行うため、前年の8月に録音が行われることになった。脚本は2ページしか出来ておらず、仕方なくイメージを膨らませて作曲したそうだ。下野は、「独眼竜政宗」を見ていて、変わった音が鳴っていることに気付いたが、後にそれがオンド・マルトノの音だと知ったそうだ。
ということで、オンド・マルトノ奏者の原田節がステージ上に呼ばれる。オンド・マルトノは、メシアンのトゥーランガリラ交響曲に用いられていることで知られているが、使用されている曲はそれほど多くない。池辺は、「勇壮なイメージ」ということでオンド・マルトノを取り入れたそうである。
池部「伊達なので伊達に」
ちなみに流行語となった「梵天丸もかくありたい」と語っていた少年は、今は京都芸術劇場春秋座の芸術監督である。

池部は、「皆さん、テーマ曲が一番大変だと思うでしょ。でもそうじゃない。ドラマの中で流れる曲が大変。打ち合わせして、場面の切り替わりだとか転調」に合わせた音楽を書かないといけない。全話分で620曲ぐらい作曲するそうである。
「今はそうじゃない。ストックしておいて、合った曲を選ぶ。でも事前に100曲から200曲ぐらい書くので、準備が大変。あと使われない曲も出てくる」
更に、「テーマ曲が大変なのは手間が掛かる」と駄洒落を言っていた。
原田節も池辺に合わせて、池辺「和音が出来ない」、原田「わおーん」と言ったり、一番端に置かれたスピーカーのような見た目の楽器の裏に銅鑼がついているのだが、「どこでも銅鑼」と言って、下野は、「原田さん、普段、こんな人じゃないんですよ」とフォローしていた。

第1部では、昭和の大河ドラマのテーマ曲を取り上げたが、第2部では新しい曲も増える。

山本直純が作曲した「武田信玄」に続き、信玄の軍師として知られる山本勘助を主人公にした「風林火山」が演奏される。赤備えである。共に武田の騎馬隊をイメージして作曲している。「風林火山」の千住明は、母親に作曲したものを聴かせたのだが、「もっともっと」と要求されて、最後には「騎馬隊の馬の耳まで見えた」として納得出来る作品となったようだ。一部では、「コッペパーン」で始まる矛盾した歌詞が付けられて歌われている。

曲が多いので、下野も、「次ぎ、『八重の桜』ですよね」と頭がこんがらがるようだ。
「2分から3分の間に、ベートーヴェンの交響曲1曲分のエネルギーを皆さん込めるので、やる方は大変」

坂本龍一が唯一書いた大河ドラマのテーマ曲「八重の桜」。2013年、「八重の桜」放送当時に、坂本龍一本人がピアノとアンコール楽曲での指揮を担当した「Playing the Orchestra 2013」で取り上げている。私にとっては、新装オープンとなったフェスティバルホールでの最初のコンサートであった。その時は篠笛が鳴るという、ドラマ通りの編曲であったが、今回は篠笛も笛の類いも鳴らない編曲であった。坂本龍一はニューヨーク在住ということで、テーマ曲と、「八重のテーマ」だけを作曲。本編の作曲は中島ノブユキに託している。
現在、「八重の桜」はNHKBSで再放送中である。

吉松隆の「平清盛」。冒頭にピアノが活躍するが、これは「左手のピアニスト」として活躍している舘野泉が左手だけで弾いたものである。「梁塵秘抄」の「遊びをせんとや生まれけむ戯れせんとや生まれけむ」の部分をピアノで表している。ちなみにこの部分は純粋に遊ぶ子供を愛でているもので、「遊女が」という解釈は「梁塵秘抄」の性格に合わない。
時代に合わせてリアルなセットや服装にしたところ、神戸市長から「汚い」と苦情が入ったことでも知られる大河ドラマである。

