八時間労働発祥の地
神戸ハーバーランドにある「八時間労働発祥の地」碑。
大正8年(1919)、現在のハーバーランドを含む一帯にあった川崎造船所の社長であった松方幸次郎(内閣総理大臣を務めたこともある松方正義の子)が日本で初めて8時間労働を提唱したことを記念する碑である。当時は12時間から15時間労働は当たり前、中には労働時間の規定がなく、終わるまでやらせるところもあった。川崎造船所での1日の労働時間は平均10時間であったが、労働者が過酷な労働条件に抗議して巨大な争議が起こる。当初、会社側は労働者側の意見を全く取り入れなかったが、松方社長が労働者側の代表と4度に渡る話し合いを行い、大正8年10月1日より労働者の1日の労働時間を8時間とすることに決めた。松方はアメリカへの留学経験があり、アメリカの労働問題に関する知識があったという。
しかし、その後も労働争議は治まらず、1日9時間労働制であった三菱造船所の社員も巻き込んだ大争議が起こるなどしたため、1日8時間労働が確定したのは2年後の大正10年であったという。
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