時折桜を眺めながら
鴨川の河原でトレーニング。川端通沿いの桜が目に心地よい。
喉を温めた後、小説の朗読で口を慣らす。まず小さな声でゆっくり読み、1ページ進むごとに声とスピードを上げ行く。最初から大声を出すと喉を壊すことがあるのだ。喉を何度も壊して声を作っているという方針の劇団もあるようだけれど、残念ながらそうした鍛え方の劇団の俳優は声が汚いことが多い。そうした鍛え方でも声量は増すのだろうけれど、もし彼ら彼女らが映像作品に出たいと思っても声がネックになって出られないということに成りかねない。
鴨川のこちら側の岸に向かって声を出し、次に中州に向かって声を飛ばし、最後は対岸を標的にして文章を読み上げる。
それから詩の朗読。選んだ詩の性質もあって、小説よりも読み上げるのは難しい。
しかしその詩を朗読してから、一人芝居用のテキストである「生まれ変わるとしたら」を読むと自分でも驚くぐらいスムーズに読める。詩で負荷をかけておいてからセリフに移ると舌が数段滑らかになるのを感じる。この開放感が気持ち悪いはずがない。
私自身は役者をやらないのだけれど、役者志望の人はこうして自信をつけるのも一つの手だと思う。
再び朗読してトレーニングを切り上げる。
本当は時間と回数をもっと増やしたいのだが、なかなかそうもいかない。ただ鴨川があるというのは京都の利点だ。
青山墓地でトレーニングや稽古を行っていた東京の劇団を知っているけれど、さすがに墓地でトレーニングはやりたくないものな。
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