服部隆之の「真田丸」。短い曲だが、この曲を演奏するためだけに大河本編でもヴァイオリンを弾いた三浦文彰登場。三浦文彰は最近は指揮者としても活動している。本編の指揮者は下野であり、オリジナルのソリストと指揮者が揃うことになった。下野は、ドラマにも堺の商人役で出演。セリフは、「はい」だけであったが、大河俳優となっている(?)。広上淳一が、「私も出たかったんです」と嫉妬していたが、その後に大河ではないが音楽監修を務めたTBS系日曜劇場の「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」にピアニカ奏者役でカメオ出演することになる。
三浦は、「服部先生に冒頭だけでも聴けて貰ったのが良かった。『土臭く。侍』というイメージも言って頂けた。作曲者に直接答えて貰えることは実は稀で。みんな死んじゃってるんで」と語っていた。
広上淳一指揮の京都市交響楽団がこの曲を演奏したときには、コンサートマスターの石田泰尚がソロを弾いたが、ソリストと、普段コンサートマスターとして活動しているヴァイオリニストの違いがよく分かった。
この曲はヴァイオリンが駆け、オーケストラがそれを追いかけるという構図を取っている。
三浦の退場後、下野は、「三浦さん、本番2分45秒でした」と語る。それだけのために豊中に来ている。

 

菅野祐悟の「軍師官兵衛」。菅野さんが席にいて、大フィルの福山さんと話しているように見えたのだが、気のせいだろうか。
京響に初登場した時は、雨天で、「嵐を呼ぶ男」と呼ばれるほどの雨男だと明かしてた菅野祐悟。その後、主に関西フィルハーモニー管弦楽団と仕事をすることが多く、交響曲などを発表している。

下野は演奏後、「(主演の)岡田准一さんの顔が見えましたか?(岡田准一は大阪府枚方市の出身で、今もひらかたパークのひらパー兄さんとして親しまれている)。これからは海外の作曲家が書いた曲を演奏します。エンニオ・モリコーネも書いていますが(「武蔵」。お蔵入り決定で、大河の黒歴史となっている)、エバン・コール。この人はアメリカ人ですが、日本のアニメにも詳しいです。これを録るときはコロナの頃だったものですから、あんまり大人数ではいけない。一応、全員でも録ったんですが、パートごとに分けて録る。ただそれをそのまま全部合わせると上手くいかないものですから(カラヤンはそうした手法でも録音していたようだが)、クリックを使おうと。しかし、オーケストラの音が大きいので、クリック音が聞こえるように音量を上げると外からも聞こえてしまう。そこで『電磁波クリックがあります』ということで、後頭部に電磁波が出るものを装着すると外には聞こえなくても頭の中には聞こえる。でもやはりオーケストラの音が大きい。今度は『針があります』ということで、腕時計に針が仕込まれていて交互に腕を指す。この曲には懐かしさもありますがあの痛さも思い出します」

エバン・コールの「鎌倉殿の13人」。演奏時間は2分15秒と短い。鎌倉時代が舞台で、戦国時代や幕末ほどには様々な人は登場しない。承久の乱も軽く触れるだけで、身内同士の殺し合いと姉弟関係を描くという内容であったため、キャストの数は他の大河に比べて少なめだったはずである。身内同士の粛正が多いので、陰惨でもあったが。
広上淳一と京都市交響楽団がこの曲を演奏した時には、掛け声は録音されたものをスピーカーから流していたが、今日は大フィルの団員がその場で声を発していた。

ジョン・グラムの「べらぼう」。下野はジョン・グラムについて、「『麒麟がくる』も作曲しています」と紹介する。
ジョン・グラムはアメリカ人だが(ちなみに生年が1960年または1961年とあり、よく分からないらしい)、日本情調の表し方も巧みである。

 

最後は、
下野「鹿児島県出身なので、鹿児島県が舞台になった大河を。『篤姫』じゃありません。『西郷どん』(富貴晴美作曲)という愉快な曲を」
主役オファーを断られ、当時、お茶の間では無名に近かった鈴木亮平が代役として大抜擢されるなど、色々あった大河だが、「西郷どん」が言葉通り愉快に鳴った。

下野は最後に、「大阪フィルの指揮研究員だった時、2年間だけ豊中市民でした。大阪フィルのメンバーに『どこに住んだらいいだろう』と相談したら、『庄内がいいんちゃう』と言われたもので、庄内の部屋とは反対側にある不動産屋に行って契約して。その時は部屋はまだ見てません。それから大阪フィルで、岩城宏之先生のドビュッシーの「海」のリハーサルを見学して、庄内の表側に行ったら、『楽しくて、庄内』と書いてあって、楽しい街だなあ」と思い出を語っていた。

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2026年2月11日 (水)

NHK 宮城発地域ドラマ 草彅剛主演「ペペロンチーノ」

2026年2月2日

NHKオンデマンドで、宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」を見る。作:一色伸幸、音楽:世武裕子。主演:草彅剛。出演:吉田羊、國村隼、矢田亜希子、富田望生、一色洋平、蒼波純、古川凛ほか。演出:丸山拓也(NHK仙台放送局)。

東日本大震災から10年が経った宮城県内の牡鹿半島にある町(具体的な市区町村名は明かされない)が舞台。10年前、港の近くで妻の灯里(吉田羊)と共にイタリアンレストラン「PARADOSO」を開いていた小野寺潔(草彅剛)は、東日本大震災で被災。命は助かったが、レストランは津波に流された。
仮設住宅に入った小野寺。レストランを失ったので他の仕事を探さねばならないが、見つかるのは賃金が安いか、肉体労働の仕事だけ。5つほど従事したが、どれも長続きはしなかった。
そんな日々の中で、酒浸りの生活となり、オートバイを飲酒運転して転倒し、脚の骨を折るという重傷を負う。担当した佐々木という医師(國村隼)もアル中だったことがあり、小野寺は2021年の3月11日まで断酒するよう厳命される。
ある日、小野寺は、仮設住宅の隣の部屋で暮らしているのが、高校の時の同級生であるより子(矢田亜希子)であることに気付く。激しめの親子喧嘩を聞きつけて、隣家に飛び込んだのだ。より子はシングルマザー。小野寺は仲直りのためのペペロンチーノを作る。「最も易しいが、最も難しい」それがペペロンチーノ。

かつてレストランがあった場所を訪れた小野寺は、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」より第18変奏を奏でる音に惹かれ、倉庫の方へ。グランドピアノを弾いていたのは高橋(一色洋平)。なたね(富田望生)がそれを聴いている。高橋はなたねのためにピアノの練習を重ねていたようで、突然、なたねにプロポーズ。なたねのみならず小野寺も動揺して、近くにあった木材などを蹴飛ばしてしまい、高橋となたねから「誰?」という目で見られる。小野寺は、以前に近くでレストランを開いていた者だと教える。
高橋となたねは、海で養殖の仕事をしているが、小野寺も仕事を教えて貰うようになる。

妻の灯里がイタリアンを食べる姿を見た小野寺は、以前の「PARADOSO」より、より海に近い場所に新たな「PARADOSO」を開くことを決め、金策に回る。雑誌やテレビが取材に訪れ、窓から見える海の眺望も話題となって繁盛するが、コロナ禍が訪れる。そんな中、一人の若い女性がPARADOSOを訪れる。彼女は小さなWeb情報誌のライター、庄司結衣香(齊藤夢愛)だった。彼女は他のライターとは少し異なる記事を書いた。


2021年3月11日。小野寺は、知り合い全員をPARADOSOに呼び、貸し切りパーティーとするが、それは小野寺が誰よりも深い喪失を抱えていることが分かる瞬間でもあった。


2021年にNHK仙台放送局によって制作されたドラマである。陰のある男役も得意とする草彅剛だが、この時点で渋みも加わった演技を行うことが可能になっている。年を取れば取るほど味が出てくるタイプだ。
何千回、何万回と写真を撮られてきた人だと思うが、新たなPARADOSO出発の日に写真を撮られているときには明らかに撮られ慣れていない表情をしており、面白い。
目の演技が細やかな富田望生は、この2年ほど後に体重を増やして、朝ドラ「ブギウギ」で草彅剛と再度共演。富田望生は自身と同じ福島県出身の役を演じており、語尾が「くんちぇ」になる方言を草彅が面白がってよく真似ていたそうだ。

どんでん返しのあるドラマだが、一層、小野寺という男の内面が愛おしくなるような気がする。
東京制作とは違った、ゆったりとした時の流れを感じられるのも印象的であった。

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2025年10月26日 (日)

NHKスペシャル「シミュレーション昭和16年夏の敗戦前後編・ドラマ×ドキュメント」

2025年8月20日

NHK+で、NHKスペシャル「シミュレーション昭和16年夏の敗戦前後編・ドラマ×ドキュメント」を見る。ドキュメントの部分は比較的短く、ドラマが中心になる。ベースとなっているのは猪瀬直樹著の『昭和16年夏の敗戦』。
出演:池松壮亮、仲野太賀、岩田剛典、二階堂ふみ(語り兼)、北村有起哉、國村隼、佐藤隆太、三浦貴大、別所哲也、嶋田久作、中野英雄、松田龍平、奥田瑛二、江口洋介、佐藤浩市ほか、仲野太賀と中野英雄は親子共演となる。

連続テレビ小説「虎に翼」で、岡田将生演じる星航一の話に登場して話題になった総力戦研究所を描いたドラマである。星航一のモデルとされた三淵乾太郎は、実際に総力戦研究所で司法大臣として演習に当たっていた。
最初から日本が不利であることは大多数の人が気付いていた気がするが、それを覆すための研究所でもある。軍部としては「勝機はある」との言葉を待っていたのだと思われるが、結論としては、「開戦すべきでない」「日本はアメリカに何もかも劣る」であった。
しかし、時代の流れは止められず、日本は地獄を見ることになる。

永田町にあった総力戦研究所に集められたのは、身心知力ともに健康な、様々な分野から集った35人の男性。平均年齢は三十代である。いわば日本の最高水準の知力が集結したことになる。
池松壮亮演じる宇治田洋一は、東京帝国大学首席卒という設定だ。そのインテリ達が様々なデータなどを駆使してシミュレーションした結果は日本必敗であった。宇治田は日本の軍部高官が考えていることが「ごっこ遊び」に過ぎないと陸軍省の高官である西村(江口洋介)に考えを吐露するが、現地に赴くことの絶対にない軍の高官達にとっては、戦争はごっこ遊びと感覚的に似通っていることは確かだと思われる。私は村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』を大学の卒業論文で取り上げた際に同様の内容を記している。
だが、油田の獲得を目的とした南部仏印侵攻は続いており、「船の数が不足している」としても戦いを続けるしかない。
すでにABCD包囲網により、資源が不足していたが、オランダに次いでアメリカも石油禁輸。これにより、日本国内には全国民が使うための石油が2年しかもたないことが判明する。
頭脳明晰な壮年の男達は、太平洋戦争が辿る経緯をかなり正確に見抜いていた。集合知の力である。しかし結論を軍部に聞き入れられることはなかった。

東条英機は、開戦を避けようとするも、もはや自分の力ではどうにもならないと呻吟する人物として描かれる。ハゲヅラをかぶり、一目では誰だか分からない風貌になった佐藤浩市が熱演している。

仲野太賀と岩田剛典は、「虎に翼」のオマージュとしての抜擢かも知れない。岩田剛典は、海軍でありながら、「開戦に反対」という立場を取るが、長州閥のある陸軍では開戦派、薩摩閥のある海軍では、「負ける戦いはするべきではない」との慎重派が多かったとされる。ただ、実のところ藩閥が1941年時点でどれだけ働いていたのかはよく分からない。
その陸軍のトップに立ったのが盛岡藩士の家系である東条英機である。同じく陸軍の軍人であった東条英機の父親は、藩閥によって出世出来なかったが、東条英機は藩閥を超えている。彼が「戊辰の仇」である長州に対してどんな思いを抱いていたのかは不明である。

近衛文麿を演じる北村有起哉は、出番は余り多くないが、見た目が近衛文麿そっくりになっており、笑ってしまうくらいの良い出来である。
摂関家筆頭の近衛家から出た近衛文麿。お公家さん出身だからか、京都帝国大学卒のインテリながら、ちょっと不思議な人だったらしい。
摂関家出身でも駄目なら宮家からということで、東久邇宮稔彦が近衛の次の首相として推されるが、昭和天皇(松田龍平)は首を縦に振らず、東条英機が首相になる。
東久邇宮稔彦は、戦後処理のためだけの内閣総理大臣として、短期間政務に就いた。首相在任期間は、羽田孜に抜かれるまで明治以降最短であった。

佐藤隆太とは、もう大分前になったが、舞台上でハグや握手をしたことがある。そういう人がテレビに出ていると不思議な気がする。

京都でもロケが行われており、龍谷大学本館や京都府京都文化博物館別館(旧・日本銀行京都支店)などが使われていた。

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2025年10月 6日 (月)

「警部補・古畑任三郎」 さよなら、DJ

2025年6月8日

ひかりTVで「古畑任三郎」の「さよなら、DJ」を見てみる。1994年当時はデジタルで映像が撮られている時代だが、初期なので劣化したのか、それともアナログで撮ったのか、今から見ると少し古く感じられる映像である。

桃井かおりが演じるのは、「おたかさん」の愛称で知られるラジオDJ、中浦たか子である。運転免許を持っていないため、専属運転手として沢村エリ子(八木小織)を雇ったのだが、たか子のボーイフレンドを寝取ったため、たか子は沢村殺害を計画する。

たか子がラジオ局内を猛ダッシュで駆け抜け、駐車場で待機していた沢村を殺害してラジオブースに戻ってくるまでに掛かっているのが越路吹雪の「サン・トワ・マミー」である。越路吹雪というと、「大ベテラン」というイメージで老年まで歌っていそうなのであるが、実際には56歳で亡くなっており、美空ひばりや江利チエミなとど共にイメージとは異なり早逝した人物の一人である。

私が、「サン・トワ・マミー」を知ったのは、勿論、越路吹雪版によってであるが、現在、よく聴いたり歌ったりするのはRCサクセションのロックバージョンである。因縁のアルバム「COVERS」に収録されているもので、越路吹雪版の主人公が女なのに対し、RC版は主人公が男になっている。ちなみに原曲のアダモ版では主人公は男である。

トリック自体は単純で、たか子のミスにも多くの人が気づくはずであり、ミステリーとしての完成度は余り高くない。ただ、桃井かおりの存在感に激走、殺人直後なので、エルヴィス・プレスリーのLPを手が震えて掛けられないので相方に任せるというリアルさなど印象深い回である。田村正和がわざと下手くそに歌う「ラストダンスは私に」が聴けるのも面白い。桃井かおりは学生時代に陸上部所属だったそうで、ノリノリで走ったそうである。

なお、有名な「赤い洗面器の男」は、この回が初出であり、冒頭でたか子が話をするのだが、落ちは当然ながら明かされない。

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2025年9月 2日 (火)

コンサートの記(914) 遊佐未森 「cafe mimo Vol.24~春爛漫茶会~」大阪公演

2025年4月20日 心斎橋PARCO SPACE14にて

午後5時から、心斎橋PARCO14階の、PARCO SPACE14(イチヨン)で、遊佐未森の「cafe mimoVo.24 ~春爛漫茶会~」に接する。シンガーソングライターでボーカル&ピアノの遊佐未森が、ギターの西海孝とパーカッション&打ち込みの楠均と共に毎春トリオで行っているコンサート。通常は、東京の草月ホールでスタートして各地を回るのだが、今回は、大阪のこの公演が初日となった。昨年もPARCO SPACE14で開催。PARCO SPACE14は、以前は大丸心斎橋劇場、その前はそごう劇場という名前だったのだが、そのどちらでもcafe mimoは行われており、歴史の長さが感じられる。本来は、25周年になるはずで、お祝いも出来るはずなのだが、コロナで飛んでしまった年があり、Vol.25とはならなかった。遊佐未森によるとスタッフがどさくさに紛れて、Vol.25になるよう画策したらしいが、遊佐が「それはちょっと」と難色を示したので、四半世紀にはまだ届かないということになった。ただ中止になった回もリハーサルだけはしたそうで、その時にカバーした曲が面白くて大笑い。だが、笑いすぎて歌唱にならないため、その曲は封印することになったようである。

未森さんは、「桃」を意識したピンクのワンピースで登場したが、注文して完成したのが昨日の夜中。ドレスメーカーのサチコさんが夜に車を飛ばして事務所まで届けてくれたそうである。サチコさんは夫婦で衣装の製作を手掛けているのだが、結構、有名な人らしい。


ミラーボールが輝く会場。スキャットを背後に中原中也の「月夜の浜辺」の全編朗読を含む「月夜の浜辺」という同名の曲でスタート。未森さんは、「(中原中也の)映画もあったようなんですが(「ゆきてかへらぬ」)リハーサルで観に行けなかった」と語っていた。

桃の衣装なので、「桃」という歌や、「つゆくさ」というナンバー」も歌われ、cafe mimoでは終盤によく歌われた「一粒の予感」がバラード調のスタートで早めに歌われた。
恒例のカバーでは、「Fly Me to the Moon」が歌われる。お馴染みのジャズナンバーで、若い人には、「新世紀エヴァンゲリオン」連続アニメ版のエンディングテーマとして知られると書きたいところだが、「新世紀エヴァンゲリオン」連続アニメ版が放送されたのは30年近く前で、それを知っている人ももう若いとは言い切れない年齢になっている。
どちらかというと、ジャズ的なノリよりも落ち着いた歌唱を指向した出来であった。
カバーとしてはもう1曲、「The Water is Wide」が歌われた。フォーク全盛期にはよく歌われた民謡である。

大阪公演のゲストは、元Le Couple(ル・クプル)の藤田恵美。Le Coupleは連続ドラマ「一つ屋根の下2」の挿入歌となった「日だまりの詩(うた)」が大ヒットしたが、2005年に活動停止、2007年に離婚が成立して解散となっている。その後、藤田恵美はカバーなどを中心としたアルバム制作や、ラジオのDJなどとして活動を続けている。写真や映像で見るよりシャープな印象の女性。
藤田は自己紹介で、子どもの頃に劇団ひまわりにいて、左卜全とひまわりキティーズ「老人と子どものポルカ」にひまわりキティーズの一人としてレコーディングに参加していたそうである。
その後、ブルーグラスやカントリーなどを歌う歌手としてライブハウスで活動するが、その時、ライブハウスで演奏と同時に従業員として働いていたのが西海孝だそうである。西海孝とはその後、5人組のバンドを組み、藤田がボーカル、西海がギター&バンジョーで新宿コマ劇場の地下にあったカントリー系としては日本最大のライブハウス・ウィッシュボンで活動していた仲だという。十代、二十代は洋楽ばかり聴いていたが、事務所の人から、「日本の今を知らなきゃ駄目だよ」と言われ、手を伸ばしたのが遊佐未森のCD、「momoizum」であった。そして、「ライブにも行ってみよう」と思い、渋谷公会堂に出掛けたのだが、「え? こんなに踊る人だったの?」と思ったそうである。遊佐も自身のライブ映像を見返したことがあったのだが、「『momoizm』の時はこんなに踊ってたんだ」と驚いたそうである。
そしてなんと、「日だまりの詩」を歌うことになる。第1番を遊佐が、2番を藤田が歌う。
「ひだまりの詩」は、旋律は明るいが、歌詞はもう会えなくなった元彼の思い出と感謝を歌うという、ちょっぴり切ないものである。遊佐未森は、癒やし系シンガーであり、例えば「ココア」などの切ない曲も歌うが、メロディーが明るくて歌詞が切ない楽曲には彼女の歌声はハッピーすぎて余り合わないかも知れない。藤田は持ち歌だけにしっとりと歌い上げていた。
藤田が、遊佐の「僕の森」にチャレンジしたいと言う。遊佐は高校時代は音楽科出身で声楽などを学び、大学も音大。大学では声楽科ではなかったが、「8の字唱法」といって、通常の裏声を使うことなく高い声を出す唱法を習得している。普通の人はそうした発声は出来ないので、一般的な裏声を使うのだが、藤田も「出来には期待しないで下さい」といっていた通り、高音を出すのには苦労しているようだった。

その後、遊佐は、最も新しいアルバムである「潮騒」からタイトル曲などを歌う。


アンコールは、菅原都々子の「月がとっても青いから」を藤田恵美と共に歌う。藤田の父親が、菅原都々子のアルバムを2回聴かないと寝かせてくれないような人だったそうだ。


最後は遊佐未森による告知。大阪では、島之内教会でクリスマスコンサートを行うそうである。また大阪ではないが、同じ関西で、「京都の『ぶんぱく』というところでコンサートをやります。『ぶんぱく』って正式にはなんていうんだろう? 京都の人、みんな、『ぶんぱく、ぶんぱく』って言うから。文化博物館? 合ってる? 京都市文化博物館?」。京都文化博物館は、正式名称を京都府京都文化博物という京都府の施設なので、京都市文化博物館だとちょっと違う。ということで、「京都“府”」と言う。遊佐は、「そうですよね。京都府文化博物館?」。まあ、「府」と聞いただけで、京都府京都文化博物館という名称を導き出すのは難しいだろう。

